下記時事には、以下のようなアドバイスがあります。
詳細は記事、リンク先をご参照ください。
この時期は、タマネギ、五味、ゴーヤ、ピーマン、キュウリ、トマト、ナスがポイントのようです。
「胃腸が弱っているな」と感じられたら、夏野菜の生食は控え、お粥や野菜煮込みスープがいいでしょう。なお、肉もどれだけか食べたいとなれば、豚肉の細切れを入れた野菜たっぷりの蒸しシャブ料理がおすすめです。
食後のデザートとして冷蔵庫で冷やした「ニッキ味の寒天菓子」です温めの湯に長く浸かり、汗が出だしたら体の芯が十分に温まったことでしょうから、湯上がりに冷水シャワーを気持ちいい程度に浴びます。すると、皮膚がしまり、熱を閉じ込めてくれます。ただし、いきなり全身に冷水を浴びると心臓麻痺を起こしそうになりますから、先ずは手足だけ、次に下半身だけ、といった具合に少しずつ体を慣らしてください。
体が冷えた方におすすめの食材は「ニラ」です。
24節気の健康と食養:小暑から大暑まで
24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
小暑 初候 温風至(あつかぜ いたる)暖い風が吹いて来る
次候 蓮始開(はす はじめて ひらく)蓮の花が開き始める
末候 鷹乃学習(たか すなわち わざを なす)鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える
夏至の次にやってくる24節気が小暑で、毎年7月7日頃(2024年は7月6日)になります。
気温もどんどん高くなって、この先、大暑でもってピークを迎えるというのが、中国中心部の気候で、梅雨はありません。中国で梅雨があるのは、長江下流域とその西方の中国南部だけです。北海道を除き、全国的に梅雨がある日本ですから、中国とは季節の捉え方が随分と変わったものとなります。
芒種の頃から始まる長丁場の梅雨は例年だと今頃は約3分の2が終わって、残すは約3分の1となり(今年は梅雨入りが遅れ、半分終って残り半分といったところ)、残りの期間は、ほぼこの節気の期間と一致します。ジメジメ感、蒸し暑さともにピークに達します。
長雨で外に出られず、室内で椅子に腰かけたまま、という姿勢をとり続けて、猫背になり、肩こり・首のこりが起きやすい時期でもあります。そんなとき、腰かけたままで隙間時間にすぐできる、とっておきの体操があります。“空に向かってボート漕ぎ”といった感じの簡単な体操で、所要時間60秒ほど。やってみてください。
→ 「猫背、肩・首こり」全解消!医師考案の”凄い体操”
( 医学博士池谷敏郎氏考案の「脱・E.T.体操」:東洋経済オンライン2023.5.6)
夏至が過ぎたとはいえ、昼の長さはまだまだとても長く、それによって活動時間も長くなり、夏:心の季節ということもあって、心臓の働きは活発になります。人の体は、夏:心の季節に十分に対応していることでしょう。
これを踏まえた夏の食養生法を下記の記事で紹介しています。ご参照ください。
立夏は夏の入り、五味を上手に夏食に。先ずは「心」が求める苦味です。
ここでは、小暑から大暑までの養生について、前々回の芒種や前回の夏至とかなり重複しますが、夏の季節として特徴的なものを紹介することにしましょう。
昼間がとても長いですから、その分活動量が増え、心臓も長時間働かされます。よって、エネルギー代謝をスムーズにしてあげる必要があります。
芒種の頃から旬となっているのがタマネギです。これといった栄養価はないものの、特有の刺激臭「硫化アリル」がビタミンB1を活性化させ、これによってエネルギー産生回路を円滑に回す、つまりスタミナ食になりますから、心臓にとって実に望ましい食品といえます。旬のタマネギを大いに食したいものです。
5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、夏は<主・苦味、従・辛味、添・甘味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。
この頃から旬となるのがゴーヤです。苦味食材の代表です。おおいにゴーヤ料理を食していただきたいものです。なお、ゴーヤの苦味が苦手な方は、味噌料理とすれば、かなり苦味を隠せます。
ゴーヤの出回りはまだ早いですが、露地ものピーマンは旬となり、これも苦味食材です。ゴーヤは体を冷やす方向に働きますが、ピーマンは体の芯を温める方向に働きますから、冷房にあたる人の場合、ピーマンは最適なものとなりましょう。
次に、梅雨時の養生について説明します。これの詳細な解説は、次をご覧いただくとして、ここでは簡潔に要点を述べます。
梅雨時の健康法は「湿熱」疾病と「冷たい物中毒」の合併症からの脱却
梅雨時は「湿熱」で「脾=胃」が弱っていますから、胃に負担がかからないよう、油っこいものを避け、よく噛んで食べるのが第一となります。また、この時期、通常はエネルギーの消耗が少ないですから腹八分とし、食欲も落ちてきますから美味しく食べられるものを少しずつあれこれ食べるのが良いということになりましょう。
そして、梅雨の晴れ間には少しはお日様に当たりたいものです。骨を丈夫にする活性化ビタミンDは皮膚で太陽光線により作られるのですからね。特に朝日を浴びるのは重要です。というのは、「幸せホルモン」セロトニン、「睡眠ホルモン」メラトニンを体内で十分に作るには先ずは朝日を浴びるに限るからです。これについては「セロトニンとメラトニンを十分に出す生活習慣を」で解説しましたのでご覧になってください。
この時期になりますと、晴れた日の屋外は、蒸し暑さがとてつもないものとなります。長時間屋外にいると体に熱がこもってしまいます。熱中症の危険が大です。
よって、この時期は旬が盛りとなったキュウリ、トマト、ナスを生食で毎日いただくと良いです。これら夏野菜は体の芯を冷やしてくれる力があり、これは生食に効果があります。ただし、熱をかけると冷やす効果は大きく落ちてしまいます。
ところで、中国中心部においても、小暑の節気には雨が比較的多く、現代の中医学では「蒸し暑くうだって、食欲がなくなる。こういうときは、粥そして野菜と豆をとろ火で煮込んだスープなど温かくて柔らかい食事をとり、生ものや冷たいものを避けるべし。暑さしのぎに果物を食べるのもよいが、胃腸の負担を考えて適量にすること。」と言われています。
こうしたことからも、この時期、「胃腸が弱っているな」と感じられたら、夏野菜の生食は控え、お粥や野菜煮込みスープがいいでしょう。なお、肉もどれだけか食べたいとなれば、豚肉の細切れを入れた野菜たっぷりの蒸しシャブ料理がおすすめです。我が家ではこれからの時期、ときどき夕食に登場します。汗をかきながらの蒸しシャブはなかなかいいものです。
そして、食後のデザートとして冷蔵庫で冷やした「ニッキ味の寒天菓子」です。寒天は水溶性・不溶性の両方の食物繊維の塊ですから、腸内環境改善に最適です。そして、ニッキは漢方で言う「桂枝(けいし)または桂皮(けいひ)」で、健胃、整腸、食欲不振、胃もたれ、消化不良などに効くし、おだやかな発汗・発散作用もありますから、今の時期にピッタリです。
蒸し暑さが高まれば、現代では職場に快適な冷房が入ります。すると、体が冷えすぎてしまい、様々なトラブルが発生しだすのもこの時期です。その場合は、前回の「夏至から小暑」の記事でも書きましたが、正しい入浴法がとても効果的です。
それを再掲しましょう。
温めの湯に長く浸かり、汗が出だしたら体の芯が十分に温まったことでしょうから、湯上がりに冷水シャワーを気持ちいい程度に浴びます。すると、皮膚がしまり、熱を閉じ込めてくれます。ただし、いきなり全身に冷水を浴びると心臓麻痺を起こしそうになりますから、先ずは手足だけ、次に下半身だけ、といった具合に少しずつ体を慣らしてください。
初めて冷水シャワーに挑戦なさる方は、次の記事を参照ください。
今がチャンス!始めましょう、冷水シャワー。万病に効果あり。ただし、夏を過ぎても毎日実行。
入浴以外の冷房病対策として、貼るカイロの利用があります。つぼは「環跳(かんちょう)」で、ここに貼るカイロ(ミニサイズがいいでしょう)を貼ります。「環跳」は、立ったときにお尻の両脇にできるくぼみ(肛門をキュッと締めると、よりくぼむ)です。ここに下着の上からカイロを貼ると、その温もりが体の奥へ伝わりやすくなります。腰痛、下痢、生理通、頻尿、お腹の冷えにも効果的です。
そして、体が冷えた方におすすめの食材は「ニラ」です。ニラは漢方では別名を「起陽草」といい、この時期の体を温める代表的な食材です。
また、夕食で汗をかくのもいいです。先におすすめしましたお粥や野菜煮込みスープあるいは蒸しシャブなどいかがでしょうか。
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