歴史を学ぶとは、その時々の現象事実、史実を知ると同時に、当時に生きた人々の意識や認識に同化すること、さらには、縄文の時代から脈々と続いている「世界観」を感じ取ることだと思います。
私たちも今の若い人たちも、日本人には、そういうことをしっかり学び、感じて生きて欲しいです。
日本国、日本人としての誇り、世界観を失わないで生きて欲しい、と思います。
2月11日は「建国記念の日」
日本の祝日は、「国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)」で定められています。
この中で「建国記念の日」は「建国をしのび、国を愛する心を養う。」と記述され、日付については「政令で定める日」とされています。この「建国記念の日となる日を定める政令」については、「昭和四十一年政令第三百七十六号」で「建国記念の日は、二月十一日とする」と記され、1966年昭和41年に制定されました。
古事記・日本書紀の記述より
天孫降臨
高天原にいた天照大御神は、地上を治めるために孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を地上に降ろします。瓊瓊杵尊は日向の高千穂峰に降り立ち、木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)との間に鵜葦草葦不合尊(うがやふきあえずのみこと)をもうけます。
神武天皇の誕生
鵜葦草葦不合尊は海神の娘、豊玉毘売(とよたまびめ)との間に、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)をもうけます。彦火火出見尊は、兄たちとの争いに敗れ日向を去り、兄の五十狭芹彦命(いさせりひこのみこと)の娘、五十狭芹姫(いすけよりひめ)との間に神武天皇をもうけます。
神武東征
神武天皇は、兄たちとの争いに勝利し、天照大御神の命を受けて、大和を目指して東征を開始します。しかし、道中で多くの困難に遭遇し、多くの戦いを繰り広げます。
大和平定
神武天皇は、長年の戦いの末、ついに大和を平定します。そして、紀元前660年1月1日(旧暦)に橿原宮で即位し、初代天皇となります。
神武天皇の治世
神武天皇は、大和朝廷を拠点として、全国を平定し、政治基盤を築きます。また、様々な制度を制定し、国の発展に努めます。
神話(言い伝え)の特徴
神武天皇即位の神話(言い伝え)には、次のような特徴があります。
・天照大御神の子孫が地上を治めるという、皇統の活躍と正統性が理解できる内容になっています。
・神武天皇の英雄的な活躍を描いた物語になっています。
・天津神と国津神との対立や和解など大和(日本国)の成り立ちが理解できる内容となっています。
史実との関係
神武天皇即位の神話(言い伝え)は、史実と完全に一致している訳ではありませんが、考古学や歴史学の研究によって、神話(言い伝え)に記述されている内容の一部は史実に基づいていると考えられています。
建国を記念する日
紀元節(きげんせつ)
紀元節とは、古事記や日本書紀で日本の初代天皇とされる神武天皇の即位日をもって定めた祝日で日付は紀元前660年2月11日です。
1873年(明治6年)に定められた、かつての祝祭日の中の四大節の一つです。
紀元節は全国の神社で「紀元節祭」と呼ばれ祭事が催されていたほか、庶民の間でも「建国祭」として祭典が行われていました。
皇紀
皇紀とは、神武天皇即位紀元(じんむてんのうそくいきげん)であり、初代天皇である神武天皇が即位したとされる年を元年とする日本の紀年法です。
『日本書紀』の記述に基づき、元年は西暦(キリスト紀元)前660年とされています。
ちなみに、2024年は、「皇紀2684年」です。
「紀元節」から「建国記念の日」へ
太平洋戦争での敗戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の意向で「紀元節」は日本の祝日から削除、廃止されました。
しかしその後、テレビ局が行ったアンケート調査により、全国民の80%以上の人が「建国を記念する日」を望んでいるということがわかり、紀元節を復活させようという動きが高まり、国民の祝日として設けることになりました。
その際「紀元節」から「建国記念の日」に改正され、1966年に国民の祝日に認められ、翌年から適用されています。
「建国記念の日」が「建国記念日」ではないのは、史実に基づく建国の日とは関係なく、建国されたという事実そのものを記念する日だからだとされています。
建国は神話の中に・・・歴史を学ぶとは?
建国記念の日は特別な行事は特にありませんし、その起源も「神話」の中にあります。
しかし、日本は、一国体として続いている歴史の年数としては世界一であり、古(いにしえ)の伝統文化が今も息づいています。
歴史を学ぶとは、その時々の現象事実、史実を知ると同時に、当時に生きた人々の意識や認識に同化すること、さらには、縄文の時代から脈々と続いている「世界観」を感じ取ることだと思います。
私たちも今の若い人たちも、日本人には、そういうことをしっかり学び、感じて生きて欲しいです。
日本国、日本人としての誇り、世界観を失わないで生きて欲しい、と思います。
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