JOG(1478) サッカーワールドカップ・森保一監督が国歌に涙し、「目標世界一」にこだわる理由

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JOG(1478) サッカーワールドカップ・森保一監督が国歌に涙し、「目標世界一」にこだわる理由
「私が世界一になりたいと思ういちばんの理由は、日本と日本人の誇りのためです」 ■転送歓迎■ R08.06.28 ■ 85,133 Copies ■ 9,505,628Views■ 過去号閲覧: 無料受講申込み: __________ ■■■ YouTube版国際派日本人養成講座 ■■■ ■JOG(727) アメリカの対日先制爆撃計画  真珠湾攻撃の1年も前から、…

JOG(1478) サッカーワールドカップ・森保一監督が国歌に涙し、「目標世界一」にこだわる理由

「私が世界一になりたいと思ういちばんの理由は、日本と日本人の誇りのためです」

■1.「目標は優勝」と明言し「国歌に涙」する森保一監督

伊勢: サッカーのワールドカップの熱戦が続いているね。

花子: ええ、ウチでは皆揃ってテレビで日本チームを応援しています。

伊勢: 僕は森保一(もりやす・はじめ)監督に注目しているんだ。森保監督は、メディアのインタビューなどで「目標は優勝」「世界一をしっかり視野に入れて挑む」と口にしている。世界一という目標を明言した日本代表監督は、これまでで初めてなんだね。

花子: でも、日本チームはまだベスト8にも入ったことがないんですよね?

伊勢: そうなんだ。ベスト8に入った事もないチームなら、普通の目標は「今度こそベスト8入りを目指します」だろう。それがなぜ、「目標は世界一」と言い出したのか、不思議に思っていたんだ。

 もう一つ森保監督に注目したのは、開幕の対オランダ戦で、国歌・君が代が演奏されていた時に、涙を流している姿がテレビに映っていたことだ。

花子: どうして涙を流していたんでしょう?

伊勢: それが気になって、森保監督の対談本『日本のために!』を読んでみたら、この二つが結びついているのが分かったんだよ。

■2.「世界一になりたい理由は、日本と日本人の誇りのため」

伊勢: この本の冒頭で、森保監督はこう明言しているんだ。
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私が世界一になりたいと思ういちばんの理由は、日本と日本人の誇りのためです。[森保、p12]
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花子: どういう意味なんでしょう?

伊勢: この本では、「自国民であることの誇り」についての国際比較調査の結果が紹介されている。そこでは日本は誇りを「あまり感じない」「全く感じない」という人が30%近くも占めていて、調査対象となった58カ国中で56位という低い順位だったんだ。

花子: そんなに低いんですか!

伊勢: だから森保監督は、こう言っているんだ。
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ワールドカップは、国の誇りをかけて国民が一丸となって挑む大会です。その機会を活かしその頂点に立つことで、あるいは頂点を目指して一丸となって挑むことで、日本人がひとつになり、自分の国について誇りを取り戻すことができたらうれしいし、そうしたいと思っています。[森保、p15]
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花子: なるほど、そういう思いがあったんですね。でも、サッカーでの世界一って、そんなに大きな意味を持つんですか?

伊勢: それはね、サッカーが世界で最もグローバルなスポーツだからだ。国際サッカー連盟(FIFA)に加盟している国と地域は211もある。国連の加盟国数193カ国よりも多いんだ。

 だから、グローバル・スポーツの頂点にあるサッカーで世界一になれば「世界で頑張っている日本人が誇らしく胸を張ることができると思う、だから世界一になりたいんだ」と森保監督は言っている。

 もう一つ、涙を流す理由を聞かれて、あるスポーツ新聞のインタビューではこう語っている。
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国歌を歌って試合ができるというのは、日本人である誇りと喜びがあふれてきて。歌っている時は日本人で良かったと、ここから試合で全てをぶつけたいという思いで涙が出てきます。[スポニチ]
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花子: 森保監督がそんなに深い思いを持って挑んでいたとは知りませんでした。日本チームの試合を見る目が変わりそうです!

■3.「世界一」は荒唐無稽?

花子: でも森保監督が「世界一」と言ったとき、周りはどんな反応だったんですか?

伊勢: 世間では「まだ決勝トーナメント1回戦進出が精いっぱいなのに、優勝なんて夢のまた夢」、荒唐無稽だといわんばかりの反応もあったんだ。

花子: そうですよね、私も最初はそう思いました。実際、ベスト8にも進めていないんですから。

伊勢: そうなんだ。本大会では決勝トーナメントに進んでも1回戦で敗退ということが4度あって、どうしてもベスト8には進めない状態が続いていたんだ。

 確かに最近は海外のリーグで活躍する日本人選手も増えてきた。欧州5大リーグでプレーする日本人選手は26人もいる。個々の選手の実力アップは確かにある。でも、その延長線上で考えたら、「次はベスト8進出」というのが、普通の人の目標設定だろう。

花子: では、なぜ森保監督は「優勝」と明言したんですか?

伊勢: それが、8年という長期にわたって代表監督を務める中で、こんな発見があったというんだ。
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それはこのチームに日本らしさが加わったら、間違いなく優勝が見えるということです。[森保、p16]
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■4.「個の力」+「日本人らしさ」

花子: その「日本らしさ」って、どういうことですか?

伊勢: 森保監督はこう説明している。
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 肉体と肉体をぶつけながら90分走り続けるという過酷な環境で勝つためには、時には文化が必要なんです。ピッチの上で疲労困憊したときに最後に残るのはそれだからです。

世界標準の個の強さを備えたうえで、日本人しか持っていないもの、粘り強く組織で戦うとか、チームメイトの置かれた状況を察しながら連係・連動していくとか、最後まで諦めないとか、チームのために自己犠牲も厭わないとか、そういう日本人らしい心の動かし方が加わったら、日本は本当に強いんです。[森保、p17]
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花子: なるほど、技術だけじゃなくて、心の部分が大事なんですね。

伊勢: そうなんだ。サッカーは、広いコートを90分も、時には全力で走り続け、1試合平均で走り回る距離は10キロを超える。しかも各ポジションは決まっていても、それを超えて、ボールの行方や試合の状況によって、走り回らなければならない。

花子: そのサッカーで「日本らしさ」が強みを発揮する、ということですか?

伊勢: まさにそうなんだ。森保監督はこうも言っている。
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日本人自身は気付いていないかもしれませんが、大変な能力です。こういう力を備えた人間が当たり前にいる国を私は知りません。海外ではそういうチームができたらどんなにいいだろうとみんなが思っているけれど、にわか仕込みで教えてもできるものではないんです。だからここは日本の圧倒的な強みです。[森保、p18]
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伊勢: 欧州の5大リーグで活躍する選手を何人も抱えた「個の力」の上に、こうした「日本らしさ」が発揮できれば、「優勝が見えてくる」ということなんだ。

花子: 森保監督の言葉の意味が、よくわかりました。本当に優勝したら、私たちもみな日本人であることに誇りと自信を持ちますね!

■5.「和をもって貴しとなす」が日本の強さ

伊勢: 森保監督は、最も大切にしている「日本らしさ」とは何か、と聞かれて、こう答えている。
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「和をもって貴しとなす」ですね。よく知られているように、聖徳太子の十七条憲法の第一条です。私はこれを日本文化の根底にあるいちばん大切な精神であると思っています。ただ、この第一条は多くの人が、仲良くする、まわりに合わせる、というような意味で受け止めていると思うんですが、それは少し違うのではないかと思っています。[森保、p98]
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花子: でも、仲良くするとか周りに合わせるという意味じゃないとしたら、どういう意味なんですか?

伊勢: たとえばボールを仲間に渡すパス。26日の対スウェーデン戦では、ボールを持った堂安が、敵の防御をかいくぐって前に出た前田にパスし、その前田がゴールを決めた。この1点で試合は引き分けとなり、日本は決勝トーナメント進出を決めた。

 前田は「律(堂安)はああいう素晴らしいパスを出せる。中に走って行くよと話していた」と試合後に語っている。[産経] 森保監督は日本チームの強さについて、こう言っているが、その強みが出たのが、堂安から前田へのパスだろう。
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ボールを持った選手がどういう状況にあるか、それを見て受け手として先行して動くということが日本人選手はできます。・・・もっと微妙で繊細な呼吸の合わせ方が、日本人選手同士であればできるのです。[森保、p99]
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花子: 相手の状況を察して連係して動くというのが、まさに「和」の精神なんですね。

伊勢: その通りだね。これがどれだけ重要かというと、1試合あたりのパスの本数は400~700本にもなるんだ。そのパスを「微妙で繊細な呼吸の合わせ方」で相手より一段高い正確さとタイミングでできれば、それは勝負の大きな決め手になるだろう。海外のチームもそれを目指すけど、日本人には初めからそれができる土壌がある。

 このあたりは、スウェーデンのポッター監督も、こんなふうに言って、警戒していた。
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「日本のチームを見ていると、言葉が必要なくプレーができているなと思います。守備や攻撃で何をするのか非言語のコミュニケーションで、お互いの呼吸ができていると思います」[Yahoo!R080625]
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花子: つまり、世界では簡単にはできないことを、日本人は当たり前にやっているんですね。

伊勢: まさにそうだ。欧州の強豪チームで活躍している世界一流レベルの日本選手たちが集結して、日本文化の「和の力」を発揮すれば、「優勝が見えてくる」と森保監督が考えるのも当然だろう。

花子: 「和をもって貴しとなす」という聖徳太子の言葉が、現代のサッカーにもつながっているなんて、意外でした!

■6.「チーム一丸」から「日本一丸」へ

伊勢: それに関係して、森保監督は「チーム一丸」という言葉をよく使っている。
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私が「チーム一丸」と言うとき、それは単に団結して、という一般的な意味合いだけではありません。サッカーは利己だけでなく利他も絶対に必要だよということを言いたいからなんです。人を活かそうとすることこそチームのためになります。[森保、p346]
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花子: 「利他」というのは、自分よりも他の人のことを優先するということですよね?

伊勢: そうだ。選手が「利己」だけでは、自分が縁の下の力持ちになっても、チームを勝たせようという気持ちは生まれてこない。
「チームのために」という共通の利他的な目的があるからこそ、「微妙で繊細な呼吸の合わせ方」が可能となる。堂安が前田に素晴らしいパスをして、ゴールを決めさせたのも、その現れだ。そのような「利他心」で力を合わせて戦うのも「日本人らしさ」の一つだろう。

花子: なるほど、さきほどの「和をもって貴しとなす」の精神とも通じていますね。

伊勢: まさにそうだ。そして、この「一丸」はチームだけの話ではないんだ。冒頭で「ワールドカップは、国の誇りをかけて国民が一丸となって挑む大会です」という森保監督の言葉を紹介したね。さらにこう語っているんだ。
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代表チームと日本の国民が一丸となったときこそ、優勝が見えてくるときです。・・・日本一丸の環境をつくることが、代表監督を任せていただいている私の大きな仕事でもあると思っています。[森保、p23]
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花子: チームだけじゃなくて、国民全体が一丸となることが大事なんですね。

伊勢: そうなんだ。森保監督は「優勝」という目標を掲げて、その旗印で「日本一丸」の環境を作ろうとしているようだ。そして、それが「日本人がひとつになり、自分の国について誇りを取り戻すことができたら」という望みが達成できる道だろう。

 そうなってこそ、日本国民であることに誇りを「あまり感じない」「全く感じない」という人の割合が58カ国中で56位という憂慮すべき状況も、改善されていくだろう。

 日本は1次リーグを2位で通過し、決勝トーナメント進出を決めた。最初の相手は、現在FIFAランキング6位の強豪ブラジルだ。日本チームの実力評価は世界でも高くなっている。海外のマスコミでは、こんな論評もある。
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英紙ガーディアン(電子版)は日本とブラジルとの対戦について「決勝トーナメントの序盤で対戦するのがもったいないほど、非常に魅力的な試合」とし、好試合を期待した。・・・米スポーツ専門局のESPN(電子版)は・・・「日本が(ブラジルに)恐れを抱かずに臨めば、非常に見応えのある試合になるだろう」と期待した。[Yahoo! R080626]
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花子: 日本チームの実力と「日本らしい」戦いぶりは、世界のメディアにも注目されているんですね!

伊勢: そうだね。主将の板倉もこう言っている。「(対戦カードとして)最高じゃないですか。ブラジルをたたけば日本中が盛り上がるし(目標の優勝へ)勢いが出る」[産経]。森保監督の思いは、選手たちに十分共有されている。国民も一丸となって日本チームを応援し、森保監督の志を後押ししたいね。

花子: はい! 私も精一杯応援します!

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