ロシア

現代のロシア

ロシアとアメリカをウクライナで戦わせ、共倒れを狙う勢力

ロシアとアメリカをウクライナで戦わせ、共倒れを狙う勢力 ウクライナの治安機関SBUは6月1日、ロシアのオレニャ(ムルマンスク)、ベラヤ(イルクーツク)、イバノボ(イバノボ)、ディアギレフ(リャザン)、ウクラインカ(アムール)にある戦略核基地をドローンで攻撃、6月3日にはケルチ橋(クリミア橋)の防護柵を爆破した。いずれも西側諸国、おそらくイギリス、フランス、ドイツ、アメリカの情報機関から支援を受けていただろう。 2度の攻撃に挟まれた6月2日にウクライナのルステム・ウメロフ国防相とロシアのウラジーミル・メジンスキー特使はイスタンブールで会談した。まず2時間半ほど非公式の会談を行い、その後に公式会談を1時間ほど行った。ロシア側はウクライナ側に対し、停戦から30日以内にウクライナ軍をドンバス(ドネツクとルガンスク)、サポリージャ、ヘルソンから完全に撤退させ、軍や準軍事組織の再展開を禁止、クリミア、ドンバス、ノボロシアをロシアの一部として国際的に承認することを要求してきた。 ノボロシアとは、帝政ロシアの時代に由来する歴史用語で、オデッサ、ヘルソン、ミコライフ、ドニプロペトロフスク、ザポリージャ、...
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安倍昭恵夫人のロシア訪問

安倍昭恵夫人のロシア訪問日本政府は日露関係を改善するために動き出した表向きは政府は今回の訪問は否定的(日本の立場上、当然と言えば当然)安倍前首相夫人は「日本外務省の意向に反して」訪ロしたと現地で報道されています。林内閣官房長官は夫人とは「一切連絡を取っていない」とのこと。昭恵夫人はボリショイ劇場で「せむしの仔馬」を鑑賞。プーチン大統領は上演時間に間に合うよう自身の専用リムジンを是非お使い下さいと申し出ました。安倍前首相の秘書官だった今井尚哉氏は、プーチン大統領と昭恵夫人との会談は「両国の関係修復にとって意義深い」ものであり、「政治的な意味はないものの、和平に向けた良い一歩になるだろう」とコメントしたそうです。武藤大使「全てのことが終わり次第交渉を始められれば、と考えています。」〈プーチン氏は面会後、大統領の公用車「アウルス」を貸し出して、昭恵さんをロシアを代表するボリショイ劇場まで送り届けた。面会には、薗浦健太郎元衆院議員が同席。日ロ外交筋は日本政府による面会の設定を否定した〉面会には、薗浦健太郎元衆院議員が同席麻生さんが動いた薗浦健太郎元衆院議員は麻生議員の元秘書で安倍派で親露派麻生...
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ウクライナ紛争はNATOの「代理戦争」とトランプ特使

ウクライナ紛争はNATOの「代理戦争」とトランプ特使キース・ケロッグはモスクワの敵対行為の特徴づけに同調した。2020年9月22日、ワシントンD.C.のホワイトハウスにて。 ©  Getty Images / Drew Angererロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ紛争をロシアに対する代理戦争とみなすのは正しい、とドナルド・トランプ米大統領のキース・ケロッグ特使は日曜のフォックスニュースのインタビューで語った。ケロッグ氏は、和平プロセスは最終的には成功すると信じているものの、「エスカレーションの問題」は依然として残っていると述べた。ケロッグ氏は、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が先月、キエフへのタウルス巡航ミサイル供給に前向きな姿勢を示した発言に言及した。ケロッグ氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の見解に触れ、「彼はこれをNATOによる代理戦争と見なしている。そして率直に言って、ある意味ではそうだ」と述べた。「エスカレーションの問題は依然として残っている」とケロッグ氏は述べた。「メルツ首相は『ウクライナにタウルス・ミサイルシステムを与える』と言っている」ケロッグ氏...
現代のロシア

露軍との戦争で戦況を変えるための時間稼ぎに失敗した独首相が露国に戦争の恫喝

露軍との戦争で戦況を変えるための時間稼ぎに失敗した独首相が露国に戦争の恫喝 フリードリヒ・メルツ独首相は公開フォーラムで、ウクライナ軍がロシアに向けて発射するドイツ製ミサイルの射程距離に制限を課さないと宣言した。メルツはロシア政府に対し、高級的な和平でなく30日間の停戦を要求していたのだが、それを拒否され、啖呵を切ったつもりなのだろう。 ロシアがこの要求を拒否した理由は明確である。30日間に限定した停戦を実現することでロシア軍の進撃を止め、その間にウクライナ軍に兵器を供与して態勢を整えることができる。​ベルギーのテオ・フランケン国防相はEU外相会議で、「停戦が成立した瞬間、有志連合は直ちにウクライナ領土で活動できる」と語っている​。つまり、停戦が実現すれば欧州諸国からウクライナへ軍隊を派遣することができると語っているのだ。 メルツは以前から空中発射型巡航ミサイルの「タウルスKEPD 350」をウクライナへ供与すると主張しているが、この攻撃計画はドイツ空軍の中で議論されていることを示す会話がすでに公表されている。 同軍のインゴ・ゲルハルツ総監や作戦担当参謀次長のフランク・グレーフェ准将、...
現代のロシア

ウクライナ和平交渉、EUの軍事化、そしてキエフ政権の運命:ラブロフ外相の演説から読み取れる重要なポイント

ウクライナ和平交渉、EUの軍事化、そしてキエフ政権の運命:ラブロフ外相の演説から読み取れる重要なポイントロシアの外交官は、EUが和平プロセスを妨害しようとしていると非難しながら、モスクワは和平提案の草案を最終決定していると発言した。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、国民のアイデンティティと民族の自決に関する会議に参加する©  セルゲイ・グネエフ、RIAノーボスチロシア外相は金曜日のいくつかのイベントで、ウクライナ紛争の解決に関する幅広い話題や、このプロセスで米国とEUが果たす役割に関するモスクワの見解について語った。モスクワで開かれた国際会議で演説し、その後の質疑応答で記者団に答えたこの外交トップは、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領とキエフ「政権」の将来、紛争の仲介における米国の役割、そして敵対行為の長期化に対してEUが負う責任について語った。彼の発言から得られる重要なポイントは以下のとおりです。ウクライナ和平プロセスラブロフ外相は、紛争の根本原因に焦点を当て、現地の現状を認めるのであれば、ロシアは引き続き新たな交渉に応じる用意があると強調した。同氏は、ロシアは現在、潜在的...
現代のロシア

ナチスと同じようにロシア侵攻を目論むNATOを許さないロシア

ナチスと同じようにロシア侵攻を目論むNATOを許さないロシア ドナルド・トランプ米大統領は5月19日にウラジミル・プーチン露大統領と電話で会談した。トランプはウクライナでの停戦を短期間で実現すると宣伝していたが、状況をウォッチしていた人なら、そうした展開にならないことを予測していたはずだ。戦況はロシアが圧倒的に優勢であり、基本的に自給自足のロシア経済は西側資本の撤退でビジネスチャンスが膨らんで好調、兵器の生産力も強化されてきた。こうした実態をトランプは知らされていないのではないか、と言う人もいる。 戦死者の遺体交換を見ると、今年5月はウクライナ兵909名に対し、ロシア兵は34名、約27対1だ。これは戦死者数の比率が反映されていると考えられている。ウクライナでは街頭で男性が徴兵担当者に拉致される様子が撮影され、世界に発信されているが、そうした強引なことをしても兵士は足りなくなっている。拉致され、前線に送られた人たちは数週間で殺されているともいう。 2023年8月31日までイギリスの国防大臣を務めていた​ベン・ウォレスは同年10月1日、テレグラフ紙に寄稿した論稿の中でウクライナ兵の平均年齢...
現代のロシア

トルコでの交渉でロシアはウクライナやNATO諸国が目論む時間稼ぎを拒否

トルコでの交渉でロシアはウクライナやNATO諸国が目論む時間稼ぎを拒否 5月15日にイスタンブールでウクライナ情勢に関して話し合う会議が開かれた。ロシア政府はウラジミル・メジンスキー大統領補佐官を団長とする代表団、ウクライナ政府はルステム・ウメロフ国防相を団長とする代表団を送り込んだが、話し合いは2時間足らずで終わった。会談ではロシアの代表団がウクライナ側に対し、ドネツク、ルガンスク、サポリージャ、ヘルソンからの完全撤兵を要求、ウクライナ側が拒否したところで終了したという。 キエフ体制やその後ろ盾になっているイギリス、フランス、ドイツなどヨーロッパ諸国は停戦を求めているが、停戦は戦力を増強して態勢を立て直す時間稼ぎにすぎないことを理解しているロシアが応じないことは明白だった。2014年のミンスク1と15年のミンスク2で煮湯を飲まされた過去をロシアが忘れているはずはない。戦場で西側を圧倒しているロシアは事実上の降伏を要求している。仲介役を演じようとしているアメリカ政府はこうした状況を理解していないのかもしれない。 ロシアはすでにドネツク、ルガンスク、サポリージャ、ヘルソンの4州をロシア領...
現代のロシア

モスクワで習国家主席は露国と「鋼鉄のように鍛えられた真の友人でいる」と表明

モスクワで習国家主席は露国と「鋼鉄のように鍛えられた真の友人でいる」と表明 ​中国の習近平国家主席はロシアの戦勝記念日式典に出席するためモスクワを訪問、ウラジーミル・プーチン露大統領と会談した​。会談後の記者会見で習国家主席は「世代を超えて友情を維持し、鋼鉄のように鍛えられた真の友人でいることが必要だ」と述べている。プーチン大統領は「軍国主義国家である日本」に対する勝利記念日を祝うため、中国を訪問すると語った。 中国はアメリカ産原油の購入量を半減させると伝えられている。2月6日にアメリカからLNG(液化天然ガス)が運ばれてきたが、それ以降、LNGの供給は停止。その一方、ロシアからの天然ガス購入量を増加させる。プーチン大統領はインフラを整備し、貿易を盛んにすることで各国との関係を強化しようとしているが、特に天然ガスは重要だ。 ロシアは「シベリアの力」パイプラインを2019年12月に完成させ、天然ガスの供給を始めたが、アレクサンドル・ノバク副首相によると、プーチン大統領と習近平国家主席は「シベリアの力2」計画の加速化で合意したという。このパイプラインはロシア北部のヤマル地方からモンゴルを経...
ロシアの歴史

ナチスと戦わなかったEU諸国とナチスと戦ったロシア、それぞれの戦勝記念日

ナチスと戦わなかったEU諸国とナチスと戦ったロシア、それぞれの戦勝記念日 第2次世界大戦は連合国の勝利で終わった。ヨーロッパ戦線で連合国と戦っていたのはドイツであり、戦勝記念日はドイツが降伏した日ということになるのだが、ヨーロッパは5月8日、ロシアは5月9日に祝っている。 ヨーロッパでの戦争は1939年9月1日にドイツ軍がポーランドへ軍事侵攻した時に始まったとされている。チェコスロバキアをドイツ軍が侵攻した際には黙認していたイギリスやフランスなどは9月3日に宣戦布告するのだが、それから半年間、本格的な戦闘はなかった。いわゆる「奇妙な戦争」の期間だ。 イギリスやフランスだけでなくドイツも戦争の準備ができていなかったのだが、それだけでなく、ドイツはイギリスやフランスに対して和平を呼びかけ、拒否されている。ドイツは1940年7月に停戦を呼びかけた際、イギリスの権益を傷つける意思がないことを伝えるが、米英両国は応じなかった。(Patrick J. Buchanan, “Churchill, Hitler and ‘The Unnecessary War’,” Crown, 2008) ソ連軍は...
現代のロシア

欧州が露に対する軍事攻撃に積極的な姿勢を見せる中、露軍がNATO司令部を粉砕

欧州が露に対する軍事攻撃に積極的な姿勢を見せる中、露軍がNATO司令部を粉砕 5月6日からドイツの首相を務める予定のフリードリッヒ・メルツはロシアとの戦争に前向きの発言を繰り返し、第3次世界大戦を望んでいるかのように見えた。メルツは巡航ミサイルの「タウルスKEPD 350」をウクライナへ供与すると主張している。 ​このミサイルでクリミア橋(ケルチ橋)を攻撃する計画についてドイツ空軍のインゴ・ゲルハルツ総監や作戦担当参謀次長のフランク・グレーフェ准将、そして連邦軍宇宙本部の2名が昨年2月19日にリモート会議で話し合っている​が、​その音声を昨年3月1日にRTが明らかにした​。 ロシアとの戦争についてはイギリスやフランスも積極的で、ウクライナでの停戦を実現したいドナルド・トランプ米大統領は苛立っているようで、ヨーロッパに対し、ロシアと戦いたいのなら自分たちだけでやってみろと言っている。ロシアとの戦争にアメリカを巻き込むなと釘を刺したわけだ。トランプ政権はロシアとビジネスの話をしていると言われている。 2014年2月にバラク・オバマ政権がネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大...
現代のロシア

プーチン:平和的な手段で解決することに賛成だが、根本的な原因は排除する

プーチン:平和的な手段で解決することに賛成だが、根本的な原因は排除する ウラジミル・プーチン露大統領は3月27日、潜水艦アルハンゲリスクのデッキで演説、その中で彼は問題を平和的な手段で解決することに賛成だが、根本的な原因は排除されなければならないと語った。ウクライナにNATOが存在することを許さないだけでなく、同国を非軍事化、非ナチ化した上で中立の立場の維持、そして領土の「現実」を認めることを要求している。 西側では大統領扱いされているウォロディミル・ゼレンスキーの任期は昨年5月に切れ、新大統領を決める選挙が行われていない。そこでロシア大統領はウォロディミル・ゼレンスキーをウクライナ大統領だとすることはできないとしている。そして「大統領自身が正当でなければほかの全員も正当ではない。」というわけだ。 プーチン大統領は国連主導の暫定政権方式の採用を提案、さらに民主的な選挙を実施し、国民に信頼され、世界的に認められる機能的で正当な政府を設立することを求めた。自由な選挙が実施され、有能で国民に信頼される政府が成立すれば、平和条約について国民と交渉を開始し、世界中で認められ、信頼でき安定した合法...
現代のロシア

「米露中vs.欧州」基軸への移行か? 反NEDと反NATOおよびウ停戦交渉から見えるトランプの世界

「米露中vs.欧州」基軸への移行か? 反NEDと反NATOおよびウ停戦交渉から見えるトランプの世界2025年 独ローズマンデーのカーニバル(プーチン・トランプ・習近平)(写真:ロイター/アフロ) トランプ大統領はNED(全米民主主義基金)を財政支援するUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)を解体すべく動き、3月19日には第二次世界大戦後米軍が担当してきたNATO軍最高司令官ポストの放棄を検討しているニュースが流れた。これはNATO解体を示唆する。3月10日にはトランプ政権のシンクタンクがEU解体に向けて動いていると報道されてもいる。 NED解体、NATO解体は中露両国にとっても実に歓迎すべきことだ。 加えて、トランプはプーチンとの会談の後に「プーチンとも習近平とも良い関係であり続けたい」という趣旨の発言をしている。中露は、トランプ政権が終われば元のアメリカが戻ってくることを知っているので、中露共同戦線は絶対にやめない。 ウクライナ戦争停戦交渉においてもトランプは明らかにプーチン寄りだ。 ゼレンスキー抜きでやってはどうかとトランプに水面下で提案したのも習近平だとウォールストリート・ジャー...
現代のロシア

トランプとプーチンの隠然同盟

トランプとプーチンの隠然同盟2025年3月25日   田中 宇英国のスターマー政権が、米国のNATO離脱に備え、フランスやカナダなど欧州・英国系の30か国以上の参加を得てウクライナに派兵するロシア敵視維持の策を掲げている。だが最近、英国の軍幹部たちは「スターマーのウクライナ派兵は具体策が何もない。各国が出す兵力数も、司令系統も兵站も決まっていない。政治的な演技・幻影にすぎない」と非難している。ウクライナは3年間の戦争で、欧州の派兵を受け入れる国家基盤がすでに破壊されている。欧州が派兵するなら、ウクライナを丸ごと引き受けて占領統治せねばならない。交代要員を含めて10万人の派兵が必要だと、ロシア側が試算している。欧州諸国は、長引くウクライナ支援で財政を使い果たし、対露制裁のはね返りによる経済悪化で税収も減った。派兵など無理だ。(UK Military Officials Call Starmer's Plans for Ukraine 'Political Theatre')英軍幹部たちは「米国やロシアの賛同も得られていない。幻影の派兵案を廃止すべきだ」と言っている。派兵案が幻影だという指...
現代のロシア

プーチン大統領とトランプ大統領の電話会談:重要なポイント

プーチン大統領とトランプ大統領の電話会談:重要なポイントロシアと米国の首脳は、ウクライナ紛争の解決と二国間関係の改善の見通しについて協議した。ファイル写真。©  ゲッティイメージズ/アナドル通信社/ロシア大統領報道情報局ロシアのウラジミール・プーチン大統領と米国のドナルド・トランプ大統領は火曜日、ウクライナ紛争の解決の可能性について協議するため、待望の電話会談を行った。会談は2時間半続き、ホワイトハウスとクレムリンの双方が前向きな内容だったと述べた。会談の要点は以下の通り。停戦の可能性プーチン大統領とトランプ大統領は、トランプ大統領の30日間の停戦案について協議し、ロシア側は停戦実施前に解決すべき複数の問題を示したと、クレムリンの報道機関は電話会談後の声明で述べた。具体的には、プーチン大統領は、停戦の可能性を適切に監視するメカニズムを確立するとともに、ウクライナでの強制的な動員と再軍備を阻止する必要性を示した。「合意内容を繰り返し妨害し、違反してきたキエフ政権の交渉能力の欠如に伴う深刻なリスクも指摘された」とクレムリンの広報部は述べ、プーチン大統領は「クルスク地域の民間人に対してウクラ...
ロシアの歴史

ロシアとの戦争に執着する大英金融帝国

ロシアとの戦争に執着する大英金融帝国 ウクライナを舞台にした戦闘でロシアが勝利したことは明白である。ロシアにはNATO/ウクライナと話し合う意味がないものの、ウクライナや西側諸国は停戦を実現して態勢を立て直す時間が欲しいはずだ。自分たちの好戦的な政策が破綻したことを人びとに気付かれたくないということもあるだろう。 アメリカをはじめとするNATO諸国は2014年から8年かけて反クーデター派の人びとが生活するドンバスの周辺に要塞線を築き、本格的な攻撃の準備が整った2022年にロシア軍が一歩早く攻撃を開始、そこから戦況はロシアが優勢なまま現在に至っている。要塞線はマリウポリ、ソレダル、マリインカ、アウディーウカの地下要塞が軸になっていたが、2024年2月までに全て陥落。この時点でNATO/ウクライナの敗北は決定的だった。 ネオ・ナチを使ったクーデターでNATO諸国は2014年2月22日、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すことに成功するが、軍や治安機関の中にはネオ・ナチ体制に反発する人も少なくなかったようで、約7割が離脱し、一部は半クーデター軍に合流したと言われている。そのためクーデター軍は反ク...
現代のロシア

19世紀からロシアの破壊を目論んできた英国の支配層がウクライナの戦争で浮上

19世紀からロシアの破壊を目論んできた英国の支配層がウクライナの戦争で浮上 ​ロイターによると、地上発射型小直径爆弾(GLSDB)のウクライナ向け輸送をアメリカ政府は再開する準備を進めている​という。この爆弾はGPS補助慣性航法システムで誘導されるGBU-39(SDB)にM26 227 mmロケットモーターを組み合わせたものだ。ウクライナ軍はアメリカから供給されたATACMS(陸軍戦術ミサイル・システム)をほぼ使い果たしているので、その代用兵器なのだろう。すでに提供されたGLSDBはロシア軍のECM(電子対抗手段)で無力化されている。今回のタイプは対抗できるよう改良されたというが、性能は不明だ。 ドナルド・トランプ大統領がスティーブ・ウィトコフ特使をモスクワへ派遣したタイミングでこの記事は出た。ウィトコフはウラジミル・プーチン大統領に「即時暫定30日間停戦」に合意させることはできなかった。もしこの停戦案をロシア政府が認めた場合、その間にアメリカ政府はGLSDBをウクライナへ輸送する予定だったのかもしれないが、そうした時間的な余裕はなくなった。こうした兵器を供給するということは、軍事情報...
現代のロシア

ウクライナの敗北が決定的な中、米政府は露政府を交渉の席につけて利権確保へーウクライナ軍の敗北が明確になる中、米政府が提案した時間稼ぎを露政府が拒否

ウクライナの敗北が決定的な中、米政府は露政府を交渉の席につけて利権確保へ ロシア軍は3月上旬にクルスクのスジャにある工業地帯の北部へ入り込み、ウクライナ軍の背後を制圧して補給路を断つことに成功した。退却できなくなったウクライナ軍はパニック状態だという。 スジャへの侵入は地下に埋設された直径1.4メートルのパイプラインが利用されたと伝えられている。パイプのひとつから天然ガスを排出、酸素を注入した上で特殊部隊がパイプラインから近くの森へ入り、約800名の兵士が続いたという。 ウクライナでの戦闘を話し合いで停止させると言いながら動き回っていたドナルド・トランプ米大統領や、トランプの任期が切れる4年後までロシアとの戦闘を維持しようと目論んでいるというEUのリーダたちもこの展開には驚いたようだ。 そうした中、ウォロディミル・ゼレンスキーはドナルド・トランプ政権が提案したロシアとの「即時暫定30日間停戦」に同意し、アメリカがウクライナの重要な資源にアクセスできるようにする協定に「できるだけ早く」署名する用意があると表明したと伝えられているが、ロシア政府はすでに公表している条件が達成されないかぎり、...
現代のロシア

トランプとプーチンで中東を良くする

トランプとプーチンで中東を良くする2025年3月10日   田中 宇米露の関係改善はどんどん進んでいる。だが、トランプとプーチンの米露首脳会談は、まだ行われていない。サウジアラビアの首都リヤドでの開催が予定され、露払い的な米露高官協議がリヤドで繰り返され、米露は十分に親しくなったはずだが、首脳会談の日程は決まっていない。当初は2月中の開催が言われていたが、もう3月上旬が終わる。これは、何を意味するか。私は以前から、米露首脳会談はウクライナよりも中東の問題解決に連動しているのでないかと勘ぐってきた。エジプトがガザ市民の入国を止めている限り、米露首脳会談が延期されるという話なのか??。(米露和解と多極化の急進)ウクライナ戦争に関してはトランプもプーチンも、戦争が(戦死者を減らして)低強度で長引き、米国が主導役を放棄して西欧(英国系。英仏独EU)に押しつけ、米覇権を牛耳ってきた英国系が自滅していくのを、こっそり望んでいる。建前と裏腹に、トランプとプーチンが英国系を潰していくのが、これからのウクライナ戦争だ。建前的に、米露首脳会談はウクライナ戦争の終結と連動している。しかし本音的には、米露首脳...
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ウクライナをめぐる露国と米国の協議は合意が近いとする推測が流れている

ウクライナをめぐる露国と米国の協議は合意が近いとする推測が流れている バラク・オバマ政権のネイコンがウクライナで始めたロシアとの戦争をドナルド・トランプ大統領は本気で終結させようとしているようだ。そのためにウラジミル・プーチン政権と協議、合意が近いと推測する人がいる。 アメリカ政府とロシア政府の協議は2月18日にサウジアラビアのリヤドで始まったと見られている。その際、さまざまな問題に対処するための専門グループを編成することで米露両国は合意したという。ひとつは戦略的安全保障と軍備管理に関するグループ、第2に地球規模の安全保障構造を見直すグループ、第3に両国相互の外交に関するグループ、第4にエネルギーや制裁に関するグループ、第5にウクライナにおける戦闘の決着をつけるためのグループ、第6にはパレスチナや北極圏を含む国際問題に関するグループだ。 ​ウクライナに関する問題については話し合いが進んでいると推測する人がいる​。2月24日にエマニュエル・マクロン仏大統領がホワイト・ハウスを訪問、27日にキール・スターマー英首相もホワイト・ハウスを訪れている。そしてウォロディミル・ゼレンスキーが28日に...
現代のロシア

2007年に公表された核攻撃でロシアを脅すという英国のシナリオが崩壊した

2007年に公表された核攻撃でロシアを脅すという英国のシナリオが崩壊した ドナルド・トランプ政権も言っているように、ウクライナで戦っているのはロシアとアメリカである。アメリカがネオ・ナチを使ったクーデターでキエフを制圧した。そのネオ・ナチ体制が崩れようとしているのだが、それをヨーロッパのエリートは恐れている。 クーデターを実行したのはバラク・オバマ政権。2013年11月から14年2月にかけてのことである。2010年の選挙で勝利したビクトル・ヤヌコビッチを排除し、ロシアに軍事的な圧力をかけると同時にヨーロッパとロシアを分断することが目的だった。クーデターで実権を握った体制はネオ・ナチだ。 ネオ・ナチを操っているのはMI6やCIAだが、ウクライナの軍や治安機関の約7割はネオ・ナチ体制を嫌って離脱したと言われている。ヤヌコビッチを支持していた東部や南部の住民はクーデターを拒否、オデッサでは住民がネオ・ナチの一団に虐殺されて制圧されたが、クリミアの住民は素早くロシアに保護を求め、東部ドンバスの住民は反クーデター軍を組織して抵抗を始めた。 クーデターから間もない段階では反クーデター軍が優勢で、西...