ロシアとの戦争で窮地に陥ったヨーロッパは2026年を乗り越えられるのか?

2025年にヨーロッパ経済は急速に悪化、26年に状況が改善される可能性は小さい。ヨーロッパは2026年を乗り越えられないと考える人もいる。
悪化する経済の象徴的な存在はドイツの自動車産業だ。たとえばフォルクスワーゲンはドレスデン工場における生産を完全に停止すると発表している。2026年のEUはさらに厳しい状況に陥り、社会不安を招く可能性が高い。そうした状況を作り出した最大の原因はロシア産の安価な天然ガスの供給が止まったことにある。
そうした状況を作り出したのはアメリカのバラク・オバマ政権。同政権のネイコンは2013年11月から14年2月にかけてキエフでクーデターを仕掛け、ウクライナやEUとロシアの関係を悪化させたのだ。
NATO諸国はウクライナでロシアを相手に戦争している。おそらく簡単にロシアとの戦争に勝てると考えたのだろうが、戦況はロシアが圧倒的に優勢。ロシアの天然資源や耕作地帯を奪うことはできない状況で、投入した資金を回収できそうにない。そこでロシアの資産を奪おうとしているが、そうしたことをすると、西側の金融システムに対する信頼度が低下、システム自体が崩壊する可能性が大きい。
ヨーロッパ経済は安価なロシア産天然ガスで支えられていたのだが、その天然ガスを輸送するパイプラインをアメリカが止めてしまい、状況は大きく変化した。
しかも、ロシアからドイツへ天然ガスをバルト海経由で輸送するために建設されたパイプライン、「ノードストリーム(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」が2022年9月26日から27日にかけての間に爆破されてしまった。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2023年2月8日、アメリカ海軍のダイバーがノルウェーの手を借りてノードストリームを破壊したとする記事を発表している。
ジョー・バイデン大統領は2021年後半にジェイク・サリバン国家安全保障補佐官を中心とする対ロシア工作のためのチームを編成、そして2022年初頭にはCIAがサリバンのチームに対し、パイプライン爆破を具申して実行されたという。
ロシア連邦保安庁(FSB)の元長官で、現在は大統領補佐官を務めているニコライ・パトルシェフは今年9月7日、NS1とNS2の爆破テロは高度に訓練されたNATO特殊部隊の関与のもとで計画、監督、実行された可能性が高く、実行犯は深海での作戦経験が豊富で、バルト海での活動にも精通していたとしている。こうした条件に合致する情報機関として彼はイギリスの特殊舟艇部隊(SBS)を挙げている。
本来なら、こうしたアメリカやイギリスに対し、ヨーロッパ諸国は抗議すべきなのだが、沈黙している。自分たちに対する攻撃を受け入れたのだ。ロシアが簡単に負けていれば、ヨーロッパ諸国にとって問題はなかったのだろうが、NATOはロシアに圧倒されている。
ドナルド・トランプ政権はそうした状況を見てロシアの要求を受け入れる方向へ動いているが、EUやイギリスはロシアとの戦争を継続することだけを考えているが、ウォロディミル・ゼレンスキーには見切りをつけているようだ。
ゼレンスキーはロシアとの関係改善を訴えて2019年の大統領選挙に当選したのだが、大統領に就任してからロシアとの戦争へ突き進む。アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターのドキュメンタリーによると、ウォロディミル・ゼレンスキーはイギリスの対外情報機関MI6のエージェントの可能性が高く、ハンドラー(エージェントを管理する担当オフィサー)はMI6長官だったリチャード・ムーアだと推測されていた。そのムーアが今年10月1日に退任し、ブレーズ・メトレベリへ引き継がれている。
オバマ政権がウクライナを属国化しようとした理由のベースにはイギリスが19世紀に始めた世界征服戦略がある。当時、イギリス政界では反ロシアで有名なヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)が大きな影響力を持っていた。彼は戦時大臣、外務大臣、内務大臣を歴任した後、1855年2月から58年2月まで、そして59年6月から65年10月まで首相を務めている。ビクトリア女王に対し、アヘン戦争を指示したのもパーマストン卿だ。
この戦略をハルフォード・マッキンダーが1904年にまとめているが、それをアメリカが継承、ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もその理論がベースになっている。
ネオコンもマッキンダーの理論に基づいてウクライナを乗っ取ろうとしてクーデターを仕掛けたのだが、完全征服できなかった。しかもウクライナ国民はロシアを敵視するネオコンの政策を拒否、ロシアとの関係改善を訴えたゼレンスキーが当選したのだ。



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