中国

現代の中国

中国ではなぜ反日デモが起きないのか?

中国ではなぜ反日デモが起きないのか?ファーウェイ フォルダブルフォン「Mate X6」を見る若者(写真:ロイター/アフロ)台湾有事に関する高市総理の国会答弁に対して、中国政府は異様なほどの攻撃を続けてきたが、その割に中国の若者たちによる反日デモが起きる気配は、今のところ、一向にない。12月13日は「南京事件」(中国では「南京大虐殺」)記念日であったが、それも警戒されたような事態は何も起きなかった。高市発言に対して、なぜ中国で(今のところ)反日デモが起きないのか、かなり以前に中国に帰国している教え子に聞いてみた。すると、「だって、中国の街には中国車しかありませんから」と言う。「どういうこと?」と聞き返すと、「いや、今では何もかも中国製のものが多くて、ボイコットするような日本製品が、もう中国にはないんです」という回答が戻って来た。それに、と教え子は続ける。「中国政府があれだけ激しく日本を攻撃しているんですから、それで十分だと思う人が多いんじゃないでしょうか」とのこと。なるほど。それでは2012年の反日デモのときと、どう違っているのかを、データを使って考察してみよう。◆2012年9月の反日デ...
現代の世界各国

トランプと習近平が“次なる覇権”を賭けた「新たな戦場」。米国よりも中国で先に可視化され始めた「AIが人間の雇用を奪う」現実

トランプと習近平が“次なる覇権”を賭けた「新たな戦場」。米国よりも中国で先に可視化され始めた「AIが人間の雇用を奪う」現実習近平政権に対して敵意を剥き出しにしていたトランプ大統領の態度が一変し、融和ムードに入ったとの見方もある米中関係。しかしながら「覇権争い」は深く静かに進行していることは間違いないようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、両国が次なる戦場を「AI分野」に定めたとし、中国で可視化され始めた「AIによる雇用の代替」の現状を具体例を挙げ紹介。その上で、迫り来る「不可逆の未来」について考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:米中のAIでの争いが人の生活を劇的に変えてしまう未来が見え始めた見え始めた未来。米中「AI覇権争い」で劇的に変わる人間の生活AI(人工知能)は人間の雇用を奪うのか─。心配されていた課題が少しずつ、社会の中で浮き彫りになり始めた。可視化される悩みに対して、人間社会はゆっくりと向き合ってゆく時間もなく、荒波に呑み込まれてしまう。そんな政治の動きも顕著になりつつ...
現代の中国

中国の三つの勢力の権力闘争にも凄まじいものがありますからね

中国の三つの勢力の権力闘争にも凄まじいものがありますからね共青団(胡錦涛国家主席)(中国共産主義青年団)は、中国共産党を指導母体とする青年組織です。中国共産党の予備軍とされ、将来の高級幹部を目指すエリートコースとされていますが、党内には共青団と対立関係にある派閥が存在します。それが上海閥や太子党です。上海閥(江沢民国家主席)経済政策において、共青団が貧富の格差是正や内陸部の発展を重視するのに対し、上海閥は発展至上主義を推進しているため、対立することがよくあります。太子党(習近平国家主席)太子党は、中国共産党の高級幹部の子弟の総称です。彼らは親の特権や人脈を活かして政財界で重要な地位に就くことが多く、共青団とは出身母体が異なるため、人事などを巡ってライバル視されることがあります。しかし、政治的な志向が必ずしも異なるとは限りません。亡くなられた李克強氏も胡錦涛氏と同じ共青団でしたね。(月刊「正論」1月号より)矢板明夫氏中国の李克強前首相が十月二十七日、「突発の心臓病」のため死去しました。六十八歳でした。あまりにも若く、また突然の死去だったので、暗殺されたのではないかとの見方も広がっています...
現代の中国

習近平への批判勢力による造反行為か~天安門事件で武装鎮圧に抗命した将軍の裁判動画「驚愕の流出」の背景

習近平への批判勢力による造反行為か~天安門事件で武装鎮圧に抗命した将軍の裁判動画「驚愕の流出」の背景驚愕の流出映像11月25日に、YouTube上に6時間以上にわたる驚愕の映像がアップされた。それは、今から36年前の1989年に、北京軍区所属の第38集団軍の司令官だった徐勤先少将が受けた軍事裁判の映像である。1989年6月4日に、天安門広場に集まって話し合いを求めた若者たちを、中国の人民解放軍が武力鎮圧し、1万人以上の死者を生み出すというおぞましい事件があった。いわゆる天安門事件である。この時に出動を命じられた徐勤先少将は、この命令を拒絶したために軍事裁判にかけられた。アップされたのは、この時の裁判の映像だ。この動画は、天安門事件を実体験として経験した後、アメリカに亡命した呉仁華氏によって公開された。動画によって、天安門事件の武力鎮圧がどういう過程を経て決定されたものであるかが、はっきりと示されたのである。この記事の全ての写真を見る(全5枚)以下は、この動画によってわかったことの概略である。第38集団軍の軍事出動には、中央軍事委員会のトップ3(中央軍事委員会主席と副主席2名の合計3名)...
日本の歴史

知っておこう、中国共産党の「沖縄は日本ではない」プロパガンダを、「でっち上げ」と反論するためのこれだけの歴史的事実

知っておこう、中国共産党の「沖縄は日本ではない」プロパガンダを、「でっち上げ」と反論するためのこれだけの歴史的事実これは日本語でしょう12月2日付の中国国営英字紙「チャイナ・デイリー」は、琉球王国が歴史的に中国の属国だったことや日本による琉球侵略が行われたことを示す「重要な証拠」が遼寧省の博物館で公開されたとの記事を掲載した。公開された「証拠」なるものは、中国の明王朝が1629年に琉球王国に下した勅書の複製だ。ここには琉球王国が「隣国からの嫌がらせを受けた」ということが書かれている。これは薩摩藩が3000人の兵士を琉球王国に送り込み、琉球王国の上寧王を捕らえた「島津侵入事件」のことを指していると思われる。ただ、「島津侵入事件」が実際にあったのは1609年のことだが、この記事にはなぜか1612年と記載されている。この記事の全ての写真を見る(全4枚)この事件が起こるまで中国に近い立場にあった琉球王国を、日本が侵略して奪ったものだという解釈が中国でなされている。日本の歪んだ学校教育でもこれに近い感じの教え方が普通だったのではないかと思う。ところがこの認識は完全に間違っていると言わざるをえない...
現代の中国

中国戦狼外交はオウンゴール連発 ~ 山上信吾『中国「戦狼外交」と闘う』から

JOG(1449) 中国戦狼外交はオウンゴール連発 ~ 山上信吾『中国「戦狼外交」と闘う』から輸入停止などの経済的威圧には「脱中国依存」を進め、戦狼外交にはその土俵には乗らずに真の課題を語る。■1.中国の輸入停止にホタテガイ輸出の脱中国依存、進む。花子: うちの近所のホテルの経営者が、中国の団体客のキャンセルが続いていて、大変だと言ってました。伊勢: ああ、最近、中国政府が、高市首相の「台湾有事」に関する発言に反発して、中国外務省が日本への渡航自粛を呼びかけている件だね。こういう経済的威圧は中国の常套手段だけど、それにどう対応するかは、数年前のホタテ貝の一件が参考になる。花子: 確か福島の処理水放出で、中国が日本の水産物の輸入を止めたんですよね。伊勢: そう、2023年8月のことだね。当時は対中輸出が50%以上も占めるホタテ貝業者の悲鳴が報じられたけど、2年経って、輸出先の開拓が進み、中国依存から脱しつつある。花子: それは良かったですね。具体的にはどうなったんですか?伊勢: 2022年の輸出総額は911億円で、51%が中国向けだった。その後、アメリカ、台湾、ベトナム、韓国へと輸出先の...
現代の中国

台湾有事で米軍の援軍はあり得るか? トランプ2.0とバイデン政権の対台湾武器提供の比較から

台湾有事で米軍の援軍はあり得るか? トランプ2.0とバイデン政権の対台湾武器提供の比較からトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)11月28日の論考<トランプ氏の習近平・高市両氏への電話目的は「対中ビジネス」 高市政権は未だバイデン政権の対中戦略の中>で、現在のトランプ大統領が台湾有事の際に米軍の援軍を出動させる可能性は低いことを考察したが、実際に台湾に対して支援あるいは売却している米軍兵器の状況を、トランプ2.0とバイデン政権で比較してみた。それによって、万一にも台湾有事が起きたときに米軍が台湾に援軍出動をするか否か、その可能性を考察する。もしこの場合でも援軍出動の可能性が低ければ、「存立危機事態」が成立しなくなる。◆トランプ2.0とバイデン政権における最後の2年間との比較アメリカには1961年に制定されたPDA(Presidential Drawdown Authority、大統領在庫引き出し権限)があり、議会の承認なしに大統領の判断で特定の国・地域への物資の無料提供をしても良いことになっている。それまでその対象国・地域に台湾は入っていなかったが、2022年12月15日に米議会で可...
現代の中国

EV世界最大手「BYD」が第二の恒大集団への道を突き進んでいる~自国と世界の製造業を潰し続ける中国の国家主導の超過剰生産の断末魔

EV世界最大手「BYD」が第二の恒大集団への道を突き進んでいる~自国と世界の製造業を潰し続ける中国の国家主導の超過剰生産の断末魔三大デベロッパー、国有の「万科」もデフォルト懸念中国の経済的な苦境が凄まじいことになっている。今年の1~9月までで、中国の上場企業5300社のうち、最終赤字となった企業の割合が24%に達しているということが報じられた。実に4社に1社が赤字になっていると見ればよい。ここには当然ながら不動産バブルの崩壊の影響が大きい。かつて恒大集団や碧桂園と並ぶ、中国の三大デベロッパーの1つだった万科も、ついにデフォルトとなることが確実視されるようになった。格付け会社S&Pグローバルが、万科の長期発行体信用格付けを「CCC」から「CCC-」に引き下げ、同社をネガティブな意味合いで「クレジット・ウォッチ」に指定したのだ。「クレジット・ウォッチ」というのはこの格付けが固定的なものではなく、いつ変更になるかわからないということを伝えるものだ。この記事の全ての写真を見る(全4枚)ちなみに「CCC」の格付けは「信用力に重大な問題があり、金融債務が不履行に陥る懸念が強い」というもので、金融債...
現代の中国

中国、レアアース禁輸で日本を脅すも自滅へ。習近平が恐れる日本の「切り札」とは

中国、レアアース禁輸で日本を脅すも自滅へ。習近平が恐れる日本の「切り札」とは=勝又壽良高市首相の台湾海峡をめぐる発言が、中国の猛反発を呼んでいる。駐日大阪領事の過激投稿から水産物禁輸、観光客の訪日自粛要請まで、習近平政権は「戦狼外交」をエスカレートさせている。だが、中国の「威嚇」には大きな脇の甘さがある。日本は半導体素材という「反撃力」を持っているのだ。(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良)【関連】夢に終わる韓国「半導体超強大国」戦略。日本から盗めなかったシステム半導体に“世界シェア3%”の壁=勝又壽良プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。「日本批判」で足並みを揃えたい中国高市首相の台湾海峡をめぐる発言が、中国の猛反発を呼んでいる。中国の駐日大阪領事は、日本が台湾問題で首を突っ込んだら、高市氏の「首を切れ」などと過激な投稿をして日本の強い反発を招いた。この過激投稿は、中国政...
現代の中国

なぜ香港高層ビル火災は防げなかったのか?日本では考えられない中国の危うい“安全感覚”

なぜ香港高層ビル火災は防げなかったのか?日本では考えられない中国の危うい“安全感覚”11月26日、香港北部で発生した高層マンション火災。多くの人命が奪われる大惨事となってしまいましたが、何がここまでの甚大な被害を招いたのでしょうか。今回のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』ではジャーナリスト・作家として活躍中の宇田川敬介さんが、中国での生活経験を踏まえその背景を検証。建築事情や工事現場の慣習、そして社会に浸透する「構造的な問題点」について具体的に解説しています。※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:香港高層ビル火災に見る中国の建物と災害香港高層ビル火災に見る中国の建物と災害さて、今週は話題になった香港の高層マンションの火災について、私が、大連にいたころの経験から中国の人々の防災意識について、私の感覚は少し古いですが、その内容を見てみましょう。私が、大連にいたのは、1996年から2000年までの足かけ4年間で、今から約30年ほど前の話になります。その間に、中国は大きく経済発展を遂げて、当時と今の中国は、少なくともその外見、街に言った雰囲気などは全...
現代の中国

首相の台湾有事発言の背景には米軍の対中国戦略があり、単なる舌禍事件ではない

首相の台湾有事発言の背景には米軍の対中国戦略があり、単なる舌禍事件ではない【高市発言と統合作戦司令部】 世界には多くの国が存在するが、その中でどの程度の国の政府が日本を主権国家と認識し、独自の判断で行動しているとは考えているだろうか。アメリカの属国、あるいは植民地にすぎず、日本政府を信頼できる交渉相手だとは考えていないように思える。高市早苗首相の「台湾有事発言」にしても、アメリカの軍事戦略という視点から見ているはずだ。 日本では陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊を一元的に指揮する常設組織として今年3月、敵基地攻撃能力を一元的に指揮する統合作戦司令部が編成された。これは2015年5月から18年5月までアメリカ太平洋軍の司令官を務めたハリー・ハリス海軍大将の提案に基づくという。ハリスが太平洋軍司令官から退いた2018年5月、アメリカ軍は太平洋軍をインド太平洋軍へ名称変更しているが、そのインド太平洋軍司令部と調整することが自衛隊で統合作戦司令部が編成された理由だという。自衛隊はアメリカ軍の指揮下に入るということだろう。統合作戦司令部が編成された理由として「台湾有事」を挙げる人もいた。 高市首...
現代の中国

トランプ氏の習近平・高市両氏への電話目的は「対中ビジネス」 高市政権は未だバイデン政権の対中戦略の中

トランプ氏の習近平・高市両氏への電話目的は「対中ビジネス」 高市政権は未だバイデン政権の対中戦略の中韓国における米中首脳会談後のトランプ大統領と習近平国家主席(習近平の耳元で「習近平愛」を囁くトランプ)(写真:ロイター/アフロ)11月24日夜、トランプ大統領が習近平国家主席に電話をして会談した。トランプはトランプ2.0では「習近平愛」を今のところ続けている。バイデン政権の政策を全て覆したいトランプは、バイデン元大統領の対中包囲網的強硬策を撤廃し、どこまでも(今のところ)「習近平愛」に満ちている。11月5日の論考<トランプが「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」と発言! これで戦争が避けられる!>でご紹介した米中の笑顔外交の延長線上で、トランプは習近平とギリギリの貿易交渉を続けており、習近平のご機嫌を損ねないようにすることが優先している。11月25日にトランプが高市総理にも電話してきたことに関して、ウォールストリート・ジャーナルが<トランプは高市に台湾巡り中国を刺激しないよう助言した>とブルームバーグが日本語で報道しているが、日本政府は否定。その真偽は別として、少なくと...
現代の中国

中国が高市発言を「国連」に持ち込み始めた危険。すでに日中間で解決できるレベルを超えた習近平“怒りのステージ”

中国が高市発言を「国連」に持ち込み始めた危険。すでに日中間で解決できるレベルを超えた習近平“怒りのステージ”高市首相の「台湾有事は存立危機」発言により、日中間に生じた大きな亀裂。中国サイドの怒りは増すばかりですが、その背景には日本人の「受け止め方の問題」が存在しているようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、中国がここまで激怒する理由を分かりやすい例えを用い解説。さらに習近平政権が高市発言を「日本の軍国主義復活」と結びつけて世界にアピールし始めた意図を考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:ついに国連にまで持ち込まれた高市発言で、日本が向き合う自画像とは高市「台湾有事」発言で怒りのステージが一線超え。中国が日本を「国連で問題化」し始めた意味「すみません質問です。日本の高市早苗首相は、当たり前のことを言ったに過ぎないと思うのですが。中国はなぜあんなに怒り、日本を責めるんでしょうか?」高市早苗首相の国会答弁に中国が強く反発して以降、私は日本の各地で冒頭のような質問に答え続けている。質問者は...
現代の世界各国

与那国島へのミサイル配備は米軍の対中国戦争に向けての準備の一環

与那国島へのミサイル配備は米軍の対中国戦争に向けての準備の一環【与那国島へのミサイル配備】 与那国島へ日本がミサイルを配備しようとしていることを中国が非難したと伝えられている。与那国島へのミサイル配備計画が順調に進んでいると小泉進次郎防衛相が語ったことが引き金になったようだが、自衛隊は2016年に与那国島でミサイル発射施設を建設している。それに続いて2019年には奄美大島と宮古島、そして23年には石垣島でも施設を完成させた。【アメリカの軍事戦略と日本】 本ブログで繰り返し書いてきたことだが、​こうしたミサイル配備の理由をアメリカ国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が2022年4月に発表した報告書で説明​している。これはGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲するというアメリカ軍の計画に基づいているのだ。 この報告書が作成された当時、アメリカは日本が掲げる専守防衛の建前、そして憲法第9条の制約を尊重していた。そこでASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力するという形にするとしていたのだが、2022年10月になると「日本政府が、米国製の巡航...
現代の中国

中国の「高市非難風刺画」は「吉田茂・岸信介」非難風刺画と同じ――そこから見える中国の本気度

中国の「高市非難風刺画」は「吉田茂・岸信介」非難風刺画と同じ――そこから見える中国の本気度1950年代初期の朝鮮戦争における吉田茂元首相に対する風刺画(中国のウェブサイト百家号より転載)中国が高市総理を非難する風刺画を世界的に数多く発信しているが、その風刺画の手法は、筆者が天津にいた1950年年代に毎日学習させられた「吉田茂とトルーマン&マッカーサー」を非難する風刺画と同じで、1960年代に入った「岸信介」非難風刺画とも同じだ。当時は紙媒体の「人民日報」や街に貼られたポスターなどが視覚的には主たる媒体だったが、今はネットを通して全世界に拡散させている。中国が対日攻撃をこのレベルで行なったのは、戦後「吉田茂、岸信介」に次いで「高市早苗」が3番目で、このことから中国の本気度をうかがい知ることができる。どんなに不愉快でも、「中国の下品さを露呈しただけだ」とか「これは習近平の焦りを表した証拠だ」などという批判でやり過ごし、留飲を下げるのではなく、真相を見極めなければ日本国民のためにならない。本稿では事の本質と重大性を直視するために、今でもネットで見ることのできるトルーマン(元米大統領)(および...
現代の世界各国

高市「存立危機」発言は至極当然。台湾が中国の手に落ちれば日本の安全保障が脅威にさらされる“必然”

高市「存立危機」発言は至極当然。台湾が中国の手に落ちれば日本の安全保障が脅威にさらされる“必然”トランプ大統領の「焦り」を表すかのように、中東とウクライナで同時に動き始めた「和平」のシナリオ。しかしその内容や調整プロセスは、粗さが否めないものとなっているのも事実です。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の「無敵の交渉・コミュニケーション術」』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、ガザ停戦案とウクライナ和平案に共通する「中身なき合意」の構造を分析。さらに中国との間に軋轢をもたらした高市首相の「台湾有事は日本の存立危機」発言が、なぜ安全保障上「必然」であるのかについても解説しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:トランプ大統領が急ぐ和平-中身なきWish Listがもたらすさらなる混乱と悲劇「中身なき停戦案」に各国が抱く危険な疑念。トランプ大統領が急ぐ和平がもたらすさらなる混乱と悲劇「和平“合意”」という表現がいろいろな形で飛び交った今週。その和平の場には、必ずトランプ大統領とアメリカの影があります。イスラエルとハマスの間で成立して...
現代の中国

中国の高圧的な日本叩きに対して日本が持っているカード

中国の高圧的な日本叩きに対して日本が持っているカードG20出席のため南アに向かった高市総理(写真:つのだよしお/アフロ)高市発言に対する中国の高圧的な日本叩きは常軌を逸している。本稿では、「それなら日本には現在どのようなカードがあるか」を中心に考察する。◆日本が切れるカード【その1】:半導体製造装置日本が切れるカードの最強のものは「半導体製造装置」であると言っていいだろう。2023年9月28日、米連邦議会情報の公式ウェブサイトであるCongress.govは、<半導体とCHIPS法:グローバルな文脈>というタイトルで半導体産業の各国の現状を分析している。それによれば「半導体製造装置に関する日本のシェアは約35%で、特定分野においては、ほぼ独占状態の場合さえある」とのこと。また、2023年8月25日、CSIS(Center for Strategic and International Studies、戦略国際問題研究所)は<日本は半導体産業の活性化を目指す>という見出しで、「半導体製造装置や半導体材料で日本がほぼ独占する分野だ」と書いている。その中で「半導体製造装置」に関してピックアッ...
現代の中国

高市発言に習近平はなぜここまで激怒するのか? 日本は台湾問題を口実にせず防衛力に戦略を

高市発言に習近平はなぜここまで激怒するのか? 日本は台湾問題を口実にせず防衛力に戦略を習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)11月7日における高市総理の国会答弁に対して習近平が烈火の如く怒っている。そのために中国が次々にくり出す日本叩きカードに関しては広く報道されているし不愉快なので、ここでは触れない。本稿では、「習近平がなぜそこまで激怒しているのか」を考察し、もし日本がどうしても防衛力を強化したいのなら「日本は台湾問題を口実にせずに日本独自の防衛力を強化すべきなのではないか」という論を張りたい。第二次世界大戦で敗戦国となった「日独伊」3ヵ国のうち、自国の軍隊を持っていないのは日本だけだ。それこそが逆に異様なのであって、この異様な日本の国防状況をもたらしているのは、戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の統治下(実際はアメリカの占領・統治下)で日本国憲法が作られたからに他ならない。台湾問題を口実にして安保法制を論じること自体、筋違いだ。もっと堂々と正道を歩むべきではないのだろうか。◆習近平は高市発言の、どの部分に怒っているのか?高市総理は11月7日の衆議院予算委員会における立憲民...
現代の中国

「中国からの嫌がらせ」は「高市政権にとって願ってもない大チャンス」だ…中国側が犯している「決定的な読み違い」

「中国からの嫌がらせ」は「高市政権にとって願ってもない大チャンス」だ…中国側が犯している「決定的な読み違い」中国の圧力エスカレーションはまだまだ続く高市総理の台湾有事に関する発言を巡って、中国政府の側から我が国に対して、手を替え、品を替え、様々な嫌がらせが相次いで突き付けられている状態になっている。日本への留学への注意喚起、日本旅行の自粛勧告のようなものから、各種交流行事の中止、映画「クレヨンしんちゃん」の中国での公開の延期、さらには日本産水産物や日本産牛肉の輸入再開手続きの中止、反スパイ法による邦人摘発の強化に至るまで、様々なことが仕掛けられている。これは「中国がこんなに怒っているのは、高市総理が悪いのだ」という世論を日本国内で作り出し、これによって高市政権を追い詰めていこうということとして理解すればよい。中国の薛剣・駐大阪総領事がXに「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」と書き込んだのは、日本の首相を安倍元総理のように暗殺することが、自分たちにはその意思さえあればできるんだと示唆するような不気味さを持つものである。この書き込み自...
現代の中国

【コラム】やり過ぎた中国、高市首相の政策遂行手助け-リーディー

【コラム】やり過ぎた中国、高市首相の政策遂行手助け-リーディーPrime Minister Takaichi can use Beijing’s rhetoric to advance her agenda. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg中国との外交摩擦は、就任からわずか1カ月の高市早苗首相にとって望むところではなかったかもしれない。  だが、トランプ米大統領の来日やクマ被害の増加といったニュースが続く中で、台湾に関する高市氏の発言を受けた中国側の対応ほど、国内世論を結束させる要因はない。  発端は、中国の薛剣駐大阪総領事がX(旧ツイッター)に投稿した「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬のちゅうちょもなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」という脅しだ。  これに加え、中国外務省のX公式アカウントには「台湾問題で火遊びをするな」「火遊びをすれば必ず身を滅ぼす」といった警告が並び、中国人民解放軍の機関紙「解放軍報」は「国全体が戦場となる危険がある」と論じた。皮肉なことに、中国は日本側が「過激で脅迫的な発言」をしたとして抗議している。  北...