
トランプ暗殺未遂事件は、やはり「バイデン陣営の仕業」なのか…? どう考えてもおかしい新事実が続々明らかに
安直な陰謀論には与したくないが
トランプの暗殺未遂に関して、私は7月15日付記事の中で、バイデン民主党側の仕業ではないのかという陰謀論には、そう思われても仕方のない論拠となるような事象が様々あることを指摘した。
参照)トランプ暗殺未遂事件報道に覚えた大いなる違和感と、状況証拠から見た「黒幕はバイデン陣営」説の信憑性(現代ビジネス 2024.07.15)

誤解なきように強調しておきたいのは、こうした論拠を指摘したからといって、狙撃犯であるトーマス・クルックスがバイデン政権側と共謀していたに違いないと私が決めつけているわけではないという点だ。
私はむしろそういう安直な陰謀論には与したくないと思っている。というのは、シークレットサービスにせよ地元警察にせよ、仮にバイデンが命令を下したとしても、歴史上の汚点となるような暗殺計画に、「イエッサー!」と全員が素直に従うとは考えられないからだ。
彼ら全員にプロフェッショナルとしての矜持があるとは思っていないが、プロとしての矜持から「絶対にそんな命令には従えない」と反発する人たちだって一定数はいるはずだ。だから、組織全体をコーディネートして、すべての人を思い通りに動かすという謀略は、一般的には成り立たないだろう。
中国や北朝鮮のような恐怖支配の専制国家ならば可能かもしれないが、曲がりなりにも民主主義が成立している国においては、こうした陰謀はそうそう簡単にできることではない。だから、安易に陰謀論に与するのは正しい姿勢ではないと、私は考えている。
真実を追究しようとするならば、わかりやすい結論に飛びつくのではなく、色々と悩みながら考えるべきではないだろうか。
ただもう一方で、トランプの警備を担当するシークレットサービスや地元警察の側で、あまりにもありえないような落ち度が幾重にも渡って繰り返されていたことも明らかになっている。こちらもまた無視はできないのだ。
軍事・射撃のプロたちの見解
実際に、その道のプロからも、私が抱いたのと同様の疑問が共有されている。
カナダのあるスナイパー部隊は、世界最長の狙撃殺害成功記録を持つそうだが、この名高いカナダのスナイパー部隊にかつて所属した退役軍人のダレス・アレクサンダー氏(@iamdallasalexander)も同じ見解を持っていることがわかった。
Instagram(@iamdallasalexander)より
アレクサンダー氏は、トーマス・クルックスがトランプ銃撃に使った屋根は、中学生だってわかるような極めて明らかなチェックポイントだったとし、何らかの機関に属する誰かの助けがあったことは、自分の中では疑いようがないと語った。
また、元グリーンベレー出身のマシュー・マーフィー氏(@matt_murphy_official)も、家でテレビゲームばかりやっているような感じの二十歳そこそこのガキが、シークレットサービスによって守られているトランプを銃撃できたということが、ありえないことだと述べている。

Instagram(@matt_murphy_official)より
つまり、あらゆるレベルのセキュリティーチェックを逃れてトランプを射撃するのに最も好都合な建物に接近し、その建物の屋根に上がれたばかりか、そこでライフルをケースから取り出して横たわり、5発から8発の狙いすました発砲を行う時間があったとは、とても信じられないというのだ。
多くの内部からの支えがない中で、こうした一連の行為が行えたなんて、絶対にありえないというのが、マーフィー氏の主張だ。ちなみに、マーフィー氏はスナイパーとして軍の中で最高レベルに達していた人物でもある。
このように軍事・射撃のプロたちからすれば、内部の協力がなければあのような事態が生じるわけがないというのが、一般認識だと見ていいのではないか。
クルックスは最初から監視対象になっていた
当日の状況についてCNNは次のように報じている。
●How the assassination attempt on Trump unfolded(CNN, July 14, 2024)
「一人の人物が当局の関心を惹いた。クルックスは地元警察に目をつけられたのだ。地元の警察幹部によれば、(入場者のセキュリティーチェックに使われる)金属探知機の近くで怪しげな振る舞いをしていた。警察は彼から目を離さないようにと無線で連絡した。そしてその情報はシークレットサービスにも伝えられたとのことだ」
It was there that one person caught the attention of authorities: Crooks was spotted by local law enforcement, who thought he was acting suspiciously near the magnetometers, according to a senior law enforcement official. They put it out over their radio to keep an eye on him – and that information was passed to the Secret Service as well, according to the source.
挙動の怪しい人物がいるということで、クルックスは最初から警察に目をつけられて監視対象となり、その情報はシークレットサービスにも共有されていたのである。なぜそんな人物が狙撃に最も適した建物に接近して、その屋根に上ることができたのだろうか。
さらに、より一層怪しい情報をCBSニュースが報じている。

記事によれば、狙撃犯が犯行に使った建物の内部には、3人のスナイパーが配置され、建物の窓を通じて集会が開かれている会場を見て、群衆の中に怪しい行動をする人物がいないか、監視していた。
その3人のスナイパーのうちの1人が、狙撃犯となるクルックスがこの建物の外にいるのを見つけたという。金属探知機の近くで怪しげな振る舞いをしていたクルックスから目を離さないようにと、警察は無線で連絡していたはずなのだが、なぜか完全に見失っていて、狙撃犯が最も選びやすい建物に、やすやすと接近できていたのである。
クルックスは屋根の方を見て建物を観察した後に、一旦姿を消したそうだ。その後再び建物の場所に戻ってきて、その場で座り込んでスマホを見ていて、その光景をそのスナイパーは写真におさめている。
さらにそのスナイパーは、クルックスが射撃のプロが使うレンジファインダーを覗いているのを確認していた。要するに、この地点からトランプが演説で使用する演台までの距離を測っていたのだろうと推察されるのだ。そのスナイパーはすぐに司令部に無線で連絡をして、収めていた写真も司令部に送ろうとしたという。
もちろん写真も大事だし、司令部への連絡も必要だが、クルックスに銃を向けて職務質問をするといった対応をどうして取らなかったのだろうか?
そして信じられないことに、そうこうしているうちに、当局は再びクルックスを見失っている。目を離さない対応が必要なクルックス、狙撃のプロしか使わないようなレンジファインダーを覗いているクルックスを、警護側は再び見失ったのだ。
そんな中、クルックスはバックパックを背負って、この建物に三度目の登場となった。そしてクルックスがバックパックを背負ったまま建物の裏手に回って歩いていると、スナイパーは司令部に連絡したものの、やはり銃を突きつけて制止するような行動は取っていないのである。
そして他の地元警察官が応援要請に応えてこの建物に駆けつけた時には、クルックスは建物の屋根までよじ登り終えていたのだ。
さらに応援要請で駆けつけた別の警官2人は、1人が肩を貸し、もう1人がその肩の上に足を置いて屋根の上に登ろうとしたが、クルックスがライフルを向けて威嚇してきたために、この警官は屋根から手を離して落下したそうだ。
この一連の経過を知って「ガキの使いじゃあるまいし」と思うのは、私だけではないだろう。
シークレットサービス局長の苦しい言い訳
さらに信じられない話が出てきた。シークレットサービスのキンバリー・チアトル局長は、この建物が傾斜した屋根を持っていたので、安全上の要因から屋根の上に捜査官を配置しないという決定に至ったと述べているのだ。

こんなバカげた理由があるだろうか。実際、クルックスが上った屋根の傾斜は緩やかなものだった。そんなことは写真を見れば一目瞭然ではないか。
チアトル局長は一番高いところの傾斜がきついからと述べているが、これも全くのウソだ。
そもそもトランプ大統領の演台の近くでシークレットサービスのカウンタースナイパーが陣取った建物の屋根もそれなりの傾斜であったし、むしろこちらの方が屋根の傾斜はきついものだった。

チアトル局長は、だから建物の内側から安全を確保することにしたというのだが、これは全く理由にならない。
狙撃犯が集会の中に紛れ込んでいることのみを前提にするなら、チアトル局長の言うことも理解できるが、狙撃犯が使うとしたらこの屋根じゃないかというポイントの警備を完全に外すことは、果たして合理的なのだろうか。
そのくせに、チアトル局長は、クルックスがトランプを狙うために狙撃位置についた建物のセキュリティ上の脆弱性、つまりこの建物の屋根が狙撃に絶好なポイントとして狙われやすい場所だと認識していたというのだ。
言っていることが完全に矛盾しているではないか。
意図的に警備を緩めたことだけはほぼ確実
なお、狙撃犯が発砲する前に既に不審な行動をしていることが目撃されていて、不審人物である可能性が確認されたとの報道が出ていることに関して、チアトル局長は、「詳細はまだわからないが、この人物の目撃から発砲までの時間は非常に短かった」とも話している。
しかしながら、これは現場レベルで確認されている情報と明らかに矛盾している。警備側は会場に入場するところに設置された金属探知機の近くにクルックスが接近した段階から、行動の怪しさを確認しながら、その後、何度もその姿を見失うという失態を繰り返しているのだ。
では、全体をどう理解すればいいのだろうか?

私は以上のことから、シークレットサービスのチアトル局長が、バイデン政権側の意を受けて党派的な動きを行ったのは、ほぼ確実ではないかと考えている。シークレットサービスの現場の指揮官はチアトル局長とは別の人物だろうが、この現場責任者も政権側の意向を受けて確実に動く人間だったのではないかと見ている。
現場の指揮官が司令部の中心に位置し、上がってくる情報に対して常に不適切な指示を出すことで、クルックスを泳がすように仕向けたのではないか。
もちろんこの推論が完璧な説明になっているとは思ってはいない。それでもチアトル局長の説明があまりにも頓珍漢であることから、チアトル局長が意図的に警備を緩めたことだけはほぼ確実と見ていいいのではないか。
これが私の現段階での判断である。




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