2度目のトランプ暗殺未遂事件で見えた背後の勢力。単独犯とは思えぬ5つの根拠

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2度目のトランプ暗殺未遂事件で見えた背後の勢力。単独犯とは思えぬ5つの根拠=高島康司 | マネーボイス
またトランプの暗殺未遂事件が起こった。いまのところ容疑者の単独犯行とされているが、この人物の背後には国際的なネットワークの存在があり、民主党とつながっている可能性もある。(『』高島康司) 【関連】今ここが人工知能「人間超え」の出発点。米国覇権の失墜、金融危機、大量辞職…2025年には劇変した世界が待っている=

2度目のトランプ暗殺未遂事件で見えた背後の勢力。単独犯とは思えぬ5つの根拠=高島康司

またトランプの暗殺未遂事件が起こった。いまのところ容疑者の単独犯行とされているが、この人物の背後には国際的なネットワークの存在があり、民主党とつながっている可能性もある。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)

【関連】今ここが人工知能「人間超え」の出発点。米国覇権の失墜、金融危機、大量辞職…2025年には劇変した世界が待っている=高島康司

※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2024年9月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

再度起こったトランプの暗殺未遂事件

トランプの暗殺未遂事件がまた起こった。

9月15日午後1時半(日本時間16日午前2時半)頃、フロリダ州の自分が所有するゴルフ場の5番ホールのグリーンで、プレー中だったトランプ前大統領を450メートル離れた藪の中から狙っていた男をシークレットサービスが見つけ、その人物に向けて発砲した。狙撃者は車で逃走したが、その後、現場から70キロ離れた路上で拘束された。トランプは無事だった。

容疑者が現場に置き去りにしていったバックパックなどを捜査当局が押収。容疑者が潜伏していた場所からは、照準器付きのAK47自動小銃のほか、身体などに装着して撮影が可能なウエアラブルカメラの「Go Pro」も見つかった。

今回の事件は、7月13日にペンシルベニア、バトラーで遊説中に狙撃され、トランプが右耳に軽傷を負った未遂事件から65日しか経っていない。前回とは異なり、今回は容疑者が射殺されていない。「米連邦捜査局(FBI)」は動機など暗殺の背景を徹底調査している。

このメルマガの後半部分では、さまざまなサイキックや占星術の大家の予言を紹介しているが、最近の記事で紹介したものが、トランプの暗殺未遂事件が起こることを予見していた。最初にそれを確認してみよう。

<グラディ・X・ウォーカー(8月19日の予言)>

トランプの暗殺が起こる。それも、暗殺は2度起こる可能性がある。どちらの暗殺も未遂に終わり、トランプは生き延びる。結果的にトランプは大統領になる。そのとき、FBIとシークレット・サービスは暗殺未遂事件をきっちりと処理する。

<ジョニー・パトリ(8月29日に掲載)>

9月17日に月食が起こる。インド占星術では月食の影響はすごく大きい。この影響は10月2日まで続く。この期間には、隠されていたものが明らかにされたり、また、予想を越えたショッキングな出来事が起こるのだ。これは地震のような災害や予期しない戦争も入る。

<クレイグ・ハミルトン・パーカー(8月の予言)>

大統領選挙の前に、トランプの暗殺事件はまた起こる。これも未遂に終わるが、問題はだれがこれを起こしているのかということだ。

このように、今回のトランプの暗殺未遂事件は予言されていた。それも、ちょうどジョニー・パトリの予言した大きな事件が起こるという月食の期間に起っている。非常に興味深い。ただ、グラディ・X・ウォーカーの予言は、7月13日の最初の暗殺未遂事件の後に発表されたものだ。ウォーカーの予言には注目だ。3度目の暗殺が起きるのかもしれない。

容疑者のライアン・ルースとはなにものなのか?

7月13日の暗殺未遂事件では、手を掲げた画像が拡散し、トランプのヒーロー化が進んだため、トランプの支持率は上昇した。今回は銃撃は起こっていないので、前回のようなトランプの支持率上昇はいまのところないものの、全米の主要メディアではこのニュースが席巻している。トランプが大統領選討論会で行った、ハイチ移民がイヌやネコを食べているというニュースは吹き飛んでしまった感じだ。この報道内容の違いが、今後のトランプの支持率にどのように影響するのか、注目だ。

それにしても、容疑者のライアン・ルースとは何者なのだろうか?すでに日本の主要メディアでも報道されているが、基本的な内容を確認しておく。

ライアン・ルースは、元建設作業員から傭兵志願者に転身した人物である。「CNN」が確認したところによると、2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻が始まると、「私は(ポーランドの)クラクフに飛び、そこからウクライナの国境に向かい、ウクライナのために戦って死ぬために志願するつもりだ」と投稿した。

ルースはまた、トランプが「アメリカ人を再び奴隷の主人にする」ことを望んでいると批判した。明らかに彼は、トランプが「民主主義への脅威」であり、「ロシアのエージェント」である可能性も高いと確信していたようだ。

ルースはかなり有名な人物であることも判明した。ルースはウクライナ軍の「国際部隊」に志願したものの、当時56歳であったことから、年齢を理由に入隊を拒否された。その後ルースはキエフでしばらく過ごし、パキスタンに難民として逃れてきたアフガニスタン兵を積極的にリクルートしていた。2023年に「ニューヨークタイムス紙」は彼にインタビューしている。

この記事によるとルースは、汚職役人を買収し、パスポートを偽造し、アフガニスタンの元兵士をウクライナに送り込むために必要なことは何でもすると話していたが、目標を達成するための現実的な方法は何も持っていなかったという。彼はイラクからポーランドへの米軍の輸送便を手配し、アフガニスタン難民を戦わせるつもりだと言っていた。ルースは、は何があってもウクライナの戦争努力を支援するつもりだった。

またルースは、ワシントンD.C.で、ウクライナについて何人かの議員と2時間の会談を予定していると話していた。

ルースの背後には何がある?

これを見るとルースは、ロシアのウクライナ侵攻に怒り、同国を支援していた熱烈なウクライナ擁護者の一人であるように見える。アメリカには、ウクライナ軍が組織する「国際部隊」に傭兵となって参加する人々がかなりの数がいる。ライアン・ルースは、年齢と軍隊経験のないことから入隊を拒否されたが、アメリカによくいるこうしたボランティアの一人でった。

ルースはいまでもアマゾンで購入可能な自費出版の本、「ウクライナの勝利できない戦争」を書いている。この本の中で、ロシア寄りのトランプの姿勢を批判し、トランプを殺す自由があると書いている。

これだけ見るとルースは、トランプのウクライナ支援を打ち切るとの公約に怒った単独犯のように見える。ウクライナの「国際部隊」に参加したアメリカ人傭兵と同じメンタリティーだ。

「北大西洋同志機構(NAFO)」とのつながり

だが、ルースは単独で行動する孤立した人物であるとは考えにくい情報もある。先の2023年にルースに対して行われた「ニューヨークタイムス紙」のインタビューで、「ワシントンD.C.で、ウクライナについて何人かの議員と2時間の会談を予定している」と話していた。記事では、この会談が行われたかどうかは確認できないとしているが、もし実際に行われていたとすれば、ルースはワシントンの政治家となんらかの関係をもっていた可能性もある。

まだはっきりした証拠はないものの、ルースは「北大西洋同志機構(NAFO)」という国際組織のメンバーだった可能性が高いとする記事が多い。「NAFO」とは、2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻に関するロシアのプロパガンダと偽情報に対抗することを目的とする、インターネットユーザー有志の集団である。その名称は、「NATO」のパロディである。主な活動は、「X」などのSNS上に、親ウクライナ的で反ロシアの嘲笑的なミームや、ロシアの宣伝投稿に対する低俗な返信、また下品な編集済み画像を投稿することである。「NAFO」の参加者は「Fella」と呼
ばれ、戯画化された柴犬のキャラクターで象徴化されている。

ただ、「NAFO」が注目されているのは、こうしたネット上の活動だけではない。ウクライナ軍や親ウクライナ運動のための資金調達活動も行っている。「NAFO」のサイトを見ると、これまでに実現した支援内容が掲載されている。

・13億4300万円相当の資金支援
・40台の発電機
・291機のドローン
・996機のFPVドローン
・278台のドローン妨害装置
・200台の通信機

民間団体としては、かなりの規模であることは間違いない。1980年代のレーガン政権以来米政府は、NGOを通して外国に対する工作を展開している。反政府の抗議運動を計画して煽り、政権を添付させた各地の「カラー革命」などは、その典型である。「全米民主化基金(NES)」や「フリーダムハウス」などはその典型だ。これらのNGOは、国務省の管理と指令で動いている。

「ノルウェー南東部大学」教授で、米政府のNGOを使った対外工作研究の権威であるグレン・ディーセンは、「NAFO」もこうしたNGOの一つであり、国務省、ないしは国防総省の管理下にある可能性が高いとしている。

ライアン・ルースは単独犯ではない

もしライアン・ルースが「NAFO」のメンバーだとするなら、今回のトランプの暗殺未遂がルースの単独犯行だったとは到底考えられない。そのように見る専門家も多い。元CIAのエージェントで情報工作の専門家だったマイケル・ショーファーは、ルースが、CIAを始めとした米政府の機関の要員だった可能性があるとして、ルースの行動には次のような不審な点があると指摘している。

<1. 「フォート・ブラッグ」基地に出入り>

ルースは頻繁にノースカロライナ州にある「フォート・ブラッグ」基地に出入りしている。ここは、米軍の心理作戦部隊の中枢基地だ。訓練されていた可能性がある。

<2. 資金援助の提供舎の存在>

ルースは肉体労働者で月収は3,000ドル(42万円)だ。これはアメリカではかなり安い月収だ。それなのに、片道7,000ドルのファーストクラスで自分のいるハワイからフロリダに来ている。資金援助をしていた勢力がある。

<3. 大幅な減刑>

以前にルースは、大量破壊兵器所持で逮捕されたことがある。しかし、裁判所は軽犯罪に大幅に減刑している。何者かの圧力があった可能性は高い。

<4. 銃の持ち込みと支援>

ルースが持っていた、製造番号が削り取られた照準器付きのAK-47は州の外から持ち込まれたものである。フロリダ州では、州の住民しか銃を購入することができない。ルースの車のナンバープレートは、州外のものだった。ルースはこの銃をフロリダ州で購入したとは考えられない。彼はハワイから飛行機でやってきた。だとすれば、どうやってこの銃を持ち込んだのか?ルースを助ける人物がいたはずだ。

<5. トランプ陣営の内部協力者がいる>

トランプが自分のゴルフコースで友人とプレーすることは、プライベートなことであり予定などは公開されていないかった。なぜルースは、この日のこの時間にトランプがプレーすることを知っていたのか?トランプ陣営に協力者がいるかもしれない。

このような点だ。

「ネオコン」を全面的に受け入れた民主党とハリス

CIAのエージェントだったマイケル・ショーファーはこうした点を挙げ、やはり今回の暗殺未遂がライアン・ルースの単独犯行だとは到底考えられないとしている。

そして、いま民主党はトランプが大統領選挙で勝利する可能性に恐怖しているという。有権者全体の世論調査では、ハリスが1.8ポイントほどリードしているものの、選挙人の獲得数ではトランプがハリスをリードしている。2016年の大統領選挙では有権者の総得票数ではクリントンが300万票ほど多かったものの、選挙人の獲得数ではトランプが上回り、トランプが勝利した。今回もこれと同じ結果になる公算が高くなっている。

民主党のハリス陣営はこれに恐怖しているようだ。ニューヨーク州選出のゴールドマン下院議員は、トランプを排除しなければならないと発言している。同じような声は、多くの民主党議員から聞こえてくる。

また、アメリカの軍産複合体の利害を代表し、アメリカの一極支配の永続化をその使命としている「ネオコン」は、トランプに脅えている。トランプは政権からの「ネオコン」の完全排除を約束し、CIAを始め「ネオコン」が拠点にしている政府機関の予算の大幅な縮小を約束しているからである。「ネオコン」にとって、トランプはなんとしてでも排除しなければならない敵である。

そのような民主党と「ネオコン」は、完全に手を結んたようだ。80年代のレーガン政権以来、「ネオコン」と共和党は非常に近い関係にあり、ブッシュ(息子)政権では「ネオコン」が政権を実質的に支配した。しかしいま「ネオコン」は、民主党のハリス陣営の全面的な支持を表明している。

その筆頭は、ディック・チェイニー元副大統領である。それに続くのが、ビル・クリストルのような「ネオコン」と連携するブッシュ政権時代の要人たち、また、アルベルト・ゴンザレス前司法長官のような元政府高官、そして故ジョン・マケイン元共和党大統領候補やミット・ロムニー上院議員のスタッフたちである。

総勢200人以上いる。ハリスは、彼らの支持を誇らしげに掲げ、新たな「ネオコン」のグループを受け入れている。彼らは、トランプを阻止するためにハリスを支持しているとはっきり述べている。民主党が「ネオコン」を受け入れたということは、アメリカの覇権を維持し、多極化する世界を阻止するという点において、彼らが結束したことを示している。

一方トランプは、多極主義敵な世界秩序を容認し、アメリカの国益を最優先して世界のコミットメントから撤退することを主張している。民主党と「ネオコン」からすれば、トランプはどんな手を使ってでも排除しなければならない敵だ。

このような点を考えると、今回のトランプ暗殺未遂事件の容疑者であるライアン・ルースの背後に、民主党と「ネオコン」がいてもおかしくないだろう。いずれもっと具体的な証拠は出てくるだろう。

だとするなら、グラディ・X・ウォーカーの言うように、3度目のトランプ暗殺事件が起こってもおかしくないだろう。注目だ。

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