
人間の身体と大地は繋がっている ~「身土不二(しんどふじ)」の思想
JOG(1190)人間の身体と大地は繋がっている ~「身土不二(しんどふじ)」の思想日本人は、日本列島で採れる豊かな食材に合った身体を発達させてきた。■1.「身土不二」の思想「身土不二」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。「身」すなわち人間の身体と、その人間が生まれ育った「土」つまり大地は「不二」、二つではなく一体だという思想です。西暦1300年頃、中国の仏教書に出てくるのが、文献としては最初のようです。 考えて見れば、私たちの身体は食べたものを分解し、そこから得られた栄養素から形成されています。そして、すべての食物はもともと、大地から育った植物か、それを食べて育った動物でした。したがって、我々の身体は食べ物を通じて大地と繋がっているのです。 この認識の上で、身土不二は、生まれた場所から歩いて行ける範囲、3里(12km)ないし4里(16km)の範囲で育った食物を食べるのが良いという思想です。タイの養殖エビ、カリフォルニアのオレンジ、オーストラリアの牛肉を日常的に食べている我々の現代の生活から見れば、とんでもない暴論に聞こえます。 しかし、この説には科学的根拠がないわけではありませ...