2025-04-25

現代の日本

中国流対米毅然対応が良策

中国流対米毅然対応が良策トランプが提示した24%の上乗せ関税の設定に関する日米協議。日本の交渉姿勢には2類型がある。第1の類型は米国への譲歩を基本とするスタンス。へりくだり、下手に出て、トランプ大統領の機嫌を損ねぬように交渉する。第2の類型は相手が米国であろうと、日本としての主張を貫く毅然とした姿勢での対応。トランプ大統領に対して日本の主張を正面から提示すれば交渉が決裂する可能性をはらむ。このことをも覚悟して腹を括って交渉に臨む。中国の対応は後者に属する。問題の発端は米国にある。米国が自由貿易の大原則を否定して高率関税の一方的提示に突き進んだ。米国は高率関税を提示しながら、他国に関税撤廃等の要求を突き付けている。極めて自己中心的な振る舞いだ。これに対して中国は一方的譲歩を示さずに、毅然とした対応を示している。しかし、中国が米国に対して厳しい対応を示せば、米国にもマイナスの影響が生じる。中国の姿勢は〈チキンゲーム〉の仕掛けにひるまないというもの。これに対して、日本の交渉姿勢は腰が引けている。他国の先陣を切って日米交渉に突き進むのは、米国と堂々と渡り合う姿勢を示すものではない。トランプ大統...
現代の世界各国

トランプが作る新世界

トランプが作る新世界2025年4月22日   田中 宇トランプ米大統領の世界に対する戦略・策略の全容が、しだいに見えてきている。80年続いてきた米英覇権体制を崩し、世界を多極型に転換する計略だ。2000年ごろから隠然と続けられてきた多極化策のラストスパートをトランプが担っている。地域別に見ると、欧州は、英欧を対露敗北させていくウクライナ戦争。中東は、イスラエルに覇権譲渡してアラブやイラン、トルコを従わせる。(米国の中東覇権を継承するイスラエル)(英欧だけに露敵視させる策略)東亜(東アジア)や経済面は、高関税策で中国と貿易戦争して中国を反米非米化で奮い立たせ、中国がドル覇権を引き倒すように仕向け、ドル基軸が低下した後、米国と中国(などBRICS)で多極型の新通貨体制を作る「マーラゴ合意」を結ぶ。その一環で、これからパウエル連銀総裁を罷免する。(Inside the Mar-A-Lago Accord)(高関税策で米覇権を壊す)アフリカは、米欧傘下からBRICS傘下に移転している。中南米やカナダは、多極型世界における米国極(南北米州)に属する諸国として再編されつつある(グリーンランドも)。...
現代の日本

「トランプとハーバード大学が対立」報道、米国よりも日本の記事が「偏り過ぎている」証拠

「トランプとハーバード大学が対立」報道、米国よりも日本の記事が「偏り過ぎている」証拠学内で親パレスチナの抗議活動を容認し、反ユダヤ主義を取り締まらなかったとして、トランプ政権がハーバード大学に対し助成金の給付を凍結しています。この話題は研究者の間でも話題となり、トランプ政権を支持しないとする研究者たちも現れ始めました。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、この対立について、Yahooニュースとニューヨークタイムズの記事を引用しながら、日本の報道の偏りについて疑問を呈しています。ハーバード大学とトランプ政権の対立報道ハーバード大学とトランプ政権が対立しています。今日はこれについて日米の記事を比較してみましょう。例えば、4/15(火)10時24分 配信のYAHOOニュースでは以下のように報じています。記事抜粋米 ハーバード大学 トランプ政権の要求拒否 アメリカの名門・ハーバード大学は、トランプ政権が要求した多様性を重視する政策の見直しや学生らの監視強化について、「受け入れない」と拒否する声明を...
科学論

いまさら聞けない、「クォーク」とはいったい何なのか…「厄介な素粒子」と呼ばれる理由

いまさら聞けない、「クォーク」とはいったい何なのか…「厄介な素粒子」と呼ばれる理由陽子・中性子の質量はどこに?前の記事で、原子の中の質量は原子核に集中していると紹介しましたが、これがわかったのはラザフォード博士の実験によってでした。原子の中に粒子ビームを撃ち込み、それがどう跳ね返ってくるかを見る実験でした。その結果、多くの粒子は素通りする一方で、ごく少数の粒子は大きく跳ね返されることがわかったのです。つまり、原子の中には何かもっと小さいものがあって、それが粒子を跳ね返しているに違いないのです。photo by iStock陽子・中性子の中に質量がどう分布しているのかについても、同じようにして調べることができます。陽子に粒子ビームを撃ち込んで、跳ね返ってくる様子を見るわけです。その結果は?中心に何かあるのか。あるいは全体に何かが分布しているのか。それとも……?この実験の結果は驚くべきものでした。陽子の中には、やはり何か小さなものがあることがわかりました。ただし、その電荷は陽子の電荷の3分の1や3分の2といった変な値でした。しかも、この小さなものは、粒子ビームをぶつけるたびに、そのエネルギ...