
オープンAI、大学共通テストの解答で満点を取った しかし順風満帆ではない。想定外の空間から障碍が生まれるのだ(宮崎正弘国際情勢)

ひとつの衝撃的ニュースだろう。
オープンAIが、日本の大学共通テストの解答作業を行ったところ主要9科目、とくに数学系で満点を取った。得点率は97%に達し、米グーグルやアンソロビックの91%平均を上回った。AIが難関大学入学レベルの知識を備え、幅広い事務作業を担える能力を示した。生成AIの進化は加速されており、いずれ人間社会の活動に深く浸透していくことは間違いない。
オープンAIは先行企業だが、追い上げのアンソロピックがグーグルと並んだことも注目されて良いだろう。アントロピックのクロード旋風は生成AIの立ち上げと比較できる。ソフトウェアエンジニアはアンソロピックのクロードに仕事を任せ,またプログラマーは余った時間を「クロード・ベンダー」に費やし、テクノロジー企業はコード作成AIをワークフローに組み込んでいる。1年かかっていた複雑なプロジェクトがアンソロピックを駆使すれば1週間で完了できた。毎日10時間かけて新しいソフトウェアを開発しプログラムによって、キャリアを通じて培ってきた専門知識が簡単に再現できるのは畏敬と同時に悲しみである。
オープンAIは幅広いグローバルな消費者ユーザー基盤を持ち、ユーザー総数も多い。他方、アンソロピックの経営方針は『会員限定』ビジネスで、企業顧客に重点を置いている。
しかし順風満帆ではない。想定外の空間から障碍が生まれるのだ。
1月19日、メタは「16歳未満へのソーシャルメディア禁止措置」を再考するため、54万4000件以上の豪州アカウントをブロックしたと報告した。オーストラリアは2025年12月10日からメタ、TIKTOK、ユーチューブなどに、未成年者のアカウント保有禁止を義務付け、措置を取らなかった場合、4,950万オーストラリアドル(3,300万米ドル)の罰金が科せられる。
マーク・ザッカーバーグのメタは、「12月11日までの1週間で、インスタグラムから33万1000件、フェイスブックから17万3000件、スレッドから4万件の未成年者のアカウントを削除し、法律を遵守することに尽力している」と言明した。
イーロン・マスクの「X」は、女性や子供の性的な写真を生成したことに反発が起きたため、AIチャットボット「Grok」が実際の人物の裸の画像を生成できないようにする対策を発表した。 Xは、「ビキニ、下着、および類似の服装」をした人物の画像を作成する「能力」をブロックする」とし、 「Grokアカウントでビキニなどの露出度の高い服を着た実在の人物の画像を編集できないようにする」
欧州委員会は、「グロックが女性や子供の性的画像を作成することを禁止するためにXが講じている追加措置」を監視している。
技術の悪用もまた加速度的でXのGrokユーザーが「彼女にビキニを着せなさい」や「彼女の服を脱がせなさい」と女性や子供の性的なディープフェイクを作成できるようになっていた。
フランス規制当局、パリの非営利団体AIフォレンジックがGrokで生成された2万枚以上の画像を分析し半分以上が「最小限の服装をした人物」を描いており、そのほとんどが女性だと発表した。
インドネシアはグロクへのアクセスを全面的に遮断した、マレーシアも続いた。インドは、X社が苦情に応じて数千件の投稿と数百件のユーザーアカウントを削除したと発表した。
英国のメディア規制当局も1月19日から「X社が性的画像に関して英国法を遵守していなかったかどうかの調査を開始する」と発表した。
ビッグテックに対して、意想外の急発展、これも技術の暴走なのか。



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