「#ママ戦争止めてくるわ」への違和感こそが、高市自民大勝の大きな原動力となった可能性

現代の日本
「#ママ戦争止めてくるわ」への違和感が高市大勝の背を押した
2023年2月8日の衆議院選挙で、高市自民党が単独で2/3以上の議席を獲得し、大勝を収めた。この結果は、日本国民が戦後の非現実的な思想から脱却し、現実的な安全保障を求める姿勢を示している。「#ママ戦争止めてくるわ」というフレーズがトレンド入りしたものの、国民の大多数は中国の横暴に対抗する姿勢を支持しており、左派の主張には違和感を抱いている。

「#ママ戦争止めてくるわ」への違和感こそが、高市自民大勝の大きな原動力となった可能性

戦後思想からの脱却

2月8日投開票の衆議院選挙で、高市・自民党が単独で2/3を超える議席を握る、文字通りの圧勝を収めた。連立相手の選挙協力を得た結果でもなく、自民党単独の力だけでもぎ取った勝利である。高市・自民党路線に対する国民の支持の高さが、明確に示されたと言える。

そして、この高市・自民党の大勝利は、日本国民の戦後思想からの脱却を意味するものとして捉えるべきものである。

今回「中道改革連合」の大惨敗を象徴するものが、その支持者たちが流行らせた「#ママ戦争止めてくるわ」というフレーズに現れている。

日刊スポーツによると、このフレーズは、エッセイストの清繭子(きよし・まゆこ)さんが2月5日にXに投稿したのがきっかけで、翌日の6日にはXにおけるトレンド1位に躍り出て、7日午前7時ごろの時点では表示回数が約430万、コメント数は1100件超に達したとのことだ。

この「#ママ戦争止めてくるわ」というフレーズは、左派勢力には刺さり、彼ら彼女らからすれば、これを広く拡散することで、高市政権に対する大きなダメージになると見ていたのであろう。そしてこのフレーズは先に見たように、大きな盛り上がりを見せた。だが、ここに大きな落とし穴があった。

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いま戦争を起こそうとしているのは、果たして日本なのか、それとも中国なのかと見た時に、明らかに中国だという現実に、多くの人たちが気づいていたからだ。

自民党が、周辺国の脅威を煽って防衛費の増額を進め、それによって外国を侵略していく計画を進めているのだなどというのは、左派の人たちの中でしか通用しない妄想でしかない。人権を無視し、法の支配などまるでない中国というジャイアン国家が、力による現状変更を当然のように狙っているのは、今や明らかになっている。防衛費の増額は好まざるところだとしても、こうした安全保障環境の悪化を受けて進めざるをえない。そう考える国民の方が多数派を形成している。

こうした国民からすれば、「高市総理は日本を戦争に引き摺り込もうとしている」などという妄想をもとに、高市政権を危険視しようとすることには、当然違和感を抱くのであり、そのことを前提としたかのようなm「#ママ戦争止めてくるわ」などというフレーズに何度も何度も出くわしても、却って気持ち悪さが先に立つのだ。

戦争をしようとしているのは実は誰か

横暴さをどんどんむき出しにしてくる中国に対して、その横暴さと妥協を図ることでしか、日本を平和に導いていくことなどできない、軍事バランスを整えようとすることは双方の軍拡を招くだけだと考える立場も一応あることは理解できる。

だが、平和に対する考え方は一種類しか存在しないわけではない。中国の横暴を認めない姿勢を示し、アメリカ、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、インド、欧州諸国などとも連携しながら、軍事バランスの均衡を図り、その行動を抑制していくことでしか、日本を平和に導く道はないと考える立場もある。この立場からすれば、中国の横暴さと妥協を図るというのは、中国の増長を許すことになり、日本の自主性を失っていくことを意味する。

実際に中国のプレゼンスが大きくなった尖閣諸島周辺では、日本の漁船が操業できなくなってきている。こうした事態の放置は、やがては私たちが大切にしたい自由・民主主義・基本的人権の尊重・法の支配といった当然の価値観さえどんどん掘り崩されていくことにもつながる。

中国は軍事的には日本よりも弱いフィリピンに対して、はるかに暴力的な動きに出ていて、フィリピンの漁船団に高圧放水銃を向けて怪我をさせたり、ロープを切断したりするようなことまで行っている。ブータン王国では、ブータンの領土の中に中国側が勝手に集落を形成して、事実上中国領として扱っているところもある。侵食された領土はブータンの国土全体の20%程度はある模様だ。

スプラトリー諸島のジョンソン・サウス礁の領有権を主張するために、同礁を体を張って守ろうと、海に入って一列に並んだベトナム兵64名に対して、中国の人民解放軍の艦船は一方的な機銃掃射を浴びせて皆殺しにするようなことも行われたことがある。こうした中国の横暴を許さない姿勢の先頭に立つことこそ、アジアにおいて日本に求められている役割だと考える立場もあるのだ。

一国の総理に対して「その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」とまで平然と言ってくる中国の横暴を大きなこととしては扱わず、悪いのは逆に高市総理の方だとする左派の主張に、大半の国民は同意しなかった。にも関わらず、こうした国民多数派の捉え方をあたかも「戦争への道」であるかのように扱い、中国と妥協する以外に平和への道はないのだとする独善性に、左派勢力は陥った。

この結果として、左派の中では「#ママ戦争止めてくるわ」は大バズりし、Xでのトレンドの1位に躍り出たものの、違う前提を持つ大多数の国民には全く受け入れられず、逆に気持ち悪さを印象付けることになったのではないか。

そしてこの点に、「中道改革連合」の矛盾が端的に示されているとも言える。「中道改革連合」は、「中道」の高邁な理念を説き、分断と対立をエネルギーとするのではなく、色々と異なる意見を聞き、粘り強い対話で合意形成を図っていくことが大切だと訴えていた。日本側とは全く意見の異なる中国側の言い分も聞き、粘り強い対話で合意形成を図っていくべきだと言いたかったのであろう。だが、中国の横暴を容認しない立場に立つことをあたかも戦争勢力であるかのように決めつけることで、日本国内に不要な分断と対立を持ち込むという矛盾を示したのだ。

「不誠実だと思います」

日頃は「リベラル」的な主張が目立つ、たかまつなな氏にしてもこの矛盾に気がつき、X上に

「戦争を止めよう という思いを市民が持つのは素晴らしいと思いながらも、政治家がそれに乗っかるのはどうなのかなと心底がっかりしています。私は戦争をしたいと思っている政治家には出会ったことはないですし、考え方が違う政党に対して、その先に戦争があることを彷彿とさせ、レッテルを貼ることは不誠実だと思います。

批判するなら、具体的な政策論争をすればいいと思います。雰囲気で話し、分断をあおることに加担していませんか。安全保障が現実的になったのだと期待していたので残念です。世界の安全保障環境を見て、真剣に議論しなきゃいけないのに、批判しやすいから安易な方向に走ったように私は見えてしまいました。」

と投稿した。

私は日頃、たかまつ氏の主張に納得することは少ないが、この点においては氏の考えに賛同する。

「中道改革連合」は、中国の主張よりもはるかに常識的で理解可能な高市総理のような在り方を、ともに政治を進めることのできない立場として切って捨てる一方、なぜかそれよりもはるかに横暴な中国の立場をおもんばかる動きを示した。それは「中道改革連合」が主張する「中道」や「人間中心主義」の立場として正しかったのであろうか。

それはともかくとして、この左派勢力と国民の多数派との意識の乖離は、大半の国民が戦後の思想空間から抜け出してしまったことを象徴的に示している。

日本の軍備を最初から絶対悪として扱い、反戦平和主義を唱え、「憲法9条を守れ」と主張するのは、良識的な見解としては当然だと、かつての日本では見做されてきた。この思想空間の中に、オールドメディアを含めた左派勢力は今なお留まっているが、中国の常識外れの横暴を前に、国民の大半はこの考えをおかしいと考えるようになった。

今回の選挙を通じて、日本国民の思想状況が一変していることが可視化された。現在の安全保障環境にあっては、国防力の増強は避けられず、そのためには憲法改正も必要だし、集団的自衛権に対する制約ももっとなくすべきだと、多くの国民は考えていることが明らかになった。国民は戦後思想から脱却しており、その結果として戦後政治は終わりを告げたのである。

この状況の抜本的な転換に気づかないうちは、代表や幹事長を交代させたところで、「中道改革連合」に未来はないであろう。

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