季節の変化と二十四節気

日本の文化

 今日、2023年9月23日は、秋分の日です。
 朝夕は涼しくなり、季節の変化を感じる候になりました。

 四季のある日本の自然の趣に感謝しながら、「季節の変化」と「二十四節気」について考えてみます。

季節はなぜ変化するのか?

 昼と夜の変化がなければ1日という概念が必要ないように、季節に変化がなければ1年という概念は必要ないでしょう。
 では、なぜ季節は変化するのでしょうか?

距離の変化?

  • 太陽に近づくと夏、遠ざかると冬、ではありません。
  • 極端な楕円軌道の天体なら、距離の変化で季節が起こることもありますが、
    • 地球の軌道はほぼ円形で、距離はそれほど大きく変化しません。
    • むしろ、太陽から最も遠く離れるのは7月上旬ごろ (北半球では夏) です。
    • 極端な楕円軌道が原因なら、北半球と南半球は同じ季節になることでしょう。

地球の公転と自転

  • 地球の公転運動と自転運動
    • 地球は1年かけて、太陽の周りを回っています (公転)。
    • 地球自身も1日1回、回転しています (自転)。
  • 自転軸の向きは、地球の公転面 (黄道面) に対して垂直ではなく、約23.4°傾いています。
    • この状態で地球が太陽の周りを公転すると、以下の状況が順に繰り返されます。
      • 北極側が太陽を向く時期=北半球の夏=南半球の冬
      • 南極側が太陽を向く時期=南半球の夏=北半球の冬
      • 自転軸が太陽に垂直な時期(太陽は赤道上にくる)=春と秋
    • すなわち、地球の公転に伴って夏→秋→冬→春→夏という季節が繰り返すことになります。
    • 北半球と南半球では季節が逆になることもここから自然に理解できるでしょう。
  • まとめると、地球が自転軸を傾けたまま公転することによって、季節が変化するといえます。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?

 二十四節気(にじゅうしせっき)は、今でも立春、春分、夏至など、季節を表す言葉として用いられています。
 1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもので、「節(せつ)または節気(せっき)」と「気(中(ちゅう)または中気(ちゅうき)とも呼ばれる)」が交互にあります。
 太陰太陽暦(旧暦)の閏月を設ける基準となっており、中気のない月を閏月としていました。二十四節気は、その年によって1日程度前後することがあります。

  • 二十四節気は奇数番目と偶数番目の2つのグループに分けることができます。
    • 冬至・夏至・春分・秋分を含む偶数番目のグループは中気あるいはといいます。暦面上では雨水は正月中のように、○月中と表記されます。
    • 立春・立夏・立秋・立冬を含む奇数番目のグループは節気あるいはといいます。暦面上では立春は正月節のように、○月節と表記されます。
  • 二十四節気は、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

暑さ・寒さと二十四節気†

  • 立春・立夏・立秋・立冬をまとめて四立といいます。これらはそれぞれ季節の始まりを表わします。
    • こよみの上では春といえば立春、この日を境に小寒や大寒の寒中見舞いから余寒見舞いへ変わります。
    • こよみの上では秋といえば立秋、この日を境に小暑や大暑の暑中見舞いから残暑見舞いへ変わります。
    • 立春は小寒・大寒の直後、立秋は小暑・大暑の直後であり、寒さ・暑さの峠を越えたとはいえ、まだまだ寒い日・暑い日が続くのは当然です。この点、そもそも現代とは季節のとらえ方が異なるといえるでしょう。
  • 冬至・夏至・春分・秋分をまとめて二至二分といいます。
    • 暑さ寒さも彼岸までといいますが、彼岸の中日=春分の日・秋分の日となっています。
    • 立春は冬至と春分の中間、立夏は春分と夏至の中間、立秋は夏至と秋分の中間、立冬は秋分と冬至の中間にあたります。

こよみの上での二十四節気

  • 二十四節気は季節変化を表す指標=太陽暦の要素です。
    • 太陽暦では毎年ほぼ同じ日付になります。詳しく見れば毎年6時間ほどの変動はありますが、うるう年の挿入によりキャンセルされます。
    • 節を含む日を1日とする節月という考え方もあります。
    • イランでは春分を基準に、フランス共和暦では秋分を基準に1年を定めます。
  • 太陰暦や太陰太陽暦で用いると、二十四節気の日付は毎年大きく変わります。
    • 日本や中国で使われていた太陰太陽暦では、日付が一方的にずれていかないよう、二十四節気を基準にうるう月を入れて調整していました。
    • 二十四節気を使うと年の途中でもずれを修正することができます。このようなうるう月の置き方を歳中置閏といい、逆に言えばそのために二十四節気が考案されたわけです。
    • 二十四節気の基点は冬至であり、古来より冬至を観測することで暦を正していました。

二十四節気(にじゅうしせっき)

季節二十四節気名新暦の日付
立春(りっしゅん)1月節2月4日頃
雨水(うすい)1月中2月19日頃
啓蟄(けいちつ)2月節3月5日頃
春分(しゅんぶん)2月中3月21日頃
清明(せいめい)3月節4月5日頃
穀雨(こくう)3月中4月20日頃
立夏(りっか)4月節5月5日頃
小満(しょうまん)4月中5月21日頃
芒種(ぼうしゅ)5月節6月6日頃
夏至(げし)5月中6月21日頃
小暑(しょうしょ)6月節7月7日頃
大暑(たいしょ)6月中7月23日頃
立秋(りっしゅう)7月節8月8日頃
処暑(しょしょ)7月中8月23日頃
白露(はくろ)8月節9月8日頃
秋分(しゅうぶん)8月中9月23日頃
寒露(かんろ)9月節10月8日頃
霜降(そうこう)9月中10月24日頃
立冬(りっとう)10月節11月7日頃
小雪(しょうせつ)10月中11月22日頃
大雪(たいせつ)11月節12月7日頃
冬至(とうじ)11月中12月21日頃
小寒(しょうかん)12月節1月5日頃
大寒(だいかん)12月中1月21日頃

雑節

また、二十四節気と同様に季節の移り変わりの目安となるものに雑節(ざっせつ)と呼ばれるものがあり、今でも行事などが行われています。

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雑節解説
社日
(しゃにち)
春分、秋分に最も近い戊(つちのえ)の日で、1年に2回ある。春には豊年を祈り、秋には成熟を祝う行事をそれぞれ行う。
節分
(せつぶん)
元は四季にあったが、後に春だけについていわれるようになった。立春の前日のことで、邪気を払う行事がなされる。
彼岸
(ひがん)
春分と秋分の前後の3日ずつの計7日のこと。初日を彼岸の入り、当日を中日(ちゅうにち)、終日を明けと呼ぶ。
土用
(どよう)
立春、立夏、立秋、立冬の前18日間。この期間は、土公神(どくじん)が支配するといわれ、土を犯すことは忌むべきこととされた。
八十八夜
(はちじゅうはちや)
立春から数えて88日目をいい、種まきの目安の日。
入梅
(にゅうばい)
二十四節気のうち、芒種の後の壬(みずのえ)の日。梅雨はそれから31日間とされる。
半夏生
(はんげしょう)
天より毒気を下す日という。夏至より10日後とされる。
二百十日
(にひゃくとおか)
立春から数えて210日目の日。必ず暴風雨があるとされる。
二百ニ十日
(にひゃくはつか)
立春から数えて220日目の日。二百十日と同じ意味を持つ。

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