現代の中国

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「トランプ関税」と習近平「漁夫の利」その2 アフリカ編:ゼロ関税で購買欲刺激、太陽光パネル独壇場

「トランプ関税」と習近平「漁夫の利」その2 アフリカ編:ゼロ関税で購買欲刺激、太陽光パネル独壇場2018年 中国アフリカ協力フォーラム(北京)(写真:代表撮影/ロイター/アフロトランプ関税により中国の習近平が「漁夫の利」を得ていることに関して、今回はアフリカを対象として考察する。トランプ1.0(2017年~2021年)のときに激しい制裁を受けた習近平政権は、アメリカを消費対象国としていたことから離脱し、アメリカ以外の国へとシフトしていった。中でもアフリカの購買欲を成長させるという戦略に早くから出ており、それはトランプ2.0の高関税により一気に加速している。たとえばアフリカ53ヵ国に対して「ゼロ関税」を徹底したり、クリーンエネルギーに関してもトランプ2.0では環境問題への配慮を撤廃したので、アフリカ大陸は中国の一人勝ち状況だ。◆習近平はアフリカ53ヵ国に対してゼロ関税を徹底アフリカには54ヵ国があるが、そのうちエスワティニ(元スワジランド)一ヵ国だけが「中華民国」台湾と国交を結んでおり、53ヵ国が中華人民共和国(中国)と国交を結んでいる。中国はその53ヵ国すべてに対して、中国への輸出品に...
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【習近平・プーチン・金正恩】 トランプが会いたい3人が「反ファシスト祭典」で揃う その心は?

【習近平・プーチン・金正恩】 トランプが会いたい3人が「反ファシスト祭典」で揃う その心は?【習近平・プーチン・金正恩】の団結を指をくわえて見ているトランプ大統領(筆者作成 トランプ像は筆者AI作成)9月3日に北京で挙行される「中国人民抗日戦争・世界反ファシスト戦争勝利80周年記念式典」に北朝鮮の金正恩書記も参加することがわかった。中露朝という隣接する「非米陣営」の「巨頭」(独裁政権トリオ?)が一堂に会するのは異例なことだ。皮肉にもこの3人はトランプ大統領が「会いたがっている」リーダー集団でもある。おまけに「反ファシスト戦争勝利」と言うなら、旧ソ連を別とすれば、アメリカやドイツ・イタリアを除いたヨーロッパなど西側諸国が勝利者の主人公のはずではないか。その「世界反ファシスト戦争勝利80周年記念式典」に勝利者が参加せず、「反ファシスト戦争」が終結した4年後に誕生した「中華人民共和国」が主人公となって「反ファシスト戦争勝利記念」で巨大な「非米陣営」の塊を形成していく。これをどう読み解くのか、【習近平・プーチン・金正恩】3者それぞれの思惑を、トランプ大統領の位置との関係において考察する。これを...
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日本政府が中国の抗日行事に「参加自粛」呼びかけたのは賞賛すべき もう一歩進んで具体的理由を示すべきか

日本政府が中国の抗日行事に「参加自粛」呼びかけたのは賞賛すべき もう一歩進んで具体的理由を示すべきか中国 抗日戦争勝利80周年軍事パレードのリハーサル(写真:ロイター/アフロ)8月24日、日本の共同通信は<中国の抗日行事に「参加自粛を」 日本政府、各国に呼びかけ>という見出しでハッとするような報道をした。日本政府が「遺憾砲」以外に、こうして具体的に「参加自粛」を欧州やアジア各国に外交ルートを通して呼びかけたことなど、未だかつて聞いたことがないように思う。正直、「石破政権、なかなかやるじゃないか」と思った。可能ならば、なぜ「抗日行事」が始まったのかを直視し、中国共産党が持つ決定的な弱点と虚偽を、静かに示せるようにしてほしいと切望する。毛沢東はただの一度も「抗日行事」を開催したことがないが、1995年に江沢民が「抗日行事」を全国化して以来、反日感情は逆行して燃え盛り、それがまた日本の若者に反中感情を植え付ける原因の一つになっている。この悪しきサイクルという負の遺産を子々孫々にまで残さないようにするのは、まだ現実を知っているわれわれ世代の義務だと思う。そうしないと、いつかこの負の感情の連鎖が...
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「トランプ関税」と習近平「漁夫の利」 その1:接近する中印

「トランプ関税」と習近平「漁夫の利」 その1:接近する中印インドのモディ首相と中国の習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)トランプ大統領は非常事態宣言をすることによって米議会を通さずにSNSと大統領令に基づいてのみ対米貿易相手国に高関税を宣言してきた。7月31日の大統領令では「中国以外の対米貿易国に対する関税」を公表。8月7日から実施されている。中国だけが優遇されて関税賦課猶予期間を11月10日まで延期されているのは、たとえば4月13日の論考<米軍武器の部品は中国製品! トランプ急遽その部品の関税免除>や4月16日の論考<中国最強カードを切る! 「米軍武器製造用」レアアース凍結から見えるトランプ関税の神髄>に書いたように、米軍の武器が中国製部品や中国産のレアアースなしでは製造できないという事実があるからだろう。習近平の機嫌を損ねるわけにはいかない。その習近平は「トランプ関税」が全世界の対米貿易相手国を対象としているために、「漁夫の利」を得ている。本シリーズでは「漁夫の利」を得ている対象を大きくいくつかに分けて、詳細に考察していきたい。「その1」はまずインドを対象とする。◆50%高関税...
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なぜ中国とインドは“急接近”したのか?「トランプ関税」と「米国の印露貿易への牽制」が背中を押した皮肉

なぜ中国とインドは“急接近”したのか?「トランプ関税」と「米国の印露貿易への牽制」が背中を押した皮肉世界の主要メディアでも大きく報じられた、習近平国家主席のチベット自治区訪問。中国中央政府と同自治区との間には「微妙な関係」が存在することは周知の事実ですが、習主席がこの地を訪れた背景にはどのような事情があるのでしょうか。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では著者の富坂聰さんが、その裏側に中印関係の改善があると指摘。さらに両国の接近を後押しした要因を読み解いています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:国家主席のチベット訪問を可能にした中国とインドの接近中国とインドが急接近。習近平のチベット訪問を可能にした遠因8月21日、習近平国家主席が西蔵(チベット)自治区の拉薩(ラサ)市を訪れた。西蔵自治区成立60周年に合わせ、ポタラ宮広場での60周年祝賀大会に出席するためだ。同行した王滬寧中共中央政治局常務委員(全国政協主席、中央代表団団長)は演説のなかで、「西蔵は全国と共に貧困脱却の難関攻略戦に勝利し、小康社会を全面的に完成させ、経済・社会発展...
現代の中国

EVと同じ流れになるのか。他国が批判ばかりしている間に中国が世界を席巻しかねないヒューマノイド・ロボット市場

EVと同じ流れになるのか。他国が批判ばかりしている間に中国が世界を席巻しかねないヒューマノイド・ロボット市場様々な分野で日本を大きく引き離し、今やアメリカと対等に張り合うまでの大国化を果たした中国。そんな隣国の後塵を、またも日本は拝すことになりかねないのが現状のようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では著者の富坂聰さんが、中国のヒューマノイド・ロボット開発の現場を訪れた際に感じざるを得なかった「日本の存在感の低下」を記すとともに、今後のロボット市場の展開を予測しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:中国、EVの次はヒューマノイド・ロボットへの殺到となるのか 生産現場を覗いてみたヒューマノイド・ロボット市場でも完敗か。すでに量産体制に入った中国に太刀打ちできなくなる日本もう10年以上前のことだろうか。政治家の主催する勉強会に出席したときに、話題が「次の時代の日本の強みをどう確保するのか」になった。そのとき真っ先に名前が挙がったのが、環境技術とロボットだった。対中国でも、まだまだ強みが生かせると。8月中旬に中国を訪れ、その...
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トランプ「半導体に100%の関税」 追い上げる中国製半導体

トランプ「半導体に100%の関税」 追い上げる中国製半導体米中半導体産業(写真:ロイター/アフロ)トランプ大統領は8月6日、「海外から米国が輸入する半導体に約100%の関税を課す」と表明した。但し「米国内で生産を約束している場合あるいは米国内ですでに生産中の場合は、関税は課されない」という条件が付いている。目的は「米国における半導体産業を復活させること」なのだが、海外からの輸入を喰いとめて、海外の半導体企業を(力づくで)米国に移転させ米国で半導体を製造させることによって「米国の半導体産業を復活させる」などというのは、いかにも邪道ではないだろうか。エンジニアがいるわけではないので雇用拡大にはつながらないし、エンジニアが育つまでには何年もかかる。高い人件費と「労働環境に不満があったらストをする」という文化の中で米国製造業が復活する見込みは小さい。その一方で、中国製半導体は量的に世界の市場を席巻するだけでなく、質的にも中国の市場を奪いつつある。「半導体100%関税」は中国に有効かを考察する。●米中逆転した「世界の半導体生産シェア」まず、世界の半導体生産における米中のシェアの推移を見てみよう。...
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台湾総統のニューヨーク立ち寄りを拒否したトランプ政権の顛末 「米中台」三角関係を読み解く

台湾総統のニューヨーク立ち寄りを拒否したトランプ政権の顛末 「米中台」三角関係を読み解く頼清徳総統(写真:ロイター/アフロ)フィナンシャル・タイムズ(FT)は7月28日、「習近平国家主席との会談予定や米中貿易合意に向けての交渉のさなか、トランプ大統領は習近平との関係を重んじて、頼清徳総統が8月にニューヨークに立ち寄るのを拒否した」と報道した(登録、有料)。中国側の猛烈な抗議を配慮した結果だという。すると、「トランプは中国大陸を重んじて台湾をないがしろにした」と、台湾メディアは燃え上がった。特に「なにも、頼清徳に世界大衆の面前で恥をかかせることはないだろう。なぜそれをマスコミに流してしまったのか」と大荒れで、頼清徳は「もともと予定していた(と言われている)8月の南米訪問は、そもそも存在していなかった」という形で「屈辱」をかわそうとしている。そのことが台湾メディアをいっそう掻き立て、頼清徳は「笑いもの」の的になっているのが現状だ。アメリカのペロシー元下院議長もトランプの決断を激しく攻撃。それも含めて台湾メディアは面目を失った頼清徳を追い詰めていた。ところが一転。7月29日になると、米国務省...
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習近平「デジタル監視力」とプーチン「秘密工作」の絶妙なコンビネーション。中露が混乱極まる国際社会で推し進める“裏工作”の標的は?

習近平「デジタル監視力」とプーチン「秘密工作」の絶妙なコンビネーション。中露が混乱極まる国際社会で推し進める“裏工作”の標的は?混迷を極める国際社会にあって、その関係をますます深めつつある中国とロシア。そんな両国が「一致する思惑」実現のため、互いの強みを融合させた裏工作を推し進めていることは疑いようのない事実のようです。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、中ロによる「見事な連携」の全貌を紹介。さらに現在同時に進行する2つの戦争の早期解決を困難にしている背景を解説しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:戦争・紛争の連鎖の危険性と国際情勢のメインプレイヤーたちの思惑紛争の背後に透ける中ロの思惑。習近平とプーチンが進める「裏工作」に翻弄される世界「ウクライナ戦争においてロシアの敗北を見たくない」これは中国の王毅外相が訪欧時にEUのカラス外交安全保障上級代表との会談で語ったと言われている内容です(CNNやBBCのみならず、新華社でも同様の内容が報じられました)。「こ...
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習近平失脚説 噂とフェイクと報道 PartⅢ―胡春華の巻

習近平失脚説 噂とフェイクと報道 PartⅢ―胡春華の巻習近平国家主席(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)習近平失脚説に関して、もう一つ解明しなければならない問題がある。それは(共青団出身の)胡春華が習近平に代わってトップに躍り出るだろうという「噂」と「期待」と「もっともらしい裏付け」だ。その裏付けは「6月23日に開催された全国政治協商会議常務委員会の開幕会(≒開幕式)の司会を胡春華がした」という事実を、「胡春華が常務委員会を主催した」と誤解釈したことから始まる。そのため「遂に胡春華が表舞台に躍り出て、習近平に成り代わる」というイメージの解説が、日本でも一定のレベルのチャイナ・ウォッチャーから泉の如く湧きあがり、習近平失脚説を強固なものへと創り上げることに貢献している。その誤解を招く根本にあるのは7月14日の論考<習近平失脚説 噂とフェイクと報道のフローチャートPartI>(以後、PartⅠ)や7月17日の論考<習近平失脚説 噂とフェイクと報道のフローチャートPartⅡ>(以後、PartⅡ)でご説明した拡散フローチャートだが、さらに胡春華に関しては、2022年10月の第20回党大会にお...
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豪州内で上がる「中国接近に強い警戒」の声。それでも豪首相が習近平の存在感を重視せざるを得ない理由

豪州内で上がる「中国接近に強い警戒」の声。それでも豪首相が習近平の存在感を重視せざるを得ない理由2018年から約4年続いたモリソン政権下を含め、中国に対して強行姿勢を貫いてきたオーストラリア。そんな豪中関係に変化の兆しが見えてきたようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では著者の富坂聰さんが、7月12日から6日間に渡り中国を訪問したアルバニージー豪首相の現地での発言内容を紹介。前政権時には考えられなかった豪政権の対中政策の転換を、「国民の生活を考えれば自然な選択」としています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:オーストリア首相訪中で強調された中国経済への強い依存「中国と前向きで建設的な関係を築くことが重要」。豪州首相の訪中で強調された中国経済への強い依存台湾有事で米中が軍事衝突した場合、どのような役割を担うか、明確化せよ──。これはアメリカ国防総省ナンバー3のエルブリッジ・コルビー国防次官が日本とオーストリアに対し突き付けた問いだ。英『フィナンシャルタイム』(FT)が7月12日に報じた。アメリカの台湾防衛に関する態度はあいまい...
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習近平失脚説 噂とフェイクと報道のフローチャートPartⅡ

習近平失脚説 噂とフェイクと報道のフローチャートPartⅡ米LAで反中デモの瞑想をする法輪功信者(学習者)(写真:ロイター/アフロ)本稿では、7月14日の論考<習近平失脚説 噂とフェイクと報道のフローチャートPartI>(以後、PartⅠ)の続きを書く。PartⅠの最後に書いたように、7月8日のTBSの<「中国で権力の移行が起きている」”独裁”強めた習主席”失脚”あるのか【7月8日(火)#報道1930】|TBS NEWS DIG>が土台としていた台湾の沈明室氏は、毎日のように法輪功のメディアである大紀元と接触をしていたことがわかった。また7月8日の中央日報の長老は政治介入、側近は要職から排除…習近平氏“秩序ある退陣説”(2)(中央日報日本語版) – Yahoo!ニュース(7月16日の午後の時点で全面削除)では、大紀元の情報をニュースソースにしている記述が多く、フェイクXを発信している「時代媒体」も大紀元を大絶賛している。著名人であるマイケル・フリンは頻繁に大紀元の番組に出演し、そのたびに自身のXで大紀元への感謝を述べている。日本のメディアあるいはチャイナ・ウォッチャーが、これら大紀元の...
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ロシアと中国のトップ外交官が会談

ロシアと中国のトップ外交官が会談モスクワの外務省によると、セルゲイ・ラブロフ外相と王毅外相は二国間協力と地政学的な問題について協議した。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と中国の王毅外相、2025年7月13日、中国・北京にて。©  ロシア外務省ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は日曜日、中国の王毅外相と北京で会談し、緊密な協力や世界的な課題について話し合ったと、モスクワ外務省が声明で発表した。この会談は、天津で開催される上海協力機構(SCO)外相理事会に先立って行われた。同省はプレスリリースで、両大臣は両国の包括的パートナーシップの進展や、SCOの次回会合とその議題に満足の意を表したと述べた。声明によると、ラブロフ外相と王毅外相は米国との関係、そして国連憲章に基づくウクライナ紛争の解決の見通しについても協議した。両外相は朝鮮半島の緊張とイスラエル・イラン紛争についても言及した。両外交官は、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が5月にモスクワで会談した際に交わした合意の実施について詳細に議論した。続きを読む:国防総省、中国問題で日本とオーストラリアに圧力 – FT中国外務省は日曜の声明で...
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習近平失脚説 噂とフェイクと報道のフローチャートPartI

習近平失脚説 噂とフェイクと報道のフローチャートPartI習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)巷では、習近平失脚説あるいは早期引退説が流れている。その根拠として、 根拠1:BRICS首脳会議を欠席したくらいだから健康状態が良くない 根拠2:中共中央軍事委員会委員の欠員は習近平弱体化の象徴 根拠3:「中共中央政策決定議事協調機構工作条例」を審議することにより習近平自身の権力を制限などが挙げられている。この説を象徴するような番組が日本で報道されているのをネットで知った。7月8日にTBSで報道された<「中国で権力の移行が起きている」”独裁”強めた習主席”失脚”あるのか【7月8日(火)#報道1930】|TBS NEWS DIG>だ。同じ7月8日にテレ朝(ワイド!スクランブル)でも類似の報道があったようで(知人からの知らせ)、同日、韓国の「中央日報」も、長老は政治介入、側近は要職から排除…習近平氏“秩序ある退陣説”(1)(中央日報日本語版) – Yahoo!ニュースと、長老は政治介入、側近は要職から排除…習近平氏“秩序ある退陣説”(2)(中央日報日本語版) – Yahoo!ニュースを連続発信...
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習近平、BRICS欠席して抗日戦争「七七事変」を重視 百団大戦跡地訪問し「日本軍との共謀」否定か

習近平、BRICS欠席して抗日戦争「七七事変」を重視 百団大戦跡地訪問し「日本軍との共謀」否定か中国人民抗日戦争記念館(写真:ロイター/アフロ)7月7日は盧溝橋事件の日だ。1937年7月7日に北京の西南方向にある盧溝橋において日本軍と中国国民党軍との間で起きた衝突事件で、中国では「七七事変」と呼ぶ。今年は抗日戦争勝利80周年であることから、習近平国家主席としては抗日戦争に関わる行事を最優先として動いている。そのため日程が重なってしまったBRICS首脳会談を欠席したのだが、どうやら日本には、たとえば<中国・習近平、BRICSサミット欠席の謎…健康不安説が再燃、相次ぐ幹部の失脚・失踪で権勢弱まり早期引退か>といった「期待」を込めた論考さえあり、驚くばかりだ。習近平がBRICS首脳会議を李強首相に任せて「七七事変」を重んじた事実には深い背景があり、日本人はその背景を知ることによってこそ、中国あるいは習近平の真の姿を炙(あぶ)り出すことができる。「百団大戦」は、毛沢東が日本軍と共謀して、蒋介石率いる国民党軍を弱体化させるべく密かに指示していた方針に逆らって、本気で日本軍と戦った八路軍の大規模戦...
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習近平の奇策か パキスタンを使い「トランプをノーベル平和賞候補」に推薦してイラン攻撃を阻止させる?

習近平の奇策か パキスタンを使い「トランプをノーベル平和賞候補」に推薦してイラン攻撃を阻止させる?習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)トランプ大統領がイスラエルを支援してイラン攻撃に参加するか否かに関して世界の関心が集まっている。習近平国家主席はプーチン大統領と電話会談をして「外交努力を」と通り一遍のことを言うのがせいぜいのところだろうと思う人が多いだろうが、どうやら、とんでもない「手」を打っているようだ。先のインド・パキスタン戦争で、「トランプが停戦をさせた」ような話が出ていたが、実はインドが使ったフランス製の戦闘機が、パキスタンが使った中国製の戦闘機に惨敗している。ところが習近平はこれを逆手に取って、「インド・パキスタン戦争を中止させたのはトランプだ」として、パキスタンに「トランプにノーベル平和賞を!」という売れ込みで、「ノーベル平和賞受賞候補者」に持ち込んで、トランプによるイラン攻撃を阻止させようと企てているようなのだ。◆パキスタン政府はトランプを「ノーベル平和賞推薦」と発表6月21日、午前5:30、パキスタン政府@GovtofPakistanは、「ドナルド・J・トランプ大統...
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「台湾有事は日本有事」という誤解。日米が介入すれば「日本有事になってしまう」だけという理屈が分からぬ人々

「台湾有事は日本有事」という誤解。日米が介入すれば「日本有事になってしまう」だけという理屈が分からぬ人々いつ起きてもおかしくないと叫ばれ続けて久しい台湾有事。5月末にはアメリカのへグセス国防長官が国際会議の席上、「その際」の軍事介入を示唆したことが大きく報じられました。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、ヘグセス氏の発言を「粗雑極まりない」と一刀両断。その上で、「台湾有事は日本有事」なる言説がどれだけナンセンスであるかを解説しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:ヘグセス国防長官の粗雑な「中国脅威論=台湾有事論」にはウンザリだ/『軍事研究』7月号を読め!プロフィール:高野孟(たかの・はじめ)1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE ...
現代の中国

もはや中国「レアアース外交」は通用せず。日本が深海採掘で世界2位の供給国に躍り出る日=勝又壽良

もはや中国「レアアース外交」は通用せず。日本が深海採掘で世界2位の供給国に躍り出る日=勝又壽良米中が関税交渉で一度は合意した裏で、中国の「最後の切り札」であるレアアースをめぐる駆け引きが再び激化している。中国は、希土類の輸出を武器に、軍事的・経済的な優位を維持しようと躍起だ。しかし、レアアースの世界地図は大きく書き換わろうとしている――。日本の南鳥島沖に眠る“超高濃度レアアース泥”が、いよいよ採掘フェーズに突入しつつあるのだ。米中の資源ゲームに割って入る日本、その地政学的なインパクトとは?(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良)【関連】夢に終わる韓国「半導体超強大国」戦略。日本から盗めなかったシステム半導体に“世界シェア3%”の壁=勝又壽良プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。米中、「6ヶ月期限」つきの合意へ…米中両国は、5月にスイスで関税紛争をめぐり合意に達した。それもつか...
現代の中国

習近平は動かず。トランプの「ハーバード大留学生資格取り消し」という人材確保の好機に中国が手を出さぬ奇妙

習近平は動かず。トランプの「ハーバード大留学生資格取り消し」という人材確保の好機に中国が手を出さぬ奇妙5月22日、突如としてハーバード大学の留学生受け入れ資格の取り消しを発表したトランプ政権。これを受け、東京大学をはじめ各国の名門大が行き場を失った留学生への学びの場の提供を表明していますが、中国は目立った動きを見せていないのが現状です。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では著者の富坂聰さんが、中国政府が「露骨な動き」を取らない理由を解説。さらに習近平政権がこれまで着々と進めてきた人材獲得計画を詳しく紹介しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:トランプ政権の前に立ちふさがる司法の壁との闘いが中国に吹かせる追い風トランプのオウンゴール。司法の壁との闘いが中国に送る追い風関税をめぐる交渉が続く中、トランプ大統領と司法の確執が国内で激しさを増している。一つは恩赦だ。話題は、詐欺の共謀で2022年に長期実刑判決を受けた元リアリティー番組出演者の夫妻、トッド・クリスリー受刑者とジュリー・クリスリー受刑者への恩赦とフロリダで医療保健会社を...
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ハーバード大留学生を速攻で獲得しようと動く中国 全世界の対米留学ビザに規制を拡大する米国

ハーバード大留学生を速攻で獲得しようと動く中国 全世界の対米留学ビザに規制を拡大する米国中国のネットで流行っている「川建国」(トランプが中国を再び建国させる)のイラスト。革命的青年と共に毛沢東のスローガンの一つであった「社会主義新農村を建設しよう」と書いてある。5月22日、米政権がハーバード大学にいる留学生や訪問学者を大学から追放し、同大学の留学生および訪問学者の受け入れ資格を取り消すと宣言すると、中国は素早く動いた。香港やマカオの大学にハーバード大学にいる留学生を破格的な好条件で受け入れると宣言させたのだ。すでに数十名のハーバード大留学生からの問い合わせが来ていると香港メディアは伝えている(国籍は不明)。中国のネットでは、「トランプが中国を再び建国させる」という意味の「川建国」(川はトランプ=川普の意味)が再登場し、トランプ政権の留学生追放を大歓迎している有り様だ。一方、5月27日、米メディアのPOLITICOは「マルコ・ルビオ国務長官が署名した電報によると、学生ビザ申請者のための新しい面接を一時停止するように全世界の米国大使館と領事部に命じた」とのこと。「人材奪取に奔走する中国」と...