「トランプを倒す!」34歳マンダニ新NY市長の正体

現代の米国
「トランプを倒す!」34歳マンダニ新NY市長の正体
今月4日に実施された米国のニューヨーク(NY)市長選や、バージニア州、ニュージャージーの州知事選で、民主党が勝利した。こうした選挙結果は米国のいまの政治状況を教えてくれる。それを解くキーワードは、“affordability”という言葉である。「手頃な価格」ないし「経済的余裕の度合い」などを意味している。民主党が多用したこの言葉こそ、国民の生活苦を軽視した共和党の惨敗につながった。だが、民主党のなかでは、この本質を理解しないままに勝利に沸く過激すぎるリベラル(左派)と、中道的な勢力との間で亀裂が深まっている。他方で、共和党内には国内問題の重要性に気づく者もいるが、ドナルド・トランプ大統領はaffordabilityを軽視しつづけている。

「トランプを倒す!」34歳マンダニ新NY市長の正体

今月4日に実施された米国のニューヨーク(NY)市長選や、バージニア州、ニュージャージーの州知事選で、民主党が勝利した。こうした選挙結果は米国のいまの政治状況を教えてくれる。

それを解くキーワードは、“affordability”という言葉である。「手頃な価格」ないし「経済的余裕の度合い」などを意味している。民主党が多用したこの言葉こそ、国民の生活苦を軽視した共和党の惨敗につながった。

だが、民主党のなかでは、この本質を理解しないままに勝利に沸く過激すぎるリベラル(左派)と、中道的な勢力との間で亀裂が深まっている。他方で、共和党内には国内問題の重要性に気づく者もいるが、ドナルド・トランプ大統領はaffordabilityを軽視しつづけている。

初のイスラム教徒NY市長

NY市長選で、民主党のゾーラン・マンダニ(マムダニとも記すがここでは、発音に近いマンダニを採用)候補が当選した(下の写真を参照)。来年1月1日から市長に就任する。

登録有権者数は約510万人で、投票率は約39.91%だった。投票率はこれでも、前回の市長選から 16ポイント以上上昇した。マンダニは過半数を超す103万強の得票数を得た。初のイスラム教徒で民主社会主義者の当選を歓喜する動きがあったのはたしかだが、その当選を冷静に分析しなければ、米国の現実の政治情勢を理解することはできない。

この記事の全ての写真を見る(全12枚)

(出所)https://www.kommersant.ru/doc/8180007

「失望の10年」を克服できるか

まずは、NYに本社がある「ニューヨークタイムズ」(NYT)の社説(6月16日付)を紹介したい。NYの政治的実情を理解するためだ。

6月24日の民主党予備選を前にして、NYTの編集会議は、「次の偉大な市長になりそうな候補者が見当たらない」ため、「候補者を推薦しない」と書いた。立候補者が11人もいるにもかかわらず、だれも推薦できないというのだ。その事情を知れば、いまの民主党の政治情勢がわかるかもしれない。

社説は、「NYには、過去10年間がなぜ失望に終わったのかを理解する市長が必要だ」と率直に記している。2014年から8年間NY市長として在任したビル・デブラシオは、全体として、無秩序を十分に深刻に受け止めず、市の幼稚園から高校までの学校制度を後退させ、市を衰退させたという。いわば、大胆なリベラリズムを採用し、学校にはより多くの予算とより少ない評価が必要だと主張した結果、学校そのものが衰退したのである。このリベラリズムは、住宅供給の重要な役割を強調する代わりに、家賃の高騰を強欲な地主のせいにしただけで、市全体が荒廃してしまったというのだ。

現NY市長のエリック・アダムスは、2021年にデブラシオ時代の弊害を修正するためのより穏健なアプローチを約束して就任した。だが、彼の明らかな汚職と、ずさんな管理スタイルは、再選に値しないことを一目瞭然にした。

結局、11月の市長選は主に、民主党の予備選に勝利したクイーンズ区選出の州議会議員マンダニ、予備選に敗れて無所属候補となった元NY州知事アンドリュー・クオモ、そして共和党候補である、ボランティア・パトロール団体「ガーディアン・エンジェルズ」を設立したラジオ司会者のカーティス・スリワで争われた。クオモについて、社説はその重大な欠点として、「彼は3期目の2021年、少なくとも11人の女性からセクハラや不適切な接触があったとの疑惑を受け、知事を辞任した」ことを挙げている。クオモは民主党内部にあって、中道派とみなされていても、どうやらその人間性に問題があるらしい。

マンダニ新市長は民主社会主義者

それでは、予備選で勝利し、市長選でも当選したマンダニについて、NYTの社説はどう評価していたのか。「マンダニがNY市民の投票用紙に名を連ねるに値するとは考えていない」というのが結論だ。彼の経験は浅く、政策方針はデブラシオの失望を招いた市長職の過激版としか言いようがないというのだ。つまり、民主党内には、過激すぎるリベラルと中道的な勢力があり、NYTは前者を支持していないことがわかる。

マンダニは社会主義者ではないが、民主社会主義者である。その信念は社会主義者と似ているが、同じではない。

彼は、民主社会主義者協会(DSA)と、そのNY支部の両方の会員だ。DSAの全国支部は、民主社会主義を「一般市民が職場、地域社会、そして社会において真の発言権をもつシステム」と定義し、この目標達成のためには、交通機関やエネルギー資源を含む経済生産手段を、市民が「共同所有」する必要があるとみなす。

トランプ大統領は、このリベラルすぎるマンダニを攻撃する目的で、彼を「100%の共産主義者で狂人」と呼んだ(下を参照)。そこには、「過激な左派はこれまでにもいたが、これは少しばかげている。見た目は最悪、声は耳障りで、頭も良くない」と記されている。

(出所)https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/114745583467776157

民主党内にいる過激な左翼が、まるで民主党そのものであるかのように喧伝することで、トランプは共和党の巻き返しをはかろうとしているようにみえる。同じ路線を、親共和党の「ニューヨークポスト」もとっている。下に示した11月5日付の表紙をみれば、その攻撃姿勢がよくわかる。NYが「赤いアップル」になると揶揄しているのだ。

(出所)https://nypost.com/cover/november-5-2025/

「左派ポピュリズム」の復権

だが、マンダニ勝利の理由は、NY市民が彼の民主社会主義思想に共鳴したからではない。彼への支持が広がったのは、単に「左派ポピュリズム」の結果にすぎない。マンダニ人気の背後には、都市の生活費負担軽減を公約に掲げたことがある。普遍的保育サービス(ユニバーサル・チャイルドケア)、無料バス、市営食料品店、家賃規制アパートの家賃凍結である。まさに、affordability(手頃な価格)の実現を選挙運動の根幹に据えたのだ。

ただし、民主党の中道派ないし中道左派には、こうした公約の実現可能性に強い疑いをいだく者がいた。たとえば、NY州を代表する 2 人の民主党議員、ハキーム・ジェフリーズ下院院内総務とチャック・シューマー上院院内総務は、マンダニを支持しなかった。いわば、マンダニは過剰にaffordability(手頃な価格)を訴え、何も知らないNY市民を裏切りかねない選挙戦を展開したように映る。

保育所増設政策の欠点

決定的なのは、彼への支持を急速に高めたとされるユニバーサル・チャイルドケアの「嘘」だ。生後6週間から5歳までのすべての子どもを対象とする、無料のユニバーサル・チャイルドケアには、年間60億ドルほどかかると、マンダニ陣営は見積もっている(NYTを参照)。市はすでに、すべての4歳児と多くの3歳児に無料の就学前教育を提供しているが、乳幼児と3歳未満の幼児にまで保育を拡大することが大きな課題となる。新市政は新しい保育施設をつくり、保育士を大量に雇用しなければならない。

だが、もっとも大きな問題は別のところにある。それは、ユニバーサル・チャイルドケアが子どもに害をおよぼす可能性があるという問題だ。

The Economistによれば、就学前(3歳前後)から乳幼児期まで制度を拡大することには、大きな課題が一つある。幼児期の発達には、他の子供たちとの関わりよりも、大人との密接な交流がより重要であるからだ。1歳で保育所に預けられた子どもは、2歳になる頃には、親に育てられた子どもと比べて、行動が著しく劣るといった報告があり、3歳未満の幼児を保育所に無料で預けられる制度をつくれば、それで問題解決というわけでは決してないのだ。

同記事は、学齢期までに、大人は20人から30人の子供を監督することができ、就学前児童の場合、大人は12人か15人をみることになるが、幼児の場合、保育士が2~3人の子どもを担当するといった質が担保されなければならない、と指摘している。そのためには、マンダニ陣営のいう60億ドルは少なすぎる。なぜなら、現在、託児所の料金は年間平均2万3000ドルを超えており、地域によってはもっと高いところもあるからだ(NYTを参照)。

普通に考えれば、この政策は「左派ポピュリズム」そのものであり、民主党左派の突出が、むしろ民主党全体のイメージダウンをもたらす可能性がある。だからこそ、The Economistは、「民主党が民主社会主義者を旗手の一人に選んだことで、民主党員は問題をさらに深刻化させた」と的確に指摘している。その問題とは、民主党が移民、気候変動、人種差別などで、一般の有権者の意見とはかけ離れた政策を掲げている点にある。

来年のNY州知事選がカギ

トランプ大統領は、NY市長選前から、新市長が気に入らない政策を採用した場合、数十億ドルの連邦資金をNY市に出すのをやめ、かつ州兵を派遣すると脅している。それどころか、トランプはすでに、NY市を含む民主党が運営する州や都市への連邦政府補助金を、数十億ドル削減している。

民主党が運営する都市には、彼らの意に反して州兵を送り込んだ。そしてNY州司法長官を含む政敵を起訴するよう司法省に指示した(NYTを参照)。

当面、注目されるのは、NY州知事の出方および来年の州知事選である。なぜなら、マンダニの政策を実現するには、州の法人税率を引き上げ、市の所得税を上げることで財源を確保する必要があるからだ。マンダニは富裕税を主張しているが、市が管理できる広範な税は固定資産税だけであり、彼が望む所得税増税は州議会の決定を待たなければならない。

いずれにしても、州知事の協力がなければ、前述したユニバーサル・チャイルドケア政策は実現不可能だ。クオモの辞任で2021年8月に副知事から州知事に就任し、翌年、現在は環境保護庁長官を務める共和党のリー・ゼルディンとの接戦を制し、知事選で当選したキャシー・ホークル(民主党)は、市長選でマンダニを支援したが、増税には消極的だ。

この「マンダニ‐ホークル」連合を、トランプが標的にする可能性が高い。NY州北部選出の保守派共和党議員でホワイトハウスと密接な関係をもつエリゼ・ステファニック下院議員(下の写真)は11月7日、来年の州知事選に出馬すると発表した。彼女は、ホークル知事が民主社会主義者のマンダニと関係をもつことを激しく非難する一方、頻繁にホークルを「アメリカ最悪の知事」と呼んでいる。

2014年に当選した際、ステファニックは史上最年少の女性下院議員となった。その後、トランプへの忠誠心が功を奏し、リズ・チェイニー議員の解任を受けて下院共和党第3位の地位に昇進した。昨年11月にトランプが当選直後、ステファニックを国連大使に指名した。

彼女はこのポストを受諾したが、数カ月後、トランプは指名を取り消した。特別選挙で彼女の下院議席が失われることを恐れたためだ。それ以来、彼女は同僚に対し、議会に残留する意思がないことを明らかにしている。ステファニックはNY州共和党内の「MAGA」(トランプ支持)派のリーダーとしての立場を確立している。このため、来年の知事選は、「ホークル対ステファニック」となる可能性が高い。

(出所)https://www.nytimes.com/2025/11/06/nyregion/stefanik-governor.html?searchResultPosition=1

民主党は左派路線に進むのか

民主党の今後については、中道左派路線か左派路線かの選択を迫られているというのが、11月9日付のNYTの分析だ。それは正しい指摘だ。

マンダニ当選が派手に報道された結果、左派路線の勝利にばかり脚光が当たっているが、中道左派の確実な勝利もあった。具体的には、バージニア州ではアビゲイル・スパンバーガーが、ニュージャージー州ではマイキー・シェリルが知事に当選した。

前者は、政界入り前に中央情報部(CIA)で働いていたし、後者は海軍のヘリコプターパイロットだった。どちらも、共和党の攻撃をかわすのに役立つ「愛国心の証拠」をもち合わせていた。そのうえで、たとえば、スパンバーガーは、勝利演説で有権者が「党派性よりも現実主義」を選択したと宣言し、「実行可能な政策」を約束した。つまり、彼女は中道派と言えるだろう。

民主党の当面の課題と言えるのは、来年の中間選挙に向けた予備選で、どんな候補者が勝ち残るかである。紹介したNYTは、「長年、上院民主党のトップは予備選挙での競争を封じ込めることに成功してきた」と指摘している。激戦州では、彼らが最強の候補者だと信じる人物を擁立し、地位を高め、他の候補者を排除してきたというのだ。

こうした慣習は、いまでもオハイオ州やノースカロライナ州などでつづいているという。だが、これまでの同党指導者への不満が民主党支持層に充満しており、それが党内のスタイルや戦略をめぐる公然とした対立につながっている。このため、メイン州、マサチューセッツ州、ミシガン州、ミネソタ州を含む多数の州で予備選が激戦化している。

たとえば、メイン州では、左派の米陸軍の退役軍人グラハム・プラットナーと、中道派のジャネット・ミルズ知事が、上院候補を争っている。プラットナーを応援するのは、バーモント州選出のバーニー・サンダース上院議員であり、ミルズの味方は民主党上院のシューマー院内総務だ。

ほかにも、サンダースはミシガン州で、アブドゥル・エル=サイードを応援している。当選すれば米国上院初のムスリム議員となるエル=サイードは、全民医療保険制度(メディケア・フォー・オール)、政治における闇資金の根絶、労働者保護の強化を提唱している。ただし、対抗馬として、2018年に共和党が保有する下院議席をひっくり返した穏健派のヘイリー・スティーブンス議員や、共和党への率直な批判姿勢で全国的な注目を集めているマロリー・マクモロー州上院議員などがいる。

政府再開法案でも亀裂

史上最長の40日以上に及ぶ政府機関閉鎖の後、一握りの民主党上院議員が共和党からの重要な譲歩なしに政府閉鎖を終わらせるという投票を行ったことで、政府再開法案は11月10日深夜に上院で可決され、下院に送られた。共和党のジョン・チューン上院院内総務との何時間にもわたる交渉の末、中道派の民主党議員が党派を超えて決議案を支持したのだ。

2028年の選挙で、民主党大統領候補の最有力候補であるカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムは、共和党に投票した民主党上院議員を、「屈服」「裏切り」と非難した。つまり、比較的左派ないし進歩派とみられる民主党議員の反発が強まっているのである。

たとえば、下院議員で進歩党員のロー・カンナ氏は、「シューマー上院議員はもはや役立たずであり、交代すべきだ。アメリカ国民の医療保険料が急騰するのを阻止する戦いを率いることすらできないなら、いったい何のために戦うというのか?」、とXに投稿した。その後も、NY州選出の民主党下院議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテスを含む他の進歩的民主党議員から批判されている。彼女はXへの投稿で、「人々が我々に現状維持を求めるのには理由がある。これは支持基盤へのアピールではない。人々の生活に関わる問題だ」と書き込み、党指導部を批判した。前述したように、シューマーは中道派だが、左派からの手厳しい批判を受けていることになる。

キーワードは「手頃な価格」

共和党の今後については、11月5日付の「NYポスト」の社説が役に立つ。選挙の惨敗結果から共和党がもつべき教訓が論じられている。

社説はまず、NY市のマンダニからニュージャージー州のシェリル、バージニア州のスパンバーガーまで、勝利した候補者はみな、労働者階級や中流階級の人々の生活苦を前面に押し出していたと指摘する。他方で、実は、共和党が昨年の選挙で勝利したのも、生活苦をテーマにしていたからだと分析している。

はっきり言えば、トランプはaffordabilityに関心を払わず、affordabilityにスポットライトを当てた民主党の候補者が躍進したのである。この点について、トランプ自身も忸怩(じくじ)たる思いがある。というのは、トランプのaffordability軽視が生活苦をもたらしているという民主党の批判を気にかけていたからだ。

今月6日には、「ウォルマートによると、トランプ政権下の2025年感謝祭ディナーの費用は、バイデン政権下の2024年感謝祭ディナーより25%安い。私の政策はすべてにおいて民主党より安い、とくに石油とガスだ! 民主党のaffordability問題なんて終わりだ! 嘘をつくのはやめろ!!!」と、自らのSNSに投稿していたほどだ。7日、ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相がホワイトハウスを訪問した際には、記者とのやり取りのなかで、トランプは10回ほどaffordabilityという言葉を使って、言い訳めいた話を披露してもいる。

いまのインフレ水準を完璧な水準にあるとしたうえで、「affordability(手頃な価格)について話すなら、この事実こそが重要だ」と語ったトランプは、「ガソリン価格は2ドル台になる。まもなく約2ドルになるだろう」と話し、さらに、「エネルギー価格が低い場合、これは我々が認めている通り、実質的にそうなのだから、それは他のすべてに影響する」とつづけた。「だから我々はaffordabilityという点では勝利者だ」と言うのである。

そのうえで、トランプは、「しかし私は選挙を傍観していた」と認め、「あまり関与はしていなかった」と話した。バージニア州の候補を支持せず、他の候補者への支援もほとんど行わなかった、というのである。

だが、この後にトランプは、「しかし言っておくが、彼らが選挙公約にしたaffordabilityという点を見れば、彼らは嘘をついた」と怒りをあらわにした。そして、「彼らは石油価格が上昇していると語ったが、いやいや、トランプ政権下では価格は下落しており、しかも大幅に下がっている」と強弁したのである。

3億ドルのダンスホール計画

だが、11月4日前のトランプのふるまいは、affordabilityをまったく無視したものだった。たとえば、10月31日、トランプはリンカーン寝室の浴室を改装したことを自らのソーシャルメディアで報告した。下の写真からわかるように、黒と白の大理石で仕上げられ、金色の蛇口と照明器具が備えられている浴室は豪華絢爛であり、affordabilityという概念からはかけ離れているようにみえる。

あるいは、3億ドルの舞踏場建設のために、1階にはホワイトハウス訪問者事務所と立法問題室が置かれ、2階にはホワイトハウス軍事室とファーストレディの執務室、スタッフ室などがあった東棟を解体したことにも批判が噴出していた。

成金趣味のトランプに対して、期限切れとなる医療保険補助金の延長合意は得られないままであり、共和党がaffordabilityを重視しているようにはみえない。だからこそ、多くの民主党議員は、医療保険の費用を来年の中間選挙における決定的な争点にすると誓っている。

先に紹介した「NYポスト」の社説は、こうした構図を理解している。だからこそ、「共和党が一般市民の経済的痛みに無関心で、自分たちのエスニック(民族)間の争いを繰り広げているように思われれば、彼らが得たすべての成果を失うことになる」――社説はこう警鐘を鳴らしている。

(出所)https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/115469942090837414

ヴァンス副大統領の投稿

このようにみてくると、どうやら今回の民主党の惨敗の最大の要因がaffordabilityの軽視にあったという見方が広がっている。この点については、J・D・ヴァンス副大統領も気づいている。彼は選挙後、Xにおいてつぎのように投稿した。

「我々は国内問題に集中する必要がある。大統領はすでに低金利と低インフレという成果を上げているが、ジョー・バイデンから引き継いだのは惨状であり、ローマは一日で築かれなかった。私たちはこれからも、この国でまともな生活が手頃な価格で実現できる(make a decent life affordable)よう、努力をつづけていく。それが2026年以降、我々が最終的に評価される基準だ」

11月10日付のNYTによると、トランプはすでに高まる不満に耳を傾けはじめたようだ。7日夜、食肉加工会社が「共謀」して牛肉価格を吊り上げているかどうかの調査を司法省に指示するとの発表があった。8日には、保険会社に支払われる医療補助金を米国国民の貯蓄口座に振り向ける提案を発表した。9日朝には関税収入から2000ドルの配当金を支給する案を提示し、「(高所得者は除く)」と書き添えた。

ただし、9日午後、トランプは週末をゴルフに費やした後、フットボール観戦のためワシントンに戻る飛行機のなかで、再び全神経を注ぐプロジェクトに意識を向けていた。その結果、「ホワイトハウス新舞踏場のメインエントランス!」と投稿し、改装中の空間の進捗写真(下の写真)を添えた。どうやら、本人は相変わらずaffordabilityについてほとんど何も考えていないように思われる。

(出所)https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/115521797504730572

【こちらも読む】『拝啓高市新総理、トランプとのパイプ作りの「秘訣」指南します!

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました