言い換え、刷り込み… イスラエルによる世論操作の手法 ヒズボッラー事務局長「米英は抵抗勢力を潰すためにテロ組織作った」

現代の世界各国

イスラエル軍により7、殺害されたパレスチナ人の数は3万8000人以上に上っています。しかし、SNS上ではイスラエルの行動を批判する声は主流とはなっていません。イスラエルはどのように世論を操っているのでしょうか?

レバノンの抵抗組織ヒズボッラーのナスロッラー事務局長が、テロ組織を作った国としてアメリカとイギリスを挙げました。

Just a moment...

言い換え、刷り込み… イスラエルによる世論操作の手法

言い換え、刷り込み… イスラエルによる世論操作の手法

イスラエル軍によるガザ攻撃は始まってから9カ月が経過し、殺害されたパレスチナ人の数は3万8000人以上に上っています。しかし、SNS上ではイスラエルの行動を批判する声は主流とはなっていません。イスラエルはどのように世論を操っているのでしょうか?

【ParsToday西アジア】イスラエルによるジェノサイドの規模がどれだけのものかは、アフガニスタンで20年続いた戦争による民間人犠牲者数が4万人であることを考えればわかります。しかし、それでもイスラエル側を支持する投稿がSNS上にはあふれています。イスラエルがこうした支持を得続けている理由は何でしょうか?

言い換え話法

2003年のイラク戦争時、当時のブッシュ米大統領はグアンタナモ基地での捕虜虐待問題の発覚をうけ、批判の矢面に立たされていました。しかし、ブッシュ氏は虐待の代わりに「最先端の取り調べ手法」という言葉を使い、批判を切り抜けようとしました。虐待というマイナスの言葉を避け、プラスの意味の言葉を使ったのです。

この手法は、今のイスラエルメディアも多用しています。例えば、ガザの住宅地への空爆を「報復作戦」と言い換えています。

刷り込み手法

「コール・オブ・デューティー」のような戦争ゲームでは、テロリストは病院などに潜伏している設定になっていることが多く、プレーヤーは勝つためにはそうした場所を攻撃する必要があります。映画についても同様で、2021年の「アサルト33・要塞病棟」では、テロリスト壊滅のため病院を攻撃する物語になっています。

こうしたゲームや映画により、見る者は知らず知らずのうちにテロリストは病院に潜伏するものという意識を刷り込まれていきます。それにより、イスラエルが「ハマスが病院の地下にトンネルを掘り、戦闘に利用している」などと主張すると、容易にそれを信じてしまうのです。実際、イスラエル軍がガザの病院を空爆し、500人以上が犠牲になった時も、世論は動きませんでした。

このように、世論からの批判が予想される行動をとる場合、あらじめメディアなどを通じて世論の地ならしをしておく手法があります。実際に事が起きた時、すでに世論はこれが特別なことではないと刷り込まれているため、大きな反発は起きないのです。これもイスラエルメディアが多用する手法です。

刷り込み手法のプロセス

刷り込み手法には大きく2つのステップがあります。1つ目は、数カ月前、時には数年も前からメディアを通じて特定の行動を様々な形で繰り返し見せることです。これにより受け手はこの行動がごく普通のものだと感じるようになります。先に挙げたゲームや映画におけるテロリストが病院に潜伏している設定は、これにあたります。

2つ目のステップは、実際に行動を起こす数週間前あるいは前日に、その行動を正当化する情報を流すことです。先の例では、イスラエルが「ハマスによる病院内のトンネルの存在」を主張したことがこれにあたります。この2つのステップを踏むことにより、受け手は容易にその行動を正しいものとして受け取るようになります。

イスラエルはここに挙げたような手法を使うことで世論を操作し、ガザでジェノサイドを行っても批判を抑えることに成功しています。この記事で紹介した2つの手法は、あくまでその一部に過ぎません。

Just a moment...

ヒズボッラー事務局長、「米英は抵抗勢力を潰すためにテロ組織作った」

レバノンの抵抗組織ヒズボッラーのナスロッラー事務局長

レバノンの抵抗組織ヒズボッラーのナスロッラー事務局長が、テロ組織を作った国としてアメリカとイギリスを挙げました。

パールストゥデイによりますと、ナスロッラー事務局長は11日木曜夜、イスラムの預言者ムハンマドの孫であるシーア派第3代目イマーム・ホサインの殉教を悼む行事において、「複数のテロ組織は、米国とイギリスの諜報機関が金を出して作られた。彼らのこのような行為には、聖戦、殉教、抵抗に関連した価値観を侮辱するという目的があった」と述べました。

そして、「西側では2000年以降、メディアや文化方面において、抵抗活動に関連するあらゆるものを対象に強固なキャンペーンを展開した。その結果、聖戦・ジハード)という言葉には否定的なイメージが植え付けられた」と続けました。

アメリカとイギリスは、ISISをはじめとした複数のテロ組織を作った国であり、その主な支援者でもあります。特にシリアにいるISIS因子の一部は、アメリカが管理する難民キャンプなどに潜伏しており、そうした場所のひとつにはシリア北東部ハサカ県にあるアルホール難民キャンプが挙げられます。

現地情報筋は、これまでにも多数の報道において米軍がISISのテロリストを刑務所から米軍基地に移送していることを伝えており、治安筋も、アメリカが西アジアでの米軍駐留継続に必要な口実を作り出すべく、ISIS因子を訓練し武器を与え、彼らにシリアなどの地域諸国でテロ攻撃を行わせようとしていると、繰り返し指摘してきました。アメリカは、ISISが犯罪を続けることがシリア・イラクにおける米軍駐留継続という自身の利益と合致すると考えていますが、現実には、地域の住民から軍撤収を迫られている状態にあります。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました