2025-01-02

現代の日本

苛政と酷税に耐え忍ぶ日本国民

苛政と酷税に耐え忍ぶ日本国民日本経済の低迷が続く。各国のドル表示名目GDPの推移を見ると日本経済の低迷がよく分かる。1995年の名目GDPを100としたとき、2023年のGDPはどれだけになったか。米国は358、中国は2416になった。しかし日本は76。28年の時が過ぎ去り、GDPは4分の3に縮小した。一人当たり実質賃金は1996年から2023年までの27年間で16.7%減少した。このなかで一般会計国税収入は1996年の52.1兆円が2023年の72.1兆円へ20兆円増加した。とりわけ拡大したのが消費税。1996年度の消費税収(国税)は6.1兆円だったが2023年度には23.1兆円になった。20兆円税収が増えたが、そのうち17兆円が消費税の増大である。一般会計税収は2020年度が60.8兆円。2023年度は72.1兆円。この3年間で国税収入は11.3兆円増えた。国税庁の民間給与実態調査では1年を通じて勤務した給与所得者の51%が年収400万円以下、21%が年収200万円以下である。10月27日の衆院総選挙で自公は過半数割れに転落。無所属で当選した裏金議員4名、自民系無所属議員2名を合わ...
現代の日本

養老孟司が考える現代人の問題点。「今の時代<手術が成功してがん細胞は撲滅しました。でも本人は亡くなりました>になりかねない」

養老孟司が考える現代人の問題点。「今の時代<手術が成功してがん細胞は撲滅しました。でも本人は亡くなりました>になりかねない」「『ああすれば、こうなる』ってすぐ答えがわかるようなことは面白くないでしょ。『わからない』からこそ、自分で考える。……それが面白いんだよ」。わからないということに耐えられず、すぐに正解を求めてしまう現代の風潮についてこう述べるのは、解剖学者・養老孟司先生です。今回は、1996年から2007年に『中央公論』に断続的に連載した時評エッセイから22篇を厳選した『わからないので面白い-僕はこんなふうに考えてきた』より、2024年8月に収録されたインタビュー(聞き手・鵜飼哲夫)を一部お届けします。 【写真】養老孟司先生 * * * * * * * ◆「バカの壁」の昨今 鵜飼 『わからないので面白い-僕はこんなふうに考えてきた』には、2003年に『バカの壁』(新潮新書)を出版する前後に書かれた文章が多く入っています。これは「バカの壁」ではないか――近年、そう感じることはありますか。 養老 将棋をAI(人工知能)にやらせるようになり、人間を打ち負かすようになったのをはじめ、AI...
日本の歴史

「今の日本は『言葉』と『政治的な正しさ』を優先させすぎている社会」だが、本来は「ひずみ」を受け入れてきた「稀有な国」だった…養老孟司が思う「日本人が今気づくべきこと」

「今の日本は『言葉』と『政治的な正しさ』を優先させすぎている社会」だが、本来は「ひずみ」を受け入れてきた「稀有な国」だった...養老孟司が思う「日本人が今気づくべきこと」どうして変な事件が起きるのか? なぜ生きにくい世の中なのか? その答えは外国文化を取り入れ発展したことで生じた「ひずみ」にあるかもしれない―碩学ふたりが日本の限界と可能性に迫る。前編記事『「日本社会の居心地の悪さ」はどこから来るのか?...養老孟司が戦後「政治的・社会的なことは一切信用しないほうがよい」と感じてきた《日本のひずみ》について語った』より続く。ひろゆきは坂本龍馬?茂木 僕は本の中で、「養老孟司は平成、令和の西郷隆盛である」という説を唱えました。西郷さんは明治維新を行った元勲の一人でありながら、西南戦争で官軍に反旗を翻し、最後は敗軍の将として自刃する。その立ち位置こそ、近代日本のひずみを象徴しています。養老 明治維新によって複雑なものを単純化したときに、「全体」から漏れ出てしまったものを西郷さんは背負ってくれた。新政府がやっていることは相当酷かったようで、民衆のストレスを体現して反乱を起こしたから、偉かったん...
日本の歴史

「日本の居心地の悪さ」はどこから来るのか?…養老孟司が戦後「政治的・社会的なことは一切信用しないほうがよい」と感じてきた《日本のひずみ》について語った

「日本の居心地の悪さ」はどこから来るのか?...養老孟司が戦後「政治的・社会的なことは一切信用しないほうがよい」と感じてきた《日本のひずみ》について語ったどうして変な事件が起きるのか? なぜ生きにくい世の中なのか? その答えは外国文化を取り入れ発展したことで生じた「ひずみ」にあるかもしれない――碩学ふたりが日本の限界と可能性に迫る。天変地異しかないのか茂木 今の日本社会には様々な「ひずみ」が現れつづけています。それは日本の近代化が様々な無理を重ねて行われてきたからではないか―。そんな意識から、養老先生と批評家の東浩紀さんと3人で、近代日本について討論した『日本の歪み』(講談社現代新書)をこのたび刊行しました。日本を考えるには、「ひずみ」が一つのキーワードとなると思ったからです。最新刊では敗戦、天皇、税金などが語り尽くされる養老 「日本社会のひずみ」という問題は、私も生涯を通じて意識してきたことです。最初にひずみを感じたのは終戦の日で、ただ本当に膝の力が抜けていくようでした。その経験があるから、政治的・社会的なことは一切信用しないほうがよいという態度になったのだと思います。茂木 養老先生...