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高市首相の「脱中国」戦略はやはり正しかった…中国に媚びて「移民とEV」の泥沼に沈んだドイツの末路

高市首相の「脱中国」戦略はやはり正しかった…中国に媚びて「移民とEV」の泥沼に沈んだドイツの末路ドイツは2023年、名目GDPで日本を抜き世界3位となった。評論家の白川司さんは「実際は、中国に依存した外交と移民政策が足を引っ張り、経済的にも政治的にも不安定な状況に陥っている」という――。「日中関係の悪化」は外交の失敗?日本のマスコミは「高市政権が中国との関係を悪化させ、損失を負っている」と批判的に報道することが多い。そのため、あたかも日本政府が対中外交に失敗していると感じている人が多いだろう。だが、これは日本が対中関係の構築に成功したゆえの出来事だと捉えるべきである。そのことはドイツの対中外交と比較するとよくわかる。これまでドイツは、中国と蜜月関係を築き、中国をうまく利用してきたとみなされてきたが、現在は対中戦略を大きく転換せざるを得なくなっている。さらに、戦後一貫してきた財政均衡路線を修正し、2025年には財政規律をめぐる憲法上の制度改革を行った。積極財政へと舵を切ったドイツは、自由貿易重視の姿勢を改め、ロシアだけでなく中国に対しても、経済安全保障や産業保護に踏み込んでいる。加えて2...
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「トランプさえ退場すれば世界が正常に戻る」は幻想。国際社会に混乱を招いた犯人は誰なのか?

「トランプさえ退場すれば世界が正常に戻る」は幻想。国際社会に混乱を招いた犯人は誰なのか?かつてないほどに混乱し、分裂が深まる国際社会。その責をトランプ大統領一人に負わせる論調が大勢を占めていますが、果たしてそれは真実なのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の「無敵の交渉・コミュニケーション術」』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、世界を「漂流状態」へと導いた要因を分析。その上で、さらなる大混乱に日本がどう備えるべきかを考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:迷走する国際情勢 分裂の深まりと国際社会が抱く淡い期待「すべてをトランプの所業」とする姑息。分裂深まる国際社会が抱く淡い期待「トランプ大統領が政界から去れば、きっと国際情勢はまた“正常な状態”に戻るだろう」いろいろな機会に耳にする希望的観測ですが、果たしてどうでしょうか?「一方的に要求を突き付け、相手が抵抗したり、相手の対応が気に入らなければ関税措置に訴えて脅す」「平和の使者を標榜していたかと思うと、突如、圧倒的な軍事力を盾に強引な行動に出る」「トランプ大統...
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世界は「脱米国」へと踏み出したのか?カナダとイギリス両首相の“訪中”が映し出す「米覇権時代の終焉」

世界は「脱米国」へと踏み出したのか?カナダとイギリス両首相の“訪中”が映し出す「米覇権時代の終焉」トランプ大統領の「専横的」な言動に業を煮やしたかのように、相次いで中国を訪問し始めた欧州やカナダの首脳。この動きは、単なる経済重視の外交転換と見ていいのでしょうか。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、カナダのカーニー首相、イギリスのスターマー首相の訪中を軸に、トランプ政権下で進む国際社会の力学の変化を分析。その上で、「中国シフト」とも受け取れる動きの実像と、分断が深まる世界秩序の行方を考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:カナダのカーニーに続きイギリスのスターマー首相も訪中 世界は「中国シフト」に向かうのか世界は「中国シフト」に向かうのか。国際社会に広がる「脱米」の潮流「私自身の道徳観。私自身の心。私を止めることができるのはそれだけだ」トランプ大統領が米紙『ニューヨーク・タイムズ』のインタビューに答えて放った言葉に世界が戦慄した。どこまで本気で言っているのかわからないが、世界はもはや真意を見...
現代のロシア

中東に再招待されるロシア

中東に再招待されるロシア2026年2月3日   田中 宇昨年11月に「中東への関与を下げたロシア」という記事を書いた。中東の覇権国になっていくイスラエル(リクード系)はとても強く、ロシアが味方していたシリア(アサド政権)やイラン、ヒズボラが次々とイスラエルに潰された。しかもリクード系はウクライナ戦争でロシアを勝たせ、露敵視の英欧を自滅させてくれた。そのため、ロシアはイスラエルに配慮して中東での覇権(軍事安保)活動を控えることにした、といった筋だった。(中東への関与を下げたロシア)リクード系は、ロシアの影響圏だったアゼルバイジャンやカザフスタンなどコーカサスと中央アジアに割り込み、これらの地域を、リクード系の隠然傀儡になったトルコの影響圏に差し替えた。プーチンは、リクード系にとても従順で、長年の影響圏から出て行けと言われるとホイホイと出ていく。中東への関与を下げたのも、リクード系に言われたからだと推測された。(イスラエルは中東4極体制で満足なのか?)しかしその後、最近になって逆方向の新たな流れが起きている。シリアやイランやUAEやパレスチナ自治政府など、中東諸国の首脳や高官たちが相次いで...
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買収、脅迫、殺人で世界が動いていることを知らしめたエプスタイン

買収、脅迫、殺人で世界が動いていることを知らしめたエプスタイン【エプスタイン・ファイル】 ドナルド・トランプ米大統領は1月3日、アメリカ陸軍の特殊部隊デルタ・フォースを使ってベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を誘拐、その後にイランを攻撃するとしてUSSエイブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃群を中東へ派遣したが、トランプの思惑通りに進むとは思えない。 イランはアメリカやイスラエルからの攻撃を想定、ドローンやミサイルの準備を進めてきた。その性能や数を考えると、イランがアメリカの艦隊に対して数百発のミサイルとドローンを発射すれば、アメリカ側は数日間で戦闘不能になってしまう。 トランプ大統領はイランに対する攻撃を「限定的」なものに止め、形式的な譲歩を得て撤退するつもりだとも言われているが、イラン側はどのような攻撃でも全面的な反撃に出ると宣言している。そうなれば中東にあるアメリカの軍事基地や大使館、そしてイスラエルが攻撃の目標になる可能性が高い。 カリブ海でも中東でも軍事的な緊張が高まっているわけだが、そうした中、エプスタイン・ファイルの公開がひと段落した。このファイルには数百万ページに...
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エプスタイン資料の非公開部分に西側世界を支配する仕組みが隠されている 

エプスタイン資料の非公開部分に西側世界を支配する仕組みが隠されている ​アメリカの司法省はジェフリー・エプスタインに関する資料を公開した​が、​その中からドナルド・トランプ大統領に関係した数百万件のファイルを削除したと伝えられている​。削除された資料には、トランプ大統領が未成年者を含む複数の女性と性的な関係を持ったとする当事者やその関係者の証言が含まれていたという。削除された文書のひとつはトランプが人身売買に関与していたとも主張しているとされている。 トッド・ブランシュ司法副長官によると、司法省が保有するエプスタインに関する文書は約600万ページあるが、約300万ページは非公開。公開されない資料の中には児童の性的な虐待を描写したものがあり、「死、身体的虐待、負傷」を描写した文書や画像が含まれるとしている。つまり、そうした犯罪的なことが行われていたわけだが、捜査が開始されたという話は聞かない。非公開の理由は重大な犯罪を隠蔽するためだと言われても仕方がないだろう。 1991年12月にソ連が消滅した後、アメリカの軍事と外交を支配しているネオコンはユーゴスラビアを軍事侵攻するが、その際、麻薬業...
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空母で恫喝してもイランは屈服せず、「友好国」は米国から離反しはじめた

空母で恫喝してもイランは屈服せず、「友好国」は米国から離反しはじめた AFCENT(アメリカ中央空軍司令部)は1月25日、数日にわたる即応演習を実施するとに発表した。USSエイブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃群が中東地域へ到着するタイミングに合わせての演習だ。この艦隊で脅せばイランは屈服するとドナルド・トランプ米大統領は信じているのだろうか? アメリカ政府の恫喝にイランが屈するようには見えない。イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は1月27日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と電話会談した際に「アメリカの脅迫と心理作戦はこの地域の安全保障を混乱させることを目的としており、不安定化をもたらすだけだ」と述べたという。 ​イランにとって隣国は友好国だが、もし彼らの領土、空、あるいは海がイランに対して利用されるならば敵対国とみなされるとIRGC(イラン革命防衛隊)海軍のモハメド・アクバルザーデ副司令官は語ったが、SPA(国営サウジ通信社)によると、ムハンマド皇太子は電話会談でペゼシュキアン大統領に対し、アメリカ軍がテヘランを攻撃するために自国の領空や領土を利用すること...
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「平和評議会」設立でトランプの「最終的野望」が分かった!

「平和評議会」設立でトランプの「最終的野望」が分かった!1月22日、少なくとも35カ国がスイスのダボスにおいて「平和評議会憲章」(Board of Peace Charter)に合意した(下の写真を参照)。中央に座るドナルド・トランプ米大統領の満面の笑みからわかるように、平和評議会はトランプ主導で設立されたものであり、今後、国連に代替する組織に変貌する可能性を秘めている。そこで、今回はこの評議会について深堀りし、その深謀遠慮について考えたい。ドナルド・トランプが平和評議会のメンバーに囲まれて、組織の憲章調印式に出席している様子2026年1月22日 Gian Ehrenzeller / EPA / Scanpix / LETA(出所)この記事の全ての写真を見る(全7枚)平和評議会設立までの物語国連安全保障理事会は昨年11月17日、米国が支持する「ガザ紛争終結のための包括的計画」を承認した。同計画に基づく平和委員会の設置を歓迎するとともに、同委員会およびこれと連携する加盟国に対し、ガザに暫定的な国際安定化部隊(ISF)を設置することを承認した。この決議第2803号に付属文書として添付された...
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「世界の真ん中で咲き誇る高市外交」今やいずこ? 世界が震撼する財政悪化震源地「サナエ・ショック」

「世界の真ん中で咲き誇る高市外交」今やいずこ? 世界が震撼する財政悪化震源地「サナエ・ショック」衆議院解散表明をする高市早苗総理(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)高市早苗氏は、昨年10月24日の総理就任所信表明演説で「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」と宣言し、その後の記者会見でもこの言葉をくり返してきた。しかし、11月7日の台湾問題に関する「存立危機事態」発言により日中関係が激しく悪化しただけでなく、1月18日の論考<トランプG2構想「西半球はトランプ、東半球は習近平」に高市政権は耐えられるか? NSSから読み解く>に書いたように、トランプ・習近平によるG2構想が重なり、高市外交の足元が大きく揺らいでいる。それだけではない。1月19日の突然の衆議院解散演説で、高市氏は「(責任ある)積極財政」とともに限定的ではあるものの消費税減税を主張したのだ。野党がみな消費税減税を唱える中、取り残されてはならないと思ったのだろうが、世界は直ぐに財政悪化を懸念してSanae Shock(サナエ・ショック)を一斉に警告し始めた。その影響でトランプはグリーンランドを手に入れる勢いを一時的に失うところに追い...
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トランプのベネズエラ制圧がとどめに~経済ボロボロのキューバでとうとう権力層の内輪もめ、崩壊のカウントダウン始まる

トランプのベネズエラ制圧がとどめに~経済ボロボロのキューバでとうとう権力層の内輪もめ、崩壊のカウントダウン始まるソ連去りし後ベネズエラに対する米軍の軍事作戦の成功によって、キューバは甚大な影響を受けることが予想されている。そもそもキューバ経済はすでに崩壊状態にあり、ベネズエラからのエネルギーの輸血を失うことで、この窮状がさらに激しくなると見ればいい。この記事の全ての写真を見る(全3枚)キューバの主要産業として、歴史的に非常に重要な役割を果たしてきたのが砂糖産業だ。かつては世界最大の生産量を誇ったキューバで、今なお砂糖の栽培面積は、公式には124万4500ヘクタールあることになっている。これは四国のざっと2/3にも相当する膨大な面積だ。だが実際には、もはや砂糖はろくすっぽ生産されていないのが実情である。キューバは最低限の国内需要を満たすだけの砂糖も生産できなくなり、キューバ国内で生産する量よりも多くの砂糖を輸入しなければならないくらいにまで、実際の生産規模は落ち込んでいる。ソ連邦崩壊直前の1989年には、年間800万トンの生産量を誇っていたのに、2025年の段階では、恐らく15万トンくら...
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欧州に広がる「アメリカは敵対国」という本音。グリーンランドを巡るトランプの強硬姿勢が露わにした「西側」の深刻な分裂

欧州に広がる「アメリカは敵対国」という本音。グリーンランドを巡るトランプの強硬姿勢が露わにした「西側」の深刻な分裂トランプ大統領の「グリーンランド領有への意欲」を巡り、非難の応酬状態となっているアメリカと欧州。国際社会を揺るがすこの亀裂は、今後さらに深刻化してしまうのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の「無敵の交渉・コミュニケーション術」』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、欧米分裂の背景にある地政学的思惑と関係各国が抱いている「本心」を解説。さらに「アメリカ抜きの国際秩序」という選択肢が現実味を帯び始めた世界の行方について考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:アメリカ抜きの国際秩序?!‐欧米の分裂が生み出す西洋の終焉と新国際協調主義鮮明になりつつある欧米分裂の気配。「アメリカ抜きの国際秩序」を考え始めた欧州「欧州は『文明の消滅』に直面しており、将来的には米国の信頼できる同盟国としての地位を失う可能性がある」「長期的には、遅くとも数十年以内に、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一部で非欧州系(の住民)が多...
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トランプの7月建国250周年「グリーンランド奪取計画」をスッパ抜く!

トランプの7月建国250周年「グリーンランド奪取計画」をスッパ抜く!来たる2月1日から、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、イギリス、オランダ、フィンランドから米国に輸入されるすべての商品に10%の関税が課される。1月17日、ドナルド・トランプ大統領は自らのSNS(TruthSocial)で、この方針を示した。さらに、6月1日から関税が25%に引き上げられると警告した。この関税は、グリーンランドの買収に関する合意が成立するまで適用される。なお、現在、欧州連合(EU)加盟国からの商品には15%、英国からの商品には10%の関税がかけられている。EU27カ国は単一の貿易・関税圏であるため、一部の国に関税を課すことは、すべての国が新たな貿易税に直面するかもしれない。とくに、この8カ国がやり玉にあがったのは、「目的不明のままグリーンランドへ向かっている」ためとした。しかし、これはごく少人数の派遣にすぎない。たとえば、ドイツは北極圏における海上監視と戦略的軍事協力に焦点を当てた多国籍ミッションの一環として、グリーンランドに連邦軍兵士13名を派遣した(1月15日付の情報を参照)。...
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クルド独立の終わり

クルド独立の終わり2026年1月25日   田中 宇中東のシリアは、2024年末にアルカイダ系の武装組織HTS(レバント解放機構)が決起してアサド政権を倒し、HTSの頭目だったアハマド・シャラアが大統領になって統治している。第二次大戦後にフランスから独立した後の1970年からシリアをずっと統治してきたアサド家の前政権は、わずか2週間で倒された。HTS(などアルカイダ諸派)は決起する前、シリア内戦でアサド政権のシリア国軍と戦って負け続け、トルコ当局が越境支配していたシリア北部のイドリブ周辺に逃げ込んで、トルコ軍(諜報機関、NATO加盟)に守られて半亡命の生活を送っていた。(シリア新政権はイスラエルの傀儡)それがいきなり決起して2週間で圧勝し、アサドをモスクワに亡命させて政権をとったのだから、何か裏があって当然だ。私は、世界でダントツに強い米諜報界を乗っ取ったイスラエル(リクード系)が、HTSをトルコ当局から借り出して傀儡化し、アサドの国軍を倒すためのコツ(軍事諜報)と兵器(NATO製)を与え、政権転覆させたと推測している。2024年末は、リクード系に支援されたトランプが米大統領に返り咲く...
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オープンAI、大学共通テストの解答で満点を取った しかし順風満帆ではない。想定外の空間から障碍が生まれるのだ(宮崎正弘国際情勢)

オープンAI、大学共通テストの解答で満点を取った しかし順風満帆ではない。想定外の空間から障碍が生まれるのだ(宮崎正弘国際情勢)ひとつの衝撃的ニュースだろう。オープンAIが、日本の大学共通テストの解答作業を行ったところ主要9科目、とくに数学系で満点を取った。得点率は97%に達し、米グーグルやアンソロビックの91%平均を上回った。AIが難関大学入学レベルの知識を備え、幅広い事務作業を担える能力を示した。生成AIの進化は加速されており、いずれ人間社会の活動に深く浸透していくことは間違いない。 オープンAIは先行企業だが、追い上げのアンソロピックがグーグルと並んだことも注目されて良いだろう。アントロピックのクロード旋風は生成AIの立ち上げと比較できる。ソフトウェアエンジニアはアンソロピックのクロードに仕事を任せ,またプログラマーは余った時間を「クロード・ベンダー」に費やし、テクノロジー企業はコード作成AIをワークフローに組み込んでいる。1年かかっていた複雑なプロジェクトがアンソロピックを駆使すれば1週間で完了できた。毎日10時間かけて新しいソフトウェアを開発しプログラムによって、キャリアを通...
現代のロシア

ウクライナでロシアに負けたNATO諸国が混乱状態に陥っている

ウクライナでロシアに負けたNATO諸国が混乱状態に陥っている 1991年12月に「唯一の超大国」になったと言われたアメリカは窮地に陥っている。それ以上に厳しい状況になっているのは、そのアメリカに従属していたNATO諸国であり、その後を日本が追いかけている。 そうした中、ドナルド・トランプ米大統領は自国の特殊部隊を使ってベネズエラの大統領を拉致したものの、体制を転覆させることには失敗し、グリーンランドを欲しがってEU諸国を脅したが、反発を受けている。またイランの体制転覆を目指し、イラン国内で反体制デモを仕掛けたが、イラン政府がスターリンクを遮断したことでデモは沈静化、軍事攻撃は中止したようだ。 トランプ大統領は中国に対して経済戦争を仕掛けたが、レアアースの輸出停止という逆襲にあい、和解した。その後、日本の高市早苗首相も中国に喧嘩を売り、同じように逆襲されたが、和解する気配はない。このまま進めば日本の製造業は壊滅的なダメージを受ける。 日米欧は混乱状態だが、そういう状況をもたらした原因はウクライナにおけるロシアの勝利だろう。ロシアが戦っている相手は表面上、ウクライナなのだが、戦争の原因にな...
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トランプの平和評議会はイスラエル覇権機関

トランプの平和評議会はイスラエル覇権機関2026年1月23日   田中 宇トランプ米大統領が1月16日、ガザ戦争の停戦策の第2段階として「平和評議会」の創設を発表した。評議会の構想は昨年9月からあった。35か国が参加し、1月22日にダボス会議の席上で正式に発足した。トランプ自身が評議会の初代会長(総裁)になり、中東その他の諸国の国家元首たちを評議会員にして、ガザだけでなく世界各地の紛争を解決していくことが評議会の目的だと設立要綱に書いてある。会長のトランプは評議会決定への拒否権、参加国の除名権など、絶大な権限を持っている。事務局はトランプの側近群だ。トランプを「世界皇帝」にするための機関にも見える。(Full text: Charter of Trump's Board of Peace)(Board of Peace - Wikipedia)トランプは世界の59か国に平和評議会への参加を求める招待状を出した。米国のほか、サウジアラビア、UAE、エジプト、ヨルダン、トルコ、カタール、モロッコ、パキスタン、インドネシア、ベトナム、モンゴル、カザフスタン、ウズベキスタン、ベラルーシ、アゼル...
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「次はキューバを獲る!」トランプの飽くなき野望の果て

「次はキューバを獲る!」トランプの飽くなき野望の果て「ドンロー・ドクトリン」の狙い昨年12月4日夜、米国政府は「国家安全保障戦略」(NSS)を発表した。米国によるベネズエラのマドゥロ大統領夫妻の「誘拐劇」は、この戦略路線上にある。同戦略はもっとも優先順位の高い地域として、「西半球」(Western Hemisphere)を明示している。これは、米国の外交政策上の核心的利益の確保と深く結びついている。①西半球が米国への大規模な移民を防止・抑制できる程度の安定性と適切な統治を維持することを確保したい、②麻薬テロリスト、カルテル、その他の国際犯罪組織に対して各国政府が我々と協力する半球を望む、③敵対的な外国の侵入や重要資産の支配から自由であり、重要なサプライチェーンを支える半球を望む、④戦略的に重要な拠点への継続的なアクセスを確保したい――という四つがその目標(利益)だ。そのうえで、戦略には「言い換えれば、我々はモンロー主義に対する「トランプ補則」(Trump Corollary)を主張し、実行に移す」とある。この記事の全ての写真を見る(全4枚)この戦略をわかりやすく言えば、①米国に近い隣国...
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イランは転覆されるのか?

イランは転覆されるのか?2026年1月15日   田中 宇以前から反政府運動が断続的に続いてきた中東のイランで、年末から反政府運動が急に強まり、今の政体(イスラム共和国)が作られた1978年イスラム革命以来の激しさになっている。イラン当局は当初、今回の反政府運動に対してわりと寛容だったが、運動家たちが政府などの庁舎に押し入ろうとしたり、公共施設を放火したりするので、当局はこれを政治活動でなくテロ活動とみなして運動弾圧を強め、2週間で2千人が死んだと言われている。イラン国内は年末以来インターネットの接続が遮断され、国内の状況がほとんど世界に漏れてこない。世界に流れている情報は不確実なものだ。イランを政権転覆したいイスラエルと(傀儡の)米トランプ(合わせてリクード系)は、反政府運動を扇動鼓舞しており、流すイラン情報も歪曲している。いろいろ不確実だが、今回の反政府運動がイスラム革命以来の激しさであることは間違いなさそうだ。(Trump urges Iranians to ‘take over institutions’)(Iran ‘prepared for war’)反政府運動や民主化要求...
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偽悪戦略で世界秩序を創造的に破壊するトランプ

偽悪戦略で世界秩序を創造的に破壊するトランプ2026年1月17日   田中 宇年初来、トランプ米大統領が思い切り「世界の悪者」になっている。既存の「リベラル世界秩序(英国系の米単独覇権体制)」にわざと逆らってぶち壊す「偽悪戦略」をやっている。世界最強の覇権国の大統領の「悪事」の連発を、誰も止められない。(Ron Paul: Making Imperialism Great Again?)トランプの「悪さ」を真に受けて本気で怒っている人々は、彼の策略の深さに気づいていない。既存の英国系覇権は、支配維持のため、マスコミなど権威体制を使って人々を洗脳して歪曲した善悪観を信じ込ませてきた。為政者が再選を目指して「善人」であろうとする限り、英国系に従属するしかない。世界を体制転換するには「悪人」になって、軽信的な人類から憎まれるしかない。有権者から憎まれて選挙で落とされるリスクを抱える。だが、トランプはもともと「悪人」を演出している。「悪事」を重ねても国内で人気が落ちにくく、偽悪戦略にうってつけだ。(ベネズエラ支配 成功への道)英国系は戦後ずっと、世界の善悪観の歪曲を続けて覇権に固執し、世界経済...
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トランプG2構想「西半球はトランプ、東半球は習近平」に高市政権は耐えられるか? NSSから読み解く

トランプG2構想「西半球はトランプ、東半球は習近平」に高市政権は耐えられるか? NSSから読み解くトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)ベネゼエラ攻撃は2025年12月5日に発表されたアメリカの国家安全保障戦略(National Security Strategy)(以下NSS)に沿って行われたものだ。NSSではモンロー主義(1820年代)のドナルド・トランプ版である「ドンロー主義」が貫かれている。そこから浮かび上がる「G2構想」は恐るべき現実を日本に突き付けている。その現実に、高市総理的な対中姿勢を軸とした高市政権は持ちこたえられるのだろうか?◆トランプG2構想の基礎にあるのはトランプの「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」発言昨年10月30日に韓国におけるAPEC首脳会談開催中に行なわれた米中首脳会談でトランプ大統領はすでに「米中が世界を二分して統治するG2構想」を表明していた。昨年11月5日の論考<トランプが「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」と発言!>で示したように、トランプは米中首脳会談が始まる1時間ほど前に、自らのSNSであるTrut...