この事件は誰もが違和感を持ち、真相究明を望んでいると思います。
当事国の米国は勿論、日本でも欧州でも、また、世界中の国々が注目しています。
真相を誤魔化し、事実を捏造しようとする動きもあるようですが、少なくとも世界中の人々に蔓延した、違和感や疑問が消え去ることはないですね。
いずれ、必ず真相が明らかになると思います。

トランプ暗殺未遂事件、新事実続々発覚で「バイデン政権が意図的に警備を手薄にした疑い」は強まるばかり
シークレットサービス長官が辞任
トランプ前大統領の暗殺未遂事件に関連して、バイデン政権のシークレットサービス側に重大な落ち度があることを、これまで3回にわたって指摘してきた。今回はさらなる続編である。

7月22日月曜日、議会の公聴会が開かれ、シークレットサービスのチートル長官が呼ばれた。チートル長官は、銃撃を許したのはシークレットサービスのオペレーションの最大の失敗であるとし、全責任を取ると繰り返し発言しながらも、辞任はしない意向を示していた。
ところがこの公聴会の場で、チートル長官はシークレットサービス側でこの事件に関する詳細な報告ができるまで60日ほどかかるとし、それまでは十分な回答ができないとして、ほとんど回答らしい回答を行わなかった。
こうしたチートル長官の姿勢には、共和党議員だけでなく、民主党左派のアレクサンダー・オカシオ・コルテス議員までもが「受け入れられない」と非難するほどであった。
議会側では共和党を中心として、チートル長官を弾劾すべきだという声まで上がってきた。
こうした動きを受けて、それまで辞任しないと突っ張っていたチートル長官も、公聴会終了後、シークレットサービスのメンバーに対してメールを送り、辞任の意向を示すに至った。
それはともかく、今回のトランプの集会の警備については、ありえないことだらけだ。以下、新たに明らかになった疑問点を見ていきたい。
なぜクルックスを止めなかったのか
ジョシュ・ホーリー上院議員にもたらされた内部告発によれば、狙撃犯のクルックスが上った屋根には、もともと警察の人員が配備されていたが、暑すぎることを理由として、建物の中に移動したという話が出てきた。
シークレットサービスのチートル長官が発言した「屋根にはスロープがあるから、安全を考慮して屋根に登らせなかった」というのも相当におかしな話だったが、暑すぎることを理由としてその場にいなくてもよいとしたというのも、全くもって信じられない話である。
但し、これについては合理的な根拠がないわけではない。


こちらの写真には、上の方の建物のところに、「2nd Floor Snipers」って書いてあるのがわかるだろう。この建物の2階部分に、地元警察の3人のスナイパーが配属されていたのだ。
そして写真の下の建物に、ちょっと文字が小さいのでわかりにくいだろうが、「Body of Crooks」と書いてあるところがある。これがクルックスの遺体があったところだ。
地元警察のスナイパーたちがいた2階と狙撃犯のクルックスがいたところは、わずか12メートルほどしか離れておらず、3人のスナイパーたちはクルックスの存在に十分に気づけていたはずだ。つまり、合理的に考えれば、炎天下の中、屋根の上で警備をしなければならない理由はなかったと考えることもできる。
だからその点はよいとして、ではなぜ、スナイパーたちはクルックスの行動を止めるような動きに出なかったのだろうか。この点に関する合理的な説明は成立しないのだ。
さらに、シークレットサービス側が、事件があった日の朝9時から開かれた地元警察機構との調整会議に出席していなかったことも分かっている。
当日のセキュリティの無線のチャンネルが連絡先によってマチマチになっていたことはすでに明らかにしたが、当日朝の会議でチャンネルの問題を地元の警察機構側から提起されれば、当然、この問題は改められていただろう。実際、チャンネルがバラバラとなったことで、地元の警察当局はシークレットサービス側と頻繁には連絡が取れなくなっていたのである。
つまり、十分な警備体制を構築できないようにするために、シークレットサービス側がわざと朝の会議に出席しなかった可能性も排除できないのだ。
そして事件発生の20分前、トランプ登壇の10分前には、屋根に上がっているクルックスの存在に警備側のスナイパーチームは気づいていたことが報じられた。銃を構えているクルックスを無力化する動きに出ないまま、シークレットサービスはなぜトランプを登壇させたのだろうか。
トランプには当然ながら、危険が迫っていることなど伝えられてはいない。

アメリカで最も命を狙われる危険性がある人物
信じられないことはまだまだある。当日の警備用にドローンを飛ばしたいとする地元警察の意向を、シークレットサービス側が繰り返し拒絶していたことも明らかになった。
その一方で、狙撃犯のクルックスはトランプ登壇のわずか2時間前の午後4時頃、会場の上空に約11分間ドローンを飛ばしていたのである。
クルックスはトランプの立つ演台までの距離を計測するレンジファインダーを持ち込もうとして会場入口で金属探知機に引っかかっていて、「要注意人物」として目をつけられていたはずなのだが、結局、会場内でレンジファインダーを使うこともできている。さらに、バックパックやカバンの類も持ち込めないことになっていたはずなのに、クルックスは狙撃銃のAR-15を入れたバックパックを持ち込んで、犯行に及ぶこともできた。
このトランプの集会と同日の同時刻に、かなり近い場所で開かれていたLGBTQのイベントにジル・バイデン大統領夫人が現れ、こちらにシークレットサービスの要員が数多く割かれていた。その結果として、トランプ側の要員が減らされていたことを、リアルクリアポリティクスのスーザン・クラブトゥリー記者が明らかにしていたのは、以前にも示した。
なお、クラブトゥリー記者は、大統領選挙に出馬し、次期大統領の最有力候補となっているトランプを、シークレットサービス側は単なる「元大統領」としての扱いに留め、十分な警備を提供していなかったことも明らかにした。つまり、トランプが目下、大統領選挙に出馬しているにもかかわらず、ビル・クリントンやジョージ・ブッシュなどと同じ扱いとしていたのである。
この点に関連して、チャック・グラスリー上院議員とロン・ジョンソン上院議員は、調査結果として、「ポストスタンディング」用の警備員としてシークレットサービスからトランプの集会に配属されたのは3人のみで、ジル・バイデン大統領夫人に対しては4倍の12人があてがわれていたことを明らかにした。「ポストスタンディング」用の警備員とは、警護対象者からかなり離れたところに配置する警護担当者のことだ。
現在、アメリカで最も命を狙われる危険性がある人物はトランプだと言っても過言ではない状況なのに、バイデン政権はトランプに対する警護を、現実のリスクを考えて引き上げようとはしていなかったのである。
ちなみに、アメリカ版日教組ともいうべきアメリカ教員連盟(AFT)のランディ・ワインガルテン会長は、銃撃事件が起こった後でも、トランプのことを「existential threat to democracy and freedom(民主主義と自由に対する現存する脅威)」だと叫んでいる。
そしてこの問題発言を報道対象として取り上げたのは、FOXニュースやニューヨーク・ポストといった一部のメディアに限られているところに、アメリカの報道機関の異常性が見て取れる。

それはともかく、こうした発言であっても、トランプが相手となると問題視されない空気がアメリカ中を覆っていることを考えると、トランプが暗殺されるリスクは極めて高いと言わざるをえない。この現実のリスクを、バイデン政権側は全く考えていないのであろうか。だとすれば、そのこと自体が異常だと言わざるをえない。
なお、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことに対する報復として、イラン政府がトランプを暗殺しようとしているという情報を得て、トランプに対するセキュリティレベルを引き上げていたと、米国家安全保障会議のワトソン報道官は語っているが、それでこのレベルなのかと言いたくなるのは、私だけでないだろう。
意図的に警備を手薄にした疑い
最後に、こちらの写真を見てもらいたい。
左側に写っている女性は、銃撃を受けたトランプに覆いかぶさることもせず、身をかがめているばかりで、シークレットサービスとしての仕事を全く行えていないことがわかるだろう。
以前にも伝えたが、この日シークレットサービスとして割り当てられた人員の大半は、実はシークレットサービスですらなく、要人警護の訓練を受けたことすらない人たちも含まれていたということが、内部告発によって明らかになっている。
おそらくこの女性も訓練も受けないで駆り集められたひとりなのだろう。そもそも彼女の体格では、大柄なトランプを警備するにも適していなかったといえる。
公聴会の場で、スコット・ペリー下院議員がチートル長官に対して、体格的に合わない人間がトランプの警護担当となっているのはそもそもおかしいのではないかと尋ねたところ、チートル長官はこう答えていた。

「わたしたちが保護しなければならない人物に対して割り当てたエージェントは完璧に必要な保護を提供できる」(The agents that are assigned to our protectees are perfectly capable of providing protection.)
先の写真を見れば、いい加減にしろよ、と言いたくもなるではないか。
バイデン政権が意図的に警備を手薄にした疑いは、ますます強まったといえるのではないだろうか。
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