山林火災“同時多発”に「多すぎ」「おかしくね?」SNSざわつく。錯覚か陰謀論か?野焼きではなく“放火テロ”疑う人も

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全国で相次ぐ山林火災。住宅街にまで炎が迫る様子が盛んに報道され、SNSでは「さすがに火事が多すぎるのではないか」「何かおかしくないか」といった疑問の声があがりはじめた。 相次ぐ山林火災に「絶対におかしいよね」不安の声 大規模な山林火災が全国で相次ぎ、人々に不安と疑念が広がっている。 岩手県大船渡市(2月26日

山林火災“同時多発”に「多すぎ」「おかしくね?」SNSざわつく。錯覚か陰謀論か?野焼きではなく“放火テロ”疑う人も

全国で相次ぐ山林火災。住宅街にまで炎が迫る様子が盛んに報道され、SNSでは「さすがに火事が多すぎるのではないか」「何かおかしくないか」といった疑問の声があがりはじめた。

相次ぐ山林火災に「絶対におかしいよね」不安の声

大規模な山林火災が全国で相次ぎ、人々に不安と疑念が広がっている。

岩手県大船渡市(2月26日発災)では2900ヘクタールが焼失、100棟以上の住宅が被害を受けた。1ヶ月が経過した現在も完全には鎮火できていない。

さらに今月下旬には、愛媛県今治市(23日)、岡山県岡山市南区(23日)、宮崎県宮崎市(25日)などで新たな火災が発生。いずれも鎮火のメドは立っておらず、避難指示の対象が拡大している。

山火事の“同時多発”としか言いようがない異常事態に、ネットの空気感も大きく変わってきたという。ネットメディア編集デスクが説明する。

「きょう26日も、福島県須賀川市で林野火災が発生しました。幸い鎮火したものの、どのニュースがどの火災なのか分からなくなるほどのヤバい状況です。SNSや掲示板では、≪絶対におかしいよね≫≪ひょっとして戦争始まってない?≫≪韓国でも山火事がひどいんだよな≫≪これ、ほんまに放火ちゃうんか?≫といった声が急増しています。“失火や偶然のめぐり合わせだけで、さすがにこうはならないだろう”と感じてしまうようです。私も共感してしまう面があります」(ネットメディア編集デスク)

XなどのSNSでは、今月初旬までは(野焼きや焚き火を好むイメージが強い)山間部のお年寄りをバッシングする流れが見られたのだが、時を経るにしたがい、組織的な“放火テロ”を疑うユーザーが増加している。

さらに一部には、“衛星ビーム兵器によって山を焼き払っているに違いない”といった自説を唱える人もいるようだ。

山火事の7.6%は放火(疑い含む)が原因

これらは世間的には“陰謀論”とされている。

空気が乾燥する今の季節はもともと火災が起こりやすく、日本では毎年山火事が発生している。また、大船渡市の被害があまりに甚大だったため、マスコミが積極的に山林火災を報道するようになった結果、例年よりも発生件数が極端に多いように“錯覚”してしまうだけという指摘もある。

SNSで散見される“ビーム兵器山火事陰謀論”(跡地にスマートシティを建設するため、衛星ビーム兵器で山を焼き払っているとする説)などは当然、荒唐無稽なトンデモ説として却下されることになるわけだ。

とはいえ、巷で広がっている人々の疑問のすべてを“陰謀論”で片付けるのは危険かもしれない。先のネットメディア編集デスクが言う。

「大事なのは“出火原因は野焼きではなく放火かもしれない”という疑いと、“ビーム兵器なんてトンデモ陰謀論だ”という2つの主張は完全に両立するという点です。この前提をすっとばし、放火説をまるごと陰謀論扱いするのは間違いでしょう。林野庁によると、山火事の7.6%は放火(疑い含む)が原因と言いますからね。一連の山林火災に対して、≪何かがおかしい≫≪放火ではないか?≫と人々が感じるのはごく普通のことだと思います」(前出のネットメディア編集デスク)

出典:山火事予防!!:林野庁

上記は林野庁による山林火災の原因別出火件数(2019~2023年の平均)だ。「火入れ」は雑草などの焼却を指し、厳密には異なるが「野焼き」に類似の作業にあたる。「放火」も決して無視できない高い比率となっている。

なぜ大規模な山火事は特定の年に集中するのか?

さらに林野庁のWebサイトを眺めていると、興味深いデータがいくつか見つかった。

まず、山火事が起きやすい時期は春で、4月が最も多い。これは報道されている通りだ。

出典:山火事予防!!:林野庁

いっぽう、山林火災の発生件数は1975年前後をピークに、長期トレンドとしては減少傾向にある。

出典:山火事予防!!:林野庁

さらに、「住民避難勧告等が出された大規模な山火事」に限ると、2002年以降は年平均1~2回といった発生率のようだ。ただ、なぜか特定の年に集中する傾向があるようにも見える。

出典:山火事予防!!:林野庁

先のネットメディア編集デスクの意見。

「地球温暖化に伴う異常気象が山林火災の原因、という主張をしばしば見かけますが、そうだとすると、全体の火災発生件数が減少傾向にあるのはどうしてなのか、私には不思議に感じられます。また、なぜ住民避難を要する大規模な山火事が特定の年に集中しやすいのか?これも不可解です。“当該年の気象条件が、火災を発生しやすくさせた”と考えるのが常識的なのでしょうが、実は“当該年に、特定の放火犯が日本中に火をつけてまわった”可能性も無視はできないのではないでしょうか?少なくとも、岩手・愛媛・岡山・宮崎と山林火災が相次ぎ、住民避難を余儀なくされている現状をみると、『火災が多すぎる年』『何かがおかしい年』と感じるのは、決して錯覚ではない気がしますね」(前出のネットメディア編集デスク)

山火事シーズンは5月まで続く。今のところ放火やテロを示す証拠はないものの、人々が警戒心を持つことは“火の用心”に一定の効果があるかもしれない。

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