2024-12-02

現代の中国

中国に勝てず破産した欧州のEV用電池企業ノースボルト トランプ2.0で世界に与える影響

中国に勝てず破産した欧州のEV用電池企業ノースボルト トランプ2.0で世界に与える影響ノースボルト(写真:ロイター/アフロ) 現地時間11月21日、EUの希望の星であったEV(電気自動車)の車載電池製造会社ノースボルト(northvolt)が破産保護申請をアメリカに申し出た。ノースボルトは中国からの「EVの津波」を回避するために、欧州でEV用電池を製造しようという目的で2016年にスウェーデンに設立された企業だ。EUやアメリカの支援協力も得たが、中国には勝てなかった。 これによりEUのEVに関する対中追加関税の継続的実行は難しくなり、特にトランプ2.0の誕生によりEUは中国に譲歩せざるを得なくなるのではないだろうか。 それにしても、あれだけ「大山鳴動」して創立されたノースボルトがなぜ破綻したのか?そこから見えてくる日本のあり方も含めて考察する。◆なぜノースボルトは破綻したのか? EUの希望の星だったノースボルトが破綻して、アメリカで連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。何といっても中国EVの車載電池製造の勢いに対抗しようとして誕生した企業だっただけに、中国における...
現代の世界各国

イスラエルの安全確保

イスラエルの安全確保2024年11月29日   田中 宇11月27日、イスラエルがヒズボラとの停戦に同意した。イスラエルは9月からの戦闘で、ヒズボラの軍幹部のほとんどを攻撃で殺し、兵器庫など軍事拠点の多くも潰したと考えられるので、米国やロシアに仲裁させて停戦した。(Report: Lebanon Ceasefire To Be Announced, To Begin Wednesday at 3:00 AM EST)ヒズボラは、イスラエル国境からリタニ川北岸まで撤兵し、その地域に代わりにレバノン政府軍が入って治安維持する。この交代の過程を監視するためにイスラエル軍がレバノンに入る。交代過程は2か月で終わり、トランプ就任の前後には停戦態勢が確立し、イスラエル軍がレバノンから撤退する。これはネタニヤフからトランプへの「贈り物」の一つ(トランプが戦争を終わらせたという功績の付与)であり、そのため今の時期に駆け込みで停戦過程に入った。(Significant efforts to end fighting in Lebanon underway with both Trump and Bide...
生命科学

じつは、多くの人が「生命のシステムは1種類」だけと思っている…「地球外生命」の存在をも左右しかねない「驚愕の生命観」

じつは、多くの人が「生命のシステムは1種類」だけと思っている…「地球外生命」の存在をも左右しかねない「驚愕の生命観」地球外生命体はいるのか地球外生命体は、いわゆる「観測可能な宇宙」にいるのでしょうか。小林憲正氏(以下、小林):私も含め、アストロバイオロジーの研究をしている研究者は、長らく「観測可能な宇宙」の中に地球外生命体がいるか否か、実験や議論を重ねてきました。観測可能な宇宙には、10²³個ほどの星があります。宇宙空間に膨大に存在する星の中で、太陽もその周りを公転している地球も、ありふれた星に過ぎません。特別ではない太陽系の珍しくもない衛星である地球に生命が存在しているということは、広く見渡せば、宇宙のどこかに複数の地球外生命が存在していても不思議ではないと思います。東京大学大学院教授の戸谷友則氏は「観測可能な宇宙に地球外生命が存在している可能性は極めて低い」「ただし観測可能な宇宙の外まで考慮すると地球外生命が存在する可能性は高い」という説を発表しています。小林:「観測可能な宇宙に生命が存在しているか」という問題に対する考え方は、研究者によってまちまちです。生命の起源をどう定義するか...